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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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エリアボス討伐報酬! コレは良いのか、悪いのか!?

 天の声が告げる。


<適性を確認……。討伐者には、クリア報酬として【嫉妬】が与えられます!>


「しっと……?」


 リンはぽかんとした顔で俺を見ている。

 トウコが大げさにリアクションする。


「おおーっ!? これは大罪(たいざい)スキルっス!」

「ええっ!? 悪いものなんですかー?」


 リンは泣きそうな顔だ。


「いや、悪いとは限らないぞ。むしろ強いんじゃないか? トウコも持ってるし」

「あたしの【憤怒】とおそろいっス!」


 トウコはいい笑顔で親指を立てている。


 七つの大罪のスキルはこれまでにもあった。

 あまり使わないがトウコも持っている。

 今のところ悪い効果や影響は出ていない。


「嫉妬か……。リンっぽくないよな?」

「うーん。うらやましいなーと思うことはあって……。この頃は特に……」


 そう言えば前からうらやましいとか言ってたか。

 チートという用語を説明をしたとき、リンはズルいけどうらやましいこと、と理解していた。


「このごろって……ああ」


 ああ、あれか。

 言いかけて俺は口を閉ざす。


 思い当たる節はある。

 たしかに……嫉妬が起きるようなイベントはあったよな。


 トウコがひらめいた! という感じで言う。


「あ! エロいおねーさんの件っスね!」

「トウコ……スルーしてくれよ!?」


 リンは少し暗い顔で言う。


「良くないことばっかり考えていたので……やっぱり罪なんでしょうか」


 リンはしゅんとしてしまった。

 なんとか励まさねば!


「いやいや! ご褒美でもらうものだから! 罰とかじゃないから!」


「そうっス! ご褒美なら色欲がよかったっス!」

「いや、トウコへのご褒美じゃねーから!」


 リンは俺とトウコのやり取りを見て小さく吹き出す。


「あはは。せっかくもらえるんだから、きっといいものですよね!」

「【憤怒】も悪くないっス! あんま使わないけどっ!」


 【憤怒】は使う機会がなぁ……。

 これはボス討伐報酬ではなく、悪性ダンジョンのボスの魔石を【捕食】して得たものだ。


 ご褒美とは違う気もするけど……。

 まあ、悪いものではないと思う。



 俺はリンに聞く。


「で、【嫉妬】の効果はどうなんだ?」

「ええと……システムさん?」


 【サポートシステム】(タコウィンナー)が現れて答える。


<【嫉妬】は、使用者が認識しているスキル効果を疑似的に再現します。>


「おおっ!? まともな答えが返ってくるとは!」

「やるっスね! タコ助!」


 だけど、説明を聞いてもわからないやつだ!



 俺は腕を組み、考える。


「ふーむ。【検証者】に似た効果なのか?」


 認識しているスキルってなんだ?

 疑似的に再現……?

 スキルリストにあるものを取得するのとは違うんだろうか。

 わからん!


疑似的(ぎじてき)に再現って……どういうことですかー?」


 天の声が答える。

 まだいたのかよ!?


<【嫉妬】は、使用者が心から渇望する能力を一時的に使用できます>


「一時的? つまり、スキルを取得して試せる【検証者】とは違うんだな?」


 天の声が答える。


<スキルの取得は行われません>


 おお!

 天の声もシステムさんも今日はまともに会話が通じる!


「天の声さん。心から渇望する能力ってなんですか?」


「……あれぇ? 返事来ないっスね?」

「質問タイムは終了か……。システムさんに聞いてみたらどうだ?」


「どうですか。システムさん?」


<不明です。または、権限が不足しています>


「おいっ! いつも通りじゃねーか!」

「使えないっス!」


「ええと、システムさん? どうすれば使えますか?」


<不明です。説明によれば、リンの認識、強く望むことが条件と推測します>


「ありがとー。システムさん!」


 おお。システムさんが定型文じゃないことを返した!

 正解ではないにしろ、かなり確度が上がったな!



 【嫉妬】は悪いものではなさそうだ。

 使い方がはっきりしないが、それはおいおい検証していこう。


 それはそうと……。


「なあ。ボスを倒したのに管理者権限もらえてないよな?」

「あっ! ホントっス!」

「あれー?」


 俺たちはお互いの顔を見て、首を傾げた。

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― 新着の感想 ―
『ダン活』の【嫉妬】だと「羨ましいからそれ、禁止です!」と言って、相手のスキルを使用禁止にするんですけど、こちらの【嫉妬】は「そのスキル、羨ましいから私も使いたいです!」って発動するのですね。
[一言] 認識してるスキルが敵味方関係なしなら敵ボスのスキルも模倣できる… つまりものまね?ラーニングではないようだし
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