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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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ツノウサギは水攻めで!

 サバンナエリアにやってきた。


 日差しが強く、空気が乾燥していて少し暑い。

 ここでは水を補充できないので手持ちの水を有効に使いたい。



 リンがウサギの穴を指さす。


「この奥にツノウサギさんがいます!」


 【魔力探知】で発見したのだ。

 普通なら手が届かない深さにいる。


「んじゃ、【操水】で穴から追い出してみよう!」


 俺はペットボトルの水を巣穴に流し込む。

 量は五百ミリリットル。


 【操水】で水を蛇のように操って穴を進む。


「このへんか?」

「もう少し奥……そうです。その先にウサギさんがいます!」


 トウコがなにか言いたそうにニヤニヤしている。

 余計なことを言う前に次の工程へ!



 【水刃】では巣穴の中でウサギを倒してしまう。

 ドロップアイテムのために外に出してから仕留めたい。


 【操水】で水を固くしてぶつけるイメージを思い浮かべる。


「んじゃ適当に……暴れろ!」

「うぇ? なんで急にテキトーになるんスか!?」


「穴の中の様子は俺には見えないし、【操水】にも感覚なんてないからな。リンのナビでなんとなく操作してるんだ」


 リンが楽しそうに言う。


「えへへ。共同作業ですね!」

「リン姉、うれしそうっスねー」


「お、出てきたぞ! リン!」

「ウサギさん! こっちですよー!」


 巣穴からツノウサギが脱兎のごとく飛び出してきた。

 そこをすかさずリンが【ポージング】で引きつける。


「キュゥッ!」


 ウサギがツノを突き出して勢いよくリンへ突っ込んでいく。


「わあっ!」


 リンの盾トンファーがウサギの突進を受け止める。

 リンはバランスを崩しながらも、なんとか踏みとどまる。


 ケガはないようだが、少し腰が引けているな。

 これも練習!


「大丈夫か?」

「だ、大丈夫です!」


「キュッ!」


 ウサギが逃げ去ろうとしている。

 だが俺が追うまでもない。

 すでにトウコが銃を抜いて狙いをつけている。


 射撃。乾いた銃声がサバンナに響く。

 命中!


「へいっ! ウサギ一丁っス!」

「ナイスショット!」


「うまくいきましたね! 穴の中に隠れててもばっちりです!」

「だな!」


 【水忍法】も【モデル】もいい感じ!



 トウコが醒めた顔で言う。


「でも前みたいに煙玉でよくないっスか? コスパ悪いっス!」


 一瞬の間。

 気まずい沈黙が流れる。


「それを言っちゃあお前……」

「トウコちゃん……その通りなんだけど……うん」


 煙玉でいぶして銃撃で倒す。

 安定のウサギ狩りルーティン!


 時間も労力も圧倒的に優れる完成されたパターンである。



「戦い方に幅を持たせるための訓練だと思え。目の前のウサギだけじゃなくて、もっと先を見るんだよ!」

「なる! ワンパ(ワンパターン)じゃダメってことっスね!」


 トウコは手でひさしを作って遠くを見ている。


「トウコちゃん……ウサギさんを見つけたの?」

「先を見てるっス!」

「実際に先を見てどうするんだよ!」


 目先の戦闘だけじゃなく、いずれ来る未知の状況に対処できるようにしておく。

 訓練した動きが実戦で出るものだ。

 そういう意味である!



「宝箱の中身は――」


 俺はドロップした宝箱を開封する。

 中身は茶色い円錐の角だ。


 拾い上げて二人に見せる。

 とたんに二人がガッカリした声をあげる。


「あー、(つの)っスねー」

「食べられませんねー」


「二人とも露骨にガッカリするよなぁ。これはこれでレアだし……」

「だって使い道ないっス!」


 レアだけどあまり使い道のない『角兎の角』。

 不遇である。


「まあ、気が向いたらなにか作ってみよう」


 【薬術】や【毒術】の材料になるかもしれない。


 ちなみに【毒術】で作った毒液を操れないことはもうわかっている。

 ポーションも真っ先に試したが操れなかった。


 どうやら毒や薬は水じゃないとみなされるらしい。

 しかしこれは原液――純粋な毒や薬の場合だ。


 だけど水に混ぜたらどうだろう。

 薄めたら?


 あるいは操った水でくるんだり、上に()()()ような使い方なら?

 これは可能性があるとみている。

 そう期待してイメージを高めておく!



 リンはじっと兎角を見ている。


「この角……【中級忍具作成】でなにか作れるかもしれませんねー」

「それもいいな。ゴブリンリーダーの武具も引き換えていないし、いろいろ試してみようか」


 リンが小さく首を振る。


「ゴブリンさんの指輪はあんまり……」


 ん……?

 指輪を作るとは言ってないよ!?


 今日もリンの指には鹿の角から作った指輪がはめられている。


 ああ……そういうことか。

 角からアクセサリーを連想したのね!


 わからん! ムズい!

 角の使い道は指輪じゃないと思う……!


 ゴブリン素材は武器や防具として使うだろうし!


 とにかく、あとで考えてみよう!

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― 新着の感想 ―
[一言] 角ねぇ…長さや形状にもよるけど指輪ばかりにしてたら指が何本あっても足らんわなw
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