表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

873/1497

メインは【水忍法】で!

 【水忍法】について調べた結果を二人に説明する。

 取得したスキルはもちろん、他のスキルについてもざっと話しておく。



「というわけで【水忍法】をメインにしたんだよ」


「リョーカイっス!」

「はーい!」



「じゃ、実際に見てくれ! 【操水】はこんな感じで水を操る!」


 用意しておいたポリタンクから水を外に出す。

 地面の上に出した水がうねうねと動いている。


「おー!」

「スライムさんみたいですねー」



「で、これが【水刃】だ。水を刃に変える!」


 水の一部が刃に変わる。

 下から上へ一本の槍がせり上がる。


 同時に、槍を作った分だけ水が減る。


「おーっ! よく見るやつっス! 水の(やり)っ!」

「わあ、強そうですねー!」


 水しぶきを立てて槍が水に戻る。


「【水刃】はすぐに効果が切れる。今度は刀にして――【水刃】!」


「今度は水のカタナですね!」

「ウォーターカッタナーっス!」


「……ウォーターカッターならぬ水カタナか! わかりにくいわ!」

「へへっー」


 まだ【水刃】は消えずに残っている。

 これは魔力を支払って維持しているためだ。


 リンが首をかしげる。


「あれ? 今度は水に戻りませんねー?」

「コストを払い続ければそのまま形を保てるんだ」


「へー!」

「で、応用編だ! この刃は水でできている! つまり――【操水】で操れる!」


 【水刃】を維持。

 そのまま土台にしている水の上を刀が左右に動く。


「わあー! 生きているみたいでかわいいですー」

「カワイイか……?」


 動く凶器だぞ。

 まあ深くはツッコまないでおこう!


 水の上を刀がぐるぐると回っている。

 俺が生身で刀を振るよりも遅い。

 しかし腕や関節のような人体の構造を無視した動きができる。



 トウコがおののくようなリアクションをする。


「ば、ばかな! 【操水】と【水刃】の同時使用っスか!?」

「お約束のリアクションをどうも」


 複数のスキルならいつも使ってるけどな。

 いまさら珍しくはない。


「でも店長は器用っスねー。あたしはいろいろやろうとすると頭がこんがらがるっス!」

「わかるよトウコちゃん! 私も一つずつしかできないからー」


 俺はいつもマルチタスクである。


 ブラック労働していたときから、ずっとそうだ。

 終わらない仕事をこなしていると、一つずつじゃ終わらない。


 体がいくつあっても足りないんだよな。


 今や俺は分身しながら刀を振って、忍法も扱う。

 さすがに頭が疲れてくるぞ!


「これはさっきゴブリンで試してきたから、実戦でも使えそうだ」

「さすがゼンジさん。しっかり検証してますね!」


 俺はうなずく。


「さて、あとは細かい話になるが――」

「うぇー? 細かい話があるんスか!?」


「生活に便利な使い方でしょうかー?」

「それもあるが……」


 トウコが両手を上げて笑う。


「やったー! じゃあ今日から店長が水くみ係っス!」

「そうはならん! 水をくむ手間はあんまり変わらないんだ」


「ダンジョンの外から水を運ぶからですよね?」

「そうだ。あとは、台に置けば補充できるし……」


 【操水】より台に乗せたほうが早いし、手間もかからない。



 リンがポンと手を叩く。


「あ、お風呂をキレイにできそうですね!」


「風呂を掃除するくらいはできるかな? でも水をキレイにはできない。【水浄化】という別のスキルが必要なんだろう」

「そうなんですねー」


「だから風呂の水はこれからもリンの【食材無毒化】で頼むぞ」

「はーい」


「あれぇ? あんまり便利になってないっスよ?」


 トウコがガッカリした顔で言う。

 俺は肩をすくめる。


「詳細モードだからな。今のところ水を操って刃に変えられるだけだ」

「じゃあ水ビームできないんスか?」


 トウコが言いたいのは水を高圧で放つ技だろう。


「たぶんそれは【水噴射】だな」

「ちぇー! 忍法(にんぽー)なのにいいぃー!」


 トウコは残念そうに足元の小石を蹴る。

 昭和のリアクションか!



「まあ、ガッカリするのはまだ早い! 【操水】を極めれば、ほとんどのスキルは実現できると思っている!」


「あ、水を操って色々やるんスね!」

「水を操って刃にしたり、飛ばしたりするんですね?」


「そうだ! リンの【ポージング】もそうだったが、スキルレベルを上げればできそうじゃないか?」


「スキルレベルを上げたら使いやすくなるかもしれませんねー」

「バンバン上げちゃえばいいっス!」


「おう! それじゃあ【操水】をスキルレベル二にするぜ!」


「はーい」

「ごーごー!」


 俺はステータスウィンドウを呼び出して【操水】のスキルレベルを二に上げる。

 これで勝つる!


「よし! さっそく試してみるか!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 操水のコストってどんな感じなのかなー? 例えばパチンコ玉の大きさの弾を高圧縮して拳銃並の速度で打ち出したら…超強力な指弾ぽくなるけど… まずできるかできないかの問題があるか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ