タマゴ祭り!
リンが皿をテーブルに並べていく。
だし巻き玉子、炒り玉子、玉子野菜炒め……。
玉子料理のフルコースだ。
俺たちはそれを次々と口に運ぶ。
「うまーっ! どれもうまいっス!」
「味はニワトリの卵と似ているな。このだし巻き玉子はふわふわで絶妙だ!」
「ふふ。ありがとうございまーす! この卵のお味は少しさっぱりしていますねー」
などと、料理に舌鼓を打つ。
「親子丼はどうですかー?」
他の料理もあるので、少し小さめのどんぶりだ。
鳥肉と玉子のコラボである!
「うーん。ダシがきいていて美味い!」
「うまっ! 親も子もうまーいっ! いくらでもいけるっス!」
トウコはどんぶりをかきこような勢いで食べていく。
「生卵の後なのにすげーな、トウコ。でもこれは箸が進む!」
「おかわりはたくさんあるから、ゆっくり食べても平気だよー」
リンはトウコを見てやわらかく笑いながら、上品に食べている。
「ん……?」
妙な感覚を憶えて、料理を口に運ぶ手を止める。
「ゼンジさん。どうかしましたか?」
「カラがジャリったんスか?」
卵の殻を噛むとテンション激下がりになるが、それじゃない。
「妙な感覚があってな。これは多分――」
俺はステータスウィンドウを開いてスキルを確認する。
スキルの一番下に、見慣れない表示がある!
--------------------
【火耐性(一時)】
--------------------
「――やはり! 【火耐性】が増えている!」
「えっ? あ、私にもありますっ! 一時って書いてあります!」
リンの表示も俺と同じようだ。
「おーっ!? 【嫉妬】のおかげっスか?」
「そうなのかもー!」
火鳥の卵にアイテムとしての特殊効果があるという説もある。
だが、これまでそういうケースはない。
リンの【食材】が作用したとも考えられるが……。
この流れでは【嫉妬】が最有力候補である。
嫉妬の効果により、一時的な火耐性を付与する料理を作れた……とか!
「一時的に使用できるって説明だったよな?」
「あ! そうでしたー。こういうことなんですね!」
「ちな、あたしの【火耐性】のスキルレベルはそのままっス」
「へえ。もともと持っている場合、スキルレベルは上がらないんだな」
いいね。
もともと持ってるケースも確認できたぞ。
「となると気になるのは、どのくらい効果が続くのかだな」
「はかってみましょう!」
俺たちは時間を測るために砂時計をひっくり返す。
五分、十分、三十分……と、複数の砂時計を使って計測する。
時間が来たらひっくり返せばいい。
「リン姉! ヤキトリおかわりっス!」
「よく食うなぁ。俺はもうごちそうさまだ」
もちろん焼き鳥もうまい。
とはいえちょっと食いすぎたな。
リンがトウコに串を渡す。
「はい、トウコちゃん! 残りのお肉は【食品収納】にしまっておきますねー」
「あざーっス!」
「おう!」
なにも一度に食べることはない!
収納のおかげでいつでもおいしいものが食べられる!
ご意見ご感想お気軽に! 「いいね」も励みになります!




