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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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第八エリアは新モンスターで! その2

 巨大な鳥が俺たちめがけて飛んでくる。

 かなりの速度なのか、ぐんぐん近づいてくる。

 もう羽ばたく音がきこえるほどだ!


 デカい!

 巨大コウモリに近いサイズ感だ!


 真っ赤に燃える炎にも似た赤々とした羽。

 硬そうな大きなクチバシ。

 たくましい脚は長く、爪が鋭く伸びている。


「来ますっ!」

「構えろっ! トウコ、そこから降りろ!」


 トウコは分身の上に登ったままだ。

 双眼鏡を手に固まっている。


「げっ!? こっちにもいるんスかぁ!?」

「早く降りろっ!」


 遮蔽物のない草原のど真ん中、高い場所に登っていては狙われる!

 こんなところにこんな敵がいるとは思っていなかった。


 巨大な鳥は想像を超える速さで接近してくる!


「ちょ、ちょいタンマっス!」


 鳥が迫る。

 鋭い爪を広げ、トウコに掴みかかろうとしている!


「クワァァァッ!」

「ひええっ!」


 ガッ、と肉を打つ音。


 巨体が巻き起こす風が吹き抜けていく。

 もうあんなに遠い!


 連れ去られた人影が爪に引き裂かれて塵になる。

 やられたのは土台にしていた分身だ。


 トウコが伏せていた地面から顔を起こす。


「やばっ! 分身がやられたっス!」

「銃を抜け!」


 俺は槍を構えてトウコのそばに立つ。

 トウコは双眼鏡を手放して銃を抜いた。


「りょ!」

「戻ってきます!」


 そう言いながらリンは手を空に向けている。

 炎が膨れ上がり火球が形成される。


「ファイアボールっ!」


 火球が打ち出され、こちらへ迫る赤い鳥へと飛ぶ。


 大きな翼をはためかせ、鳥はこれを悠々と避けてみせる。

 そしてくちばしを開き――


「クワァァァ!」


 その口が赤く輝き、火球が放たれる!

 狙いはリン!


「きゃあっ!?」


 大きな火花が散り、炎と煙がリンの姿を隠す。



 トウコがマグナム銃を鳥へ向ける。


「ピアスショット! うらあっ!」


 閃光と共に銃弾が放たれる。

 だが当たらない。

 弾丸は狙いをそれて彼方へと消える。


 弾丸を回避されたのではなく、狙いがつけられないのだ。


 そのままトウコへと突っ込んでいく。


「させるかっ!」


 俺は槍を突き出す。

 槍が体を貫いたかに見えたが、翼を掠っただけ。


 まずい――


 鋭い爪が俺の首元へ伸びる。

 槍を引き戻す時間はない!


「――【水刃】!」


 ペットボトルから【操水】で伸ばしておいた水を刃に変える。

 爪の一撃をはじき飛ばす。


 同時に俺は上体をそらして攻撃を回避。

 槍を捨て、地に手をついてバク転して体勢を立て直す。



「うららあっ!」


 トウコが拳銃弾を連射。

 ばらまかれた弾丸が鳥の羽を散らす。


「クワァッ!」


 鳥は大きく旋回して、離れていく。


「逃げるなっ! 死ねっス!」


 トウコが拳銃をホルスターに収めてマグナム銃を抜く。

 何発か撃つが当たらない。


 もう鳥は飛び去ってしまった。

 これでは遠すぎて当たらない!


 リンのほうから焦げたような嫌なにおいがする。


「リン! 無事か!?」


 煙がはれてリンの姿が見える。

 服が少しすすけているが、ケガはなさそうだ。


「大丈夫です!」


 リンには【火耐性】【防火】【消火】がある!

 燃やされてどうにかなったりはしないとは思っていた。

 とはいえ心配したぜ!


「よかった! ケガはないみたいだな!」


 泣きそうな顔でリンが盾を掲げる。


「でも、盾が焦げちゃいましたー!」

「いいんだよそんなの! すぐに直すから!」


 盾の役割は攻撃を防ぐこと。

 ちゃんと役に立ったのだ!


 鳥は飛び去り、戻ってこない。

 なんとかしのいだな!

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