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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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行雲流水のごとし! 川底歩行の術!?

 川に近寄り、水に手をかざす。

 濁った川の水そのものを操る!


「【操水】! 水よ分かれろ!」


 最大の水量を操る――全力で魔力を込める!


 水面が動く。

 水が左右に分かれて水量を下げていく。

 わずかな範囲だが川底が見えてきた。


 これは、モーゼの海割りの小規模版といったところ。

 しかし――すぐに水が川底を隠してしまう。



「む。操った水が押し流されてしまったか」


 せっかく操った水が、次々と流れてくる別の水に押し流されてしまうのだ。

 元の位置を保とうと力をかけてみるが、自然の力には及ばない。


 何百、何千リットルという水がとめどなく流れてくるのだ。



 それに対して、俺が操れる水量はたかが知れている。

 百リットルにも満たないだろう。


 人間一人と少しくらいの水量だ。

 川を割るなんてとてもできない。


 しかし、川全体を操らなくていいのだ。

 自分の周囲に限定すれば……!



「集中しろ……!」


 浅瀬に足を突っ込んで川の流れを感じる。

 そして目を閉じる。


 水が俺の肌を()でる。

 少し冷たく、こそばゆい。


 流れる水は常に変化し続けている。

 一処(ひとところ)にとどまらず絶えることがない。



 これから操るのは水だ。

 しかし、流れる水を固定するのとは違う。

 硬くして一か所に押し(とど)めるわけじゃあない。


 俺自身の肌に触れる水は常に流れ続けている。

 その()()を操る!


 まるでバリアのように水をはじくイメージ。

 周りの水を遠ざける。


 いや、違う。

 流れに逆らわず、それにまかせる。

 わずかに流れを変えて、その隙間に身を置くイメージ!



「――【操水】! 流れを操れ!」


 川には流れる方向がある。

 上流から下流へとゆったりと流れていく。


 その流れに逆らわないことだ。

 上流側に力を集中させて水流を二つに分ける。

 川の流れに分岐点を作るのだ!



 足に触れていた水の圧力が弱くなる。


 目を開ける。


 水の壁――いや、流れができている。

 濁っていて奥は見通せない。

 陽光が乱反射して、ゆらゆらと輝いている。


 そのまま維持しながら、俺は川底を進んでいく。

 水の空白地帯も動きに合わせてついてくる。


 砂が堆積した川底は少しぬかるんでいる。

 しかし、足を取られるほどではない。

 苦もなく進んでいける。


 俺はそのまま川底を歩いて反対側へと渡りきった。

 川岸にたどり着いたところで【操水】を切る。


 俺は汗をぬぐう。


「ふう……できたぞ!」


 これぞ忍法――川底歩行の術!



 水を操り続けるのはかなりの集中を要する。

 それに魔力消費がデカすぎる。


 実用性はともかく【操水】のスペックの一端がわかった。

 今はまだ一人分のスペースでしかないが、水の流れも操れた!


 【操水】はただ水を動かすだけじゃない!

 

 スキルレベルを上げれば三人ぶんのスペースも作れるだろう!

 より多くの水を操れば理論上は可能!


 だけどその手は使えない。

 魔力(リソース)が足りないからだ。


 忍者の職業には魔力のステータス補正がない。

 魔力量はレベルと共に増えていくが、こういう使い方だとすぐに足りなくなってしまう。


 普段の俺はこまめな休憩によって魔力をやりくりしている。

 【瞑想】や魔力回復の丸薬である。


 今回のように連続で魔力を使う状況だと【瞑想】で休むことはできない。

 となると魔力回復ポーションや丸薬だが……。


 いまのところ草原ダンジョンでは魔力回復ポーションが手に入っていない。

 丸薬の材料を確保しなきゃな。


 俺のダンジョンならポイントで魔力回復ポーションを引き換えられる。

 しかしここに持ち込めるのは数個だけ。

 【忍具収納】を使ってポーション手拭いの形でしか運べない。


 魔力を回復する手段!

 これが新たな課題である!

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― 新着の感想 ―
[一言] 長い板材を持ってきて橋にする! …水忍術全否定w 川に石を放り込んだり溝を掘って支流作ったりしても元に戻っちゃうんだっけか…
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