表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

917/1494

組み合わせ技を試そう!

 【水噴射】は大量の水を手から放つ。


 この水は消えてしまうとはいえ、水である!

 つまり【操水】で操れる!


 出てくる水を細く絞ればウォーターカッターになるんじゃないか?


 【操水】でやったようにホースの先端をつまむようなイメージ。

 出口を狭くすることで勢いをつけるのだ。


「細く出ろ! ウォーターカッターだ!」


 手から水がほとばしり出る。

 イメージと違う。思ったようになっていない。


 うーん?


 【操水】を使った効果はちゃんとある。

 拡散していた水流がまとまった棒状に出るようになった。


 飛距離も伸びたし、きれいに遠くまで飛ぶ。

 でもゴブリンを切断したり貫通したりはしない。


 もっとこう、高圧で細く噴射するイメージだ。

 伝われ! この思い!


 しかしどうも反応が鈍い。

 もしかして【水噴射】さんは不器用なタイプなのか!?



 それとも俺の想像力の問題か?

 ホースの先端をつまんで水圧を上げるイメージだったんだけど、これはしっくりきていない。


 蛇口やホースから出る水とは違う感じだな.....。


 うむ。水道管から直接ほとばしり出るような感じかな?

 いや、アクション映画で消火栓に車が突っ込んで、派手に噴水のように吹き上がる感じだ!


 消火栓……!?

 そうそう! まさに消防車の放水みたいな感じなんだよな!


 消防士が構えるホースの先端、放水ノズルみたいに絞る感じをイメージしてもう一度トライだ!



「しぼれ! 圧力をかけろぉぉ!」


 構えた腕に力を込めて、声を張る。

 どうせ誰も聞いていない。


 マヌケに見えるが効果はあるはず!

 気合や勢いでスキルの威力は変わるのだ!



 いいぞ。魔力の高まりを感じる!

 もっと圧力を高めろ! 水圧をかけろ!


 みなぎってきた!

 ためてためて……もっとだ!


 【操水】と【水噴射】を混ぜ合わせる感じ!


 腕に力を溜めて一気に解き放つ!


「飛び出ろっ! 高圧噴射ーっ!」


 腕から水がほとばしり出る。

 細く鋭く引き絞られた水が高圧で噴き出し――


 うっ!?

 手のひらに違和感を感じる。

 熱いような痛いような……慣れない感覚。


 水は細く鋭く吹き出している。

 湖面を一直線に切り裂き、天井へと向かってはね上がる。


 だめだ! 制御できない!

 圧力が高まりすぎている!?


 ヤバい! スキルを切れ!


 だが、集中させた魔力は簡単には止められない。


 俺の手の先で、派手に水が暴発する!


「ッッあっ!?」


 鋭い痛み!

 手のひらに裂傷ができて、血が滴っている。

 腕のあたりにもダメージがある。


 やりすぎたか!

 魔力をかけすぎて暴発したんだ!


「ポーションッ!」


 俺はポーションの小瓶をポーチから取り出して振りかける。


 ポーションは効果てきめん!

 みるみる間に傷をふさいでくれた。


 ふう……。

 これなら跡も残らないだろう。


 俺は胸をなでおろす。

 まだ心臓がどきどきと脈打っているわ!



「リンが自分の腕を燃えあがらせているのも、こんな感じか……!?」


 極限の集中。

 過剰な魔力消費。


 そうした条件を満たして、本来以上の力が出せる。

 だが、制御なんてできない。


 できなくて当たり前だ。

 だって限界を超えた力なんだからな!


 リン……この状態で魔法を放ち続けるとか……!

 どうしてそんなことができるんだ!?

 鋼の精神力かよ!?



「なしなし! 水圧カッターは【水噴射】の本来の用途じゃないらしい!」


 この術は太いパイプからドバドバと流れ出るような感じだ。

 テクニックよりパワー! 物量で押し流す!

 繊細に操る(スキル)ではないのだ。


 不器用さんめ!

 だが、いずれ使いこなしてやるぜ!



 今の【水噴射】には切断力や貫通力は持たせられない。

 できるとしてもかなり難しいし、危険も伴う。


 もっと練習するか、スキルレベルを上げるかだ。


 【水圧】があればもっと制御が効くのかな?

 とはいえ、このためだけにスキルを取るかというと……いらない。



 次!

 頭を切り替えていく!


 【水噴射】で出た水はしばらくすると消える。

 一時的な水、魔法的なファンタジー水である。


 しかし水には違いない!

 【操水】でも操れた!


 それなら【水刃】も有効!

 水だから刃に変えられるはず!


 これはシンプルな事実だ。

 不器用な【水噴射】さんにもわかるだろ?


 【水刃】は水を刃に変える。

 それを噴射すればいいのである。


 不器用でも問題ないね!?



 さあやるぞ!


 【水噴射】でドバっと水を出す!

 噴き出した水に【水刃】をかける!


「いざ――水刃噴射の術っ!」


 まず【水噴射】が先!

 元になる水がないと【水刃】を出せないからだ。


 【水噴射】を維持しながら【水刃】の発動のために集中する。

 手の先に意識を集中。


 刃の形は水に乗りやすい形状がいい。

 槍や刀よりも曲刀やブーメランのような形状がいいだろう。


 水流の中に刃を生み出す――


 できた!

 【水刃】はちゃんと発動する!


 そして刃はそのまま後続の水に押し流されていく!


 水流に乗って湖面に命中した刃が、水面を切り裂く。

 派手な水しぶきがあがる!


「おお、これは使えそうだ! ウォーターでブレード()! これで、変則的だがウォーターカッター成功だな!」


 ――そのあとも休憩をはさみながら新必殺技の練習に明け暮れた。



 さて、次は空を飛ぶ敵で実戦訓練だ!


 相手はザコ敵ではない。

 侮ってはいけない五階層ボス――

 大コウモリさんと再戦するぞ!

ご意見ご感想お気軽に! 誤字報告も助かります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 水カッター「おぬしのちからではまだわしをつかいこなせん   またあとでくるがよい」
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ