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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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候補は出そろった! いざ取得! 【水忍法】

「さてスキルを取得するぞ。まず【水忍法】から。候補は……」


 気になっているのはコレ!


 【操水】水を操り自在に移動させる。

 【水壁】水の壁を作る。

 【水刃】水の刃を発生させる。

 【濃霧】霧を発生させる。



 今、せっせと貯めたスキルポイントは二十八ある。

 しかし【上級忍術】の必要ポイント数はあなどれない!


 一レベルで四ポイント必要だ。

 以後、八、十六、三十二……とおそろしく高い!


 最終的にはダンジョンの外で使えるレベル三まで上げたい。

 となると四、八、十六を足して二十八ポイント!


 手持ちと完全に一致!

 ぴったりかよ!


 うーむ。

 でもそれだと一つしか選べない。


 ここはダンジョン領域で使えるレベル二で妥協する!

 試して気に入ったものに後でポイントをつぎ込むのだ。


 まず二つは試したい!

 比較して、より良いものを主力にする!


 欲を言えば【風忍法】も一つくらい試したいが……ポイント足りるかな?



「となると……まず取るのは【操水(そうすい)】だ!」


 操作系。

 これはどの系統にも必ずあった。

 基本中の基本スキルってわけだ。


 水を操作するというシンプルな能力である。


 問題はどこまで操作できるかだ!

 いや、疑うな。どこまでもできる!

 そう信じろ!


 操作系には想像力を働かせる余地がある!

 スキルはイメージだからな!



 さっそくポチる!


 --------------------

 【上級忍術】

  【水忍法】

   【操水】

    レベル1:水を操り自在に移動させる。

    レベル2:さらに自在に水を操る。


    レベル2への必要ポイント:8

 --------------------


 次段階の説明が出たけど……なんもわからん!


 おそらくレベルを上げれば強くなっていくのだ。

 あたりまえだけど!


 まあいい!


 レッツ忍法!

 しゅばっと手をかざして叫んでみる。


「いざ、操水の術!」


 しかし何も起こらない。

 俺の声がダンジョンの岩壁に反響してむなしく響くだけ。


 あれ……?

 スキルは確かに取得したはず!


 忍法だからなのか、これまでのようにナントカの術とは呼ばないようだが……。

 掛け声は関係ないだろう?



 あー。わかったわ。


 古典的ミス! よくあるやつ!

 水がないからだ!


 【操水】は水を操るスキルなんだよな。

 水を生み出す能力じゃあない!



 俺はペットボトルを手に取ってふたを開ける。


「なら……このペットボトルの水を……【操水(そうすい)】っ!」


 おお……! 動いた!

 ペットボトルの中で水がゆらゆらと揺れている。


 さらにイメージを膨らませる。

 外へ流れ出るイメージだ。


 このときペットボトルは傾けずに飲み口を上を向けておく。

 当然、普通なら上から水が出るはずはない。


 忍法で水を操って外へ出すのだ。


「登れ! 飛び出ろ!」


 水がペットボトルの外へと動き出す。

 水をこぼして流れ出るくらいの速さ。


 水が半分ほど出たところで――


「――止まれ! そのままキープ!」


 水が動きを止める。

 と言ってもぴたりと静止するわけじゃない。


 水の半分はペットボトルの中。

 もう半分は飲み口から出たところでゆらゆらと揺れている。


 ホースから勢いよく水を出した水流を写真に撮ったような、棒のような状態だ。


 そして当然、水は重力にひかれて下に流れようとする。


「おっとと! こぼれるこぼれる!」


 これは集中しないと難しい。

 低いほうへ流れようとする力と【操水】のせめぎ合い。


 わずか五百ミリリットルの水。重くはない。

 だが難しい。

 水にはきまった形がなく常に変化する。


 それを止め、形を作る。

 まるで、ぬめるウナギを手で捕まえるみたいだ。

 積木崩しの終盤戦みたいなバランス感覚……!


 魔力の消費(コスト)は大きくない。

 だが常に消費し続けている。


 これは【反発の術】や【吸着の術】と同じタイプ。

 コストを支払っている間ずっと効果が持続するタイプだ。



 ペットボトルから出た水はなんとか落ちずにペットボトルの上に留まっている。

 ぷるぷる揺れていて安定させるのは難しい。

 最初は棒状だった形もだんだん力なく垂れさがる……いや、球状になって下に集まってきている。


 水が流れる動きは止められない。

 この場合は下へ下へと流れようとする。

 重力のせいだ。


 上へ向けて伸びるイメージを強めて操作すれば、また持ち直す。

 伸びろ! 如意水(にょいすい)


「ふう……よし! 元のカタチに戻った!」


 水はペットボトルの上に直立している。

 別にまっすぐにする意味はないんだが、これも練習だ。


 このままさらに上へ上へと水を伸ばす。

 それにつれてペットボトルから水が外へ出ていく。


 容器内の水が少なくなってきたところで、水の動きが安定しなくなってくる。

 集中力が切れたというより……安定感か。


 水は容器の内側を支えにして上へ伸びている。

 ほとんど外に出たからバランスが悪くなった。

 容器と接する面積――つまり支えが減ったんだな。


 てことはもう少し外に出すと……?


 さらに水を動かす。


 手に持ったペットボトルから水がすべて出る。

 すると――


「おおっと! 落ちたな!」


 水は制御を失って、ばしゃりと床に落ちてしまった。


 術の効果時間が切れたわけではないだろう。


 魔力切れでもない。

 俺の魔力(リソース)はまだ充分にある。


 手が触れた容器から離れたからか?

 つまり射程距離が短い?


 調べたいことはいろいろあるな!



 こぼれた水は洞窟の床に小さな水たまりを作っている。

 この水を使ってさらに検証を続けよう!

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― 新着の感想 ―
[一言] 水がない場所では素材の水携帯が必須か… まぁ水分は大事だしいつも持ってるよね?
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