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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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草原ダンジョン・第九エリア!

 俺たちはほとんど戦闘もなく第八エリアを駆け抜けた。


 ワニは鳥を恐れてか、水場から出てこない。

 鳥は見える範囲にいないようだが……。



 リンが言う。


「第九エリアに入ったみたいです!」

「あんま変わんないけど、やっぱ暑いっスねー」


「ふむ……。休憩しつつ、周囲の様子を見よう」


 俺は足を止め、周囲を見回す。


 天候は晴れ。相変わらずのサバンナ気候。

 第八エリアよりも乾燥している。

 水場は少ないが、わずかに存在する。


 草は枯草が多く、青々とした草は減っている。


「緑の迷彩だと逆に目立つかもしれないな。いったん脱いで、裏返しにしてくれ」

「はーい。内側の色はこのあたりの草みたいですね!」

「リバーシ陣羽織っスね!」


 白と黒の駒を取り合うボードゲームじゃねえよ!


「リバーシブルな! 両面仕立てにしてあるから、場所に応じて(がら)を変えられるんだ」


 最初は二色の陣羽織を作ったが、その後改良したのだ。

 エリアによって最適な柄が違う。とはいえ二着持ってくるのはジャマ。

 ならまとめてしまえ、というわけ。

 これで荷物が軽くなる!



「ここからはもっと慎重に進もう。リンは足元をチェックしてくれ。トウコは空。俺は全体を見る」

「はーい! スライムさんやウサギさんがいないか気をつけますね!」


「鳥が来たら撃ち落としてやるっス!」

「いきなり撃つなよ!? 隠れられそうならやり過ごす。無理なら迎撃だ!」


「りょ!」


 足元のスライムはリンが見つける。

 トウコは空から鳥が来ないか警戒。

 俺は全体に注意を払う。


 しばらくはそうやって進む。

 数匹のスライムを槍で倒し、安全を確保。


 モンスターは襲ってこない。

 角鹿はあいかわらず小柄。

 ワニの水場があったが、大きく距離を取って迂回。

 戦いたくないのでワニは放置である。



 俺は前方を指差す。


「おっ! あそこにデカい木があるぞ!」

「立派な木ですねー」


 俺たちは木の下までやってきた。

 見上げるほどでかい巨木。

 アカシアよりずっと大きい。

 高さは十五……いや、二十メートルくらいか。


 幹も太い。直径は五、六メートル近い。

 つるっとした幹でトゲはない。

 幹には枝がほとんどなく、一番上にしかない。

 木登りは難しそうだ。



 トウコがしたり顔で言う。


「あたし知ってるっス! これはバブバブっス!」

「それを言うならバオバブだろ! アフリカやマダガスカルに生えているやつ!」


 サバンナや草原についてはネットで調べているので、少し詳しい。


「この木もアカシアみたいに、地球と同じ名前なんでしょうかー?」

「調べてみようぜ! ちょっと枝を切ってくる!」


 俺は幹を登っていく。

 といっても【壁走りの術】で駆け登るだけ。

 一気に上へ上って枝の上に登る。


 かなり丈夫な枝だ。

 枝には葉が茂っていて、実も成っている。


「実を落とすからキャッチしてくれ!」

「はーい!」

「りょ!」


 ひょうたんのような、ココナッツの身のような大きな実がつるでぶら下がっている。

 刀を抜いて実を切り離す。


 落ちた実をトウコがキャッチする。


「キャッチっス! あだーっ!」

「おいおい、素手で取るな! 服でキャッチするんだよ! いくぞー!」


 俺は次の実を切り落とす。

 実が落下していく。その下には陣羽織を両手で広げたリンが待っている。


「と、取れましたー!」

「よーし、次々落とすぞ!」


 実は取り切れないほど成っている。

 枝や葉も少し落とす。


 せっかく高いところに登ったし、周囲を確認しよう。

 俺は双眼鏡を取り出す。

 今のところ鳥の姿はない。急に襲われる心配はないだろう。



 ふーむ。

 第九エリアもこれまでのエリアと似ている。


 まれにアカシアとバオバブに似た木も生えている。

 この木は第八エリアにもあったが、近くに寄ったのはこれが初めてだ。


 水場は第八エリアより少ない。

 ワニがいるのが見て取れる。

 数は少なめ。サイズは少し大きいだろうか。

 双眼鏡越しだとはっきりとはわからないな。



 木を降りる。


「トウコ、手は大丈夫だったか?」

「へーきっス! ちょっと痺れただけっス!」


 別にケガはしていないようだ。

 ならよかった。


「リン、鑑定してみたか?」

「はい! 実も葉も食べられます!」


「食品鑑定だと食べられるわけだな。物品鑑定だとどうだ?」

「はい。システムさん?」


<名称:バオバブの葉。カテゴリ:素材>

<名称:バオバブの実。カテゴリ:素材>

<名称:バオバブの枝。カテゴリ:素材>


「やっぱバオバブだったっスね!」

「枝も素材か。バオバブはなんにでも使える生活の木だと聞いていたけど、色々使えそうだな!」


 リンが胸の前で手を打ち、笑顔を浮かべる。


「とりあえず、食べてみましょう!」

「そうだな。腹ごしらえするか!」

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― 新着の感想 ―
[一言] バオバブの実はラムネに似た食感… 生のままかじれば市販のラムネをばりばり食う感じになるんだろうか?
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