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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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VSボス戦!? 赤い鳥! その3

 空から雄鳥が降りてくる。


 わずかな時間に、横目でリンの様子を確認する。

 雌鳥(めんどり)と向かい合い、お互いに火を放っているようだ。

 どちらの攻撃も有効打になっていない。膠着状態だ。



 俺は雄鳥に注意を戻す。

 奴は風を巻き上げながら地に降りたつ。

 二本の長い脚で大地に立ち、首をゆすってこちらを見ている。


 俺は木の根元に立てかけておいた槍を手に取り、鳥へ穂先を向ける。


 雄鳥は長い翼を広げ、まるで闘牛士のようにひらひらと動かしている。

 ダンスを踊るように長い足でステップを踏む。


「せいっ!」


 俺はすっと踏み出して槍を突き出す。

 しかし、鳥は距離を取ってかわす。


 続けてもう一歩詰め、さらにひと突き。


 穂先が翼をかすめるが、胴体へは届かない。

 む……。これはやりにくいぞ!


 距離がつかみにくい。

 翼に視界が遮られ、狙いが定まらないのだ。


 そして、その陰から繰り出される蹴り。

 【回避】のおかげでギリギリでその一撃をかわす。


「くっ!」

「この鳥ィ! うらあっ!」


 トウコがソードオフショットガンの引き金を引く。

 散弾が防護膜に阻まれる。


 俺は槍を掲げ、しなりを利用して振り下ろす。

 しかし鳥は後ろに下がってかわす。


「素早いな……!」

「リロードっ……痛ぅ!」


 トウコは弾丸をこめようとして痛みに顔をゆがめる。


「下がって治療しろ!」

「りょ! すぐ戻るっス!」


「クワァ!」


 鳥が蹴りを放つ。上から踏みつけるような独特な攻撃。

 鋭く素早い攻撃をなんとかかわす。


 空中を蹴って距離を取る。

 着地と同時に槍を横薙ぎに振る。


「うりゃあっ!」


 【フルスイング】を発動。

 しかし鳥は翼を羽ばたかせ、空中へ逃れる。

 そのまま後方へ着地。


 クチバシの奥で炎がゆらめく。

 来る!


「クワァァ!」


 鳥の口中から炎がほとばしる。

 火球というよりは炎のブレス。

 火炎放射だ!


 だが――これを待ってた!


「口を開けたな! くらえっ! 水噴射!」

「クワァァァッ!」


 ほとばしる火炎放射を水流が押し返す。

 拮抗して押し合うことなどない。


 燃焼現象である炎と、質量のある水。

 当然勝つのは水だ!


 水流が雄鳥の顔面を直撃する。

 そのまま鳥を押し流し、転倒させる。


「チャーンスっ! ピアスショーット!」


 治療と装填を終えたトウコが倒れた鳥へと銃弾を浴びせかける。

 俺は槍を構え、体重を乗せた一撃を鳥へと打ち込む。


「キョエァァ……」


 槍に深々と貫かれた雄鳥は塵へと変わる。


「ヤキトリのできあがりだ!」

「まだ焼いてないっス!」



 俺たちはリンのもとへ駆けよる。

 鳥の姿はない。


「リン! 無事か!」

「鳥は逃げたんスか?」


「いえ。倒しちゃいましたー!」


 リンが笑顔で宝箱を掲げる。

 俺たちが雄鳥(おんどり)と戦っている間に、しっかり雌鳥(めんどり)を倒していたのだ。


「ナイスだリン!」

「さすがっス!」


 こうして俺たちは鳥を倒した。

 強さからして、ザコ敵ではありえない。


 おそらくは移動してきたボス個体だと思うが……。



<おめでとうございます! 十エリアボスの初討伐を確認しました!>

<討伐者には、クリア報酬が与えられます!>


「ちゃんとボスだったようだな!」

「おーっ! ごほうびっス!」

「わあ! なにがもらえるんでしょうかー?」


 俺たちは天の声の次なる声を待つ。

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― 新着の感想 ―
[一言] え?9通り越して10エリアボス? これは9と10のボスがタッグを組んで来たという事か…?
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