忘れちゃいけないボス報酬! 選べるっていいよね!
五階層ボス撃破時に手に入れた魔石の話
分身用の装備を作ってリュックサックへしまうと、俺は拠点を出発した。
六階層へ向かう前に、寄るところがある。
「さてさて! ボスの魔石はどうなるかな!」
モノリスに到着した俺は、手持ちの魔石を投入する。
もちろん、五階層のボス――巨大コウモリを倒して得た魔石も。
残ポイント
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ゴブリンの魔石:53(増加)
コウモリの魔石:61(増加)
大コウモリの魔石:1(増加)
汎用ポイント:0
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「お、やっぱり別枠だ! 大コウモリの魔石、1と。アイツ、大コウモリが正式名称なのか。引き換えられるアイテムはどうなってる?」
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大コウモリの魔石:
1:鉄鉱石5、輝水晶4
1:丈夫なコウモリの牙2、丈夫なコウモリの皮
1:汎用ポイント25
5:さらなるリストの解放
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「鉄鉱石と輝水晶。5つとか4つ、複数個と替えられるんだな」
鉄鉱石なら5個か。
これだけあれば――忍者刀の材料にできる。
輝水晶は……あの輝く水晶のことか。
照明器具でも作れるのかな。別の使い道があるのか?
「丈夫な……コウモリの素材か。武器や防具が作れそうだな。――アイツ、硬かったし」
どちらかといえば防具だな。
ファンタジーな防御力がつくかもしれない。
「汎用ポイントに引き換える選択肢は……ないな」
ポイントはデカいけど、他の魔石で代用できる。
ボスの魔石を使うことはない。
どうせなら、替えのきかない素材がいい。
「となると――丈夫なコウモリの皮だな!」
――強化するのは防具だ。
大コウモリと戦った時、頑丈さに苦労した。
ステータスのせいなんだろうが……素材にも反映されていると期待する。
なんせ、丈夫な皮だからな。頑丈に決まっている。
これこそ、これまでになかった素材。ファンタジーな素材だ。
俺にはファンタジーな防御力が足りていない。
ぺらっぺらの紙装甲だ。
ワイヤー帷子の忍び装束で、物理的な防御力は確保した。
だけど、大コウモリ戦では死にかけた。
防具がなければ即死だったかもしれないが、まだまだ足りない。
俺自身は、防御や耐久関連のスキルが選べない。
となれば、防御性能が上がる装備が最優先だ。
「よし、決定!」
モノリスの中に『丈夫なコウモリの皮』が現れる。
手を差し入れて取り出す。
「ほー。見た目はあんまり普通のコウモリの皮と変わらないけど……しなやかで強い。――ではさっそく、これを素材にして忍び装束を強化しよう! 忍具作成ッ!」
俺の装備の一部にはコウモリの皮が使われている。
この部分を頑丈なコウモリの皮で置き換える。
装備への加工は、新しく作るよりもコストがかからない。
残しておいた魔石を使って、装備のアップデートが完了する。
「ううむ、これは頼もしいぜ!」
出来上がった装備を確かめる。
拳や腕、肩、胸、脛などを重点的に補強した。
その部分は分厚く、頑丈になった。
だがしなやかで動きを損ねない。
素材は軽い。軽さに対しての強度は現代素材以上だ。
強度を高めた上で、軽さも維持する。
ファンタジー素材ならではだ!
モノリスから残りのポイントで治癒薬を引き換えておく。
これで手持ちの魔石もポイントもほとんどない。
残ポイント
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ゴブリンの魔石:3(減少)
コウモリの魔石:11(減少)
大コウモリの魔石:0(減少)
汎用ポイント:0
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三階層、四階層で宝箱を開けながら先へ。
薬草と鉄鉱石をリュックサックにしまい、五階層へ――
――5階層に到着した。
「扉は開いたままだ。……時間が経ったらまたボスは湧くのか?」
倒したのは昨日だ。
ボスと戦えるのは一度きりなのか、リポップには時間がかかるのか。
ボスの素材は魅力的だ。
強敵だが、もう手の内はわかった。
次に戦う時はもっと楽に勝てるはずだ。
また、戦いたい。
「――でも、毎日復活されたら面倒だな。通るたびに倒さなきゃならないのはちょっとな……」
無人の五階層を抜けて六階層へ。
ボスは現れない。
奥の扉の先、六階層への階段はすぐそこだ。
「よし、気を引き締めていくぞ!」
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