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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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管理者権限を手に入れる条件とは?

 第九エリア――

 俺たちはバオバブの木の下で話し合っている。


 天の声からボス討伐をアナウンスされたので、鳥は十エリアのボスで間違いない。


「うーむ。ボスを倒したら管理者権限がもらえると思っていたんだが……」

「そのはずですよねー? ゼンジさんのダンジョンでは、クモさんを倒して……宝箱を開けたらもらえましたよね?」


 俺のダンジョンでは、報酬は宝箱を開けたときにもらえる。

 倒したタイミングではない。


 ふむ?



 トウコが思いついたように言う。


「あっ! 鳥の宝箱を開ければいいんスよ!」

「ふむ。宝箱がキッカケかもしれないな」


 ボスの宝箱はちゃんと残っている。

 雄鳥(オス)雌鳥(メス)で二つある。


「では、開けてみますねー」


 リンが雌鳥の宝箱を開ける。

 中身は――


「えーと。羽根ですね……」

「へえ。きれいな赤い羽根じゃないか。これは冠羽(かんう)だな!」


 トウコが言う。


「かんうと言えば、天下無双(むそー)武将(ぶしょー)っスね!」

「カンムリのハネな! 関羽(かんう)でも張飛(ちょうひ)でもない!」


 ボケてるのか天然なのかわからんわ!


 まあ、冠羽(かんう)なんて言葉、調べないと出てこない。

 かんむりばね、と読んだりもするらしいけど、耳で聞いてもわからないだろう。


「鳥さんの頭に生えていた羽根ですねー」


 赤い羽根は全部で五本。

 どれもつややかで美しい。


 俺は赤い羽根を手に取る。


「ヘビクイワシは英語だとセクレタリー(秘書)バード()って言うんだ。この羽がペンを刺している秘書(ひしょ)に見えるからって説もあるぞ!」


 でもこれ、言うほど秘書(セクレタリー)に見えるか?

 とは思うが。

 まあ、諸説あるので。


 動物のヘビクイワシの場合、羽根は黒色だ。

 似ているというだけで、別の生き物――モンスターだ。



「さすが店長! 動物ハカセっス!」

「うれしくないが、ありがとう」


「そんなことより、リン姉! 次っス!」


 おいっ!

 ホメといてザツに次に行きよる!


 この素材を使って何か作ろうと思うが……後で考えよう。



 リンは次の宝箱を開く。


「わあ! こっちはお肉ですよー!」

「やたーっ! ヤキトリ確定っス!」


 素材と肉では露骨な温度差があるね!

 まあ、わかる!

 俺も焼き鳥は食べたい!



 いや、食べ物の話はあと!

 本筋はこっちじゃない!


「ふーむ。二つ目の箱を開けても管理者権限のアナウンスはなしか」

「あー。その話だったっスね」



 リンが空中に浮かんでいる【サポートシステム】に問いかける。


「システムさん。どうしてかなー?」


<不明です。条件を満たしていない可能性があります>


「じょうけん……?」

「あっ! 場所っスよ! ここじゃダメなんじゃないっスか!?」


「おお! 場所か!」

「そうかぁ。第九エリアじゃダメってことですねー!?」


 ありそうな話だ。

 俺たちはボスを倒した。

 だけどボスがいるべきエリアにはたどり着いていない。



 俺のダンジョンの場合、ボスは五階や十階にいる。

 しかし草原ダンジョンのボスは移動する。


 ボスは本来、十エリアにいるべきだ。

 だが、ここのモンスターは行動範囲が広い。


 それにより俺たちはボスを第九エリアで倒すことになった。


 ボスワニもボス鹿も、本来のエリアより手前で倒している。

 その時も宝箱は手に入った。

 つまりボスを倒すのは、本来のエリアでなくてもかまわない。

 報酬もちゃんと貰える。


 だけど管理者権限は違うのだろう。

 決められたエリアに到達しないといけない。


「つまりこのまま十エリアまで行けばいいんだな!」

「はい! そうしましょう!」

「ダッシュで行くっス!」


 俺たちは荷物をまとめ、バオバブの木を背に先へ進んだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] フィールド型はモノリスあるんかな? あれがないとメッセージの送受信や名前の変更できないが
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