第七エリア高台偵察!
「よし! 木に登って周辺を確認するぞ!」
「偵察っスね!」
「はーい!」
アカシアの木の元に到着した。
背が高く、幹にはトゲが生えている。
葉はみずみずしい。
「あっ! お花が咲いてますよ!」
「レアっスね!」
アカシアの花は【毒術】や【薬術】の素材になる。
そして――食べられる!
リンはいそいそと調理道具を用意している。
「ここでごはんにしますか?」
「ああ。そうしよう」
もう準備してるし!
「やたーっ! ごはんっごはんっ!」
「じゃあ俺は木に登って周辺を確認してくる。トウコは周囲を警戒して――」
「あっ! スライムがいるっス! うらうらっ!」
スライムが弾丸を受けて弾ける。
銃声が敵を呼びそうな気がするが――まあそれはそれでよし!
動きがあれば敵を見つけやすくなる。
いちおう自律分身を出して、トウコにつけておこう。
トゲのある幹を【壁歩きの術】で登っていく。
高い位置から見渡すと周辺の状況がよくわかる。
どれどれ?
緑の草が生えたところ、赤土の露出したところ、草の丈が高いところ。
ところどころにアカシアの木。
知らない木も生えているな。
新エリアは見所が多そうだ!
近くの草むらががさがさと揺れている。
「おーい、トウコ! そっちになにかいるぞー!」
「リョーカイっス!」
飛び出してきたスライムをトウコが撃ち倒す。
緑っぽいスライムだ。
草を食べて育ったんだろう。
「リン! 花を落とすぞー。トゲに気をつけてくれ!」
「はーい」
花のついた枝を上から投げ落とす。
床に落ちた枝をリンが拾い上げていく。
手でひさしを作って遠くを確認する。
おっ! ところどころ水場があるな!
一番近い水場はギリギリ様子が分かる。
ワニがいる。っていうかいっぱいいる!
水場に集まるっているようだな。
俺は木を降りる。
「あ、ゼンジさん。少し準備に時間がかかるので待っていてくださいねー」
「おう。じゃあ俺はワニ素材でなにか作っておくよ」
「なにを作るんですかー?」
「足防具を作ろうと思うけど、色とか形とかの希望はあるかな?」
「お任せしますー」
「んじゃ、こっちで考える。料理、楽しみにしてる。あとでな!」
「はい! 私もたのしみですー」
俺は少し離れた日陰に座り込む。
素材を並べる。
ワニの皮、角、牙。それに魔石。
たくさん狩ったので数は充分にある。
布など足りない素材もあるが、魔石を多めに使えば補える。
少し離れた場所でトウコが戦う音が聞こえる。
銃声がモンスターを引き寄せているのだ。
そのおかげで俺たちは比較的安全だ。
自律分身もいるしなんとかなるだろう。
危険があれば音を出して知らせるように言ってある。
さあ、ちゃちゃっと作ってしまおう!
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