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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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VSボス戦!? 赤い鳥!

 巨大な鳥がやってくる。

 まるで炎のように鮮やかな赤い羽根。


 長い脚の先には鋭い爪。

 その爪をこちらに向け、滑空してくる。


「クワァァッ!」


 クチバシが大きく開く。

 口中が赤く輝き、炎が大きくなっていく。


 火球が来る!


「鳥さん! こっちですよーっ!」


 リンが盾トンファーを大きく振りあげながら叫ぶ。

 巨大鳥の意識がリンへと向かう。


 膨れあがった火球がリンへと放たれる。

 俺はそれを水忍法で迎撃したい気持ちをぐっとこらえる。


 リンなら耐えられる!

 俺がすべきは攻撃! もう少し引きつけるんだ!


 リンは火球を盾で防ぐ。炎と煙がリンを包む。


 その炎を吹き散らすように鳥がリンへと掴みかかろうと迫る。

 掴もうとするそのタイミングだけは、飛行ルートが絞られる。


「――今だ! 水刃噴射の術!」


 右手で【水噴射】を放ちながら、左手のペットボトルの水を刃に変える。

 これでタイムラグなく【水噴射】と【水刃】を放てる!


 水流は空中の鳥に命中して姿勢を崩させる。

 刃は片翼を深々と切り裂き、赤い羽根を散らせる。


「チャージショットガンッ! どばーんっ!」


 ポンプアクションショットガンから閃光がほとばしる。

 命中!

 ばらまかれた散弾が赤い鳥に突き刺さる。


「キョエェェェッ!」


 鳥はバランスを崩し、そのまま地面に叩き付けられる。

 もうもうと砂煙を上げ、乾燥した地面の上を滑っていく。



「リン! 無事か!?」

「けほっ。はぁい。大丈夫ですー!」


 リンは無事。

 盾がすすけているくらいで、大きなケガはしていないようだ。


 トウコがポンピングして次弾を装填しながら言う。


「うまくいったっスね! 最初っから必殺技作戦!」

「ああ! だが、まだだ! 起き上がるぞ!」


 土煙が晴れる。


 赤い怪鳥はもう二本の足で立ち上がっている。

 そして首を揺らしながらこちらを見下ろしている。


 俺は次の術のために集中しながら、敵を観察する。


 こうして近くで見ると、なかなかに美しい鳥だ。

 すらりと伸びた脚のせいで、頭は俺たちよりやや高い位置にある。


 顔に羽毛はなく、目の周りはオレンジ色に彩られている。

 まるで化粧をしているかのようだ。


 後頭部には美しい(かざ)り羽。今は逆立って、頭部を大きく見せている。

 冠羽(かんう)と呼ばれる長い羽根だ。


 ふむ。

 やはりヘビクイワシに似ている。


 ということは――



 トウコが鳥へ銃口を向ける。


「もうハネはズタボロっス! 今度は逃げられないっスよ!」


 翼は俺たちの攻撃で歯抜け状態。

 トウコの言うように、もう自由に飛ぶことはできないだろう。


 だが――


「油断するな! 言っただろ、この鳥は――」


「クワァァァァァッ!」


 怪鳥は耳をつんざくような高音を発し、強く大地を蹴る。

 まるでダチョウのように、力強く走り始めた。


 この鳥は地上を歩くことを得意とする!


「――走るんだよっ!」


 俺が言い終えるより速く、鳥がトウコへ突っ込んでいく。


「どわぁーっ!」


 トウコは大きく体を投げ出して横っ飛びに回避。

 転がりながら着地し、そのまま射撃。


 鳥の羽が散る。

 だが致命傷ではない!

 まだヒットポイントがあるようだ。


「水噴射!」


 【操水】で棒状に集中させた水流を向ける。


 だが鳥はそれをかわす。

 速い!


 そのまま膝立ちで銃を構えているトウコへと突っ込み――


「ファイアボールっ!」


 リンのファイアボールが鳥の近くに着弾する。

 鳥の狙いがリンへと移る。


 鳥はリンの頭上へ跳び上がり、足を振り下ろす。


「クワッ!」

「きゃっ!」


 とっさにガードを上げるリン。


「させるかっ!」


 俺は水圧の反動を抑え込みながら、水流の狙いをつける。

 当て続けるのは難しい。

 だが、水流を長い剣のように振り回せば当てられる!


 水しぶきが上がり、片足を上げた鳥の体勢が崩れる。

 振り下ろされた足の一撃は盾でそらされる。


 しかしその勢いでリンはよろけ、尻もちをついてしまう。

 鳥が再び足を振り上げ、蹴りの姿勢へ。


 リンは立ち上がれず、動きを止めている。

 その視線はまっすぐに俺へと向けられている。


 そうだ。それでいい!

 リンは立ち上がれないのでも、竦んで動けないのでもない。


「入れ替えの術!」


 術が成立すると同時、風を切る気配――


 すぐさまその場を飛び退き、爪の一撃をギリギリでかわす。

 背中の刀を抜いて構える。


「んじゃあ、切り伏せてやるぜ!」


 斬って、焼いて、食ってやる!

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― 新着の感想 ―
[一言] 炎の鳥って斬って倒した後どうなるのかな…セルフ焼き鳥?
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