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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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非言語コミュニケーション!

 御庭は言葉や表情を読んで情報を見極める。

 一発で見抜くのではなく、多くの情報から絞っていく。


 精度が高い情報をもとに下した判断は正確だ。


「つまり御庭の話がクドいのは異能のせいか……」

「クロウ君、それはヒドくないかな!?」


「その結果、俺たちを信用してくれたんだな。今回のオカダ達についてもそうなんだろ?」


 オカダは人の血をすする吸血鬼だ。

 いきなり信用して仲間に引き入れるのは危険を伴う。



 御庭がぱちんと指を鳴らす。


「さすがクロウ君! 鋭いね! 今回、僕はオカダ君の行動を直接見た。だから交渉もスムーズに進んだよ」

「直接見ることが重要なのか?」


 ナギさんがちらりと御庭を見る。

 とがめるような、心配するような視線だ。


 まあ、言いたいことはわかる。

 御庭は気づいているのだろうが、そのまま話を進める。


「うん。とても重要だ。又聞(またぎ)きでは捉えられない情報は多い。それは身振り手振りや、わずかな間であったりする。報告書を読んでも読み取れない大切な情報だ」


 非言語情報によるやりとり――ノンバーバルコミュニケーションだな。

 感情や本音は文字だけじゃ伝わらない。


 話すテンポや身振り、表情や仕草は多くの情報を伝えてくれる。

 言葉だけじゃ話は伝わらないのだ。



 俺は御庭に問いかける。


「だから御庭は危険を承知で前線に来るんだな?」


 御庭は嬉しそうにうなずく。


「そうだよクロウ君! そういうことなんだよナギ君!」


 ナギさんが言う。


「御庭さんの場合、ただ人と話したいだけじゃないですか?」

「それもある! さあナギ君。もっと話そう!」


 あるのかよ!

 ナギさんは目をそらしてため息をつく。


「……はぁ」


 しょうがない人だ、とでも言うようなため息。


 うむ。

 見事なノンバーバル(非言語)コミュニケーション!



 リンが言う。


「あの……。オカダさんと話してみてどうでしたか?」

「心配ないよリン君。オカダ君の行動原理はわかりやすい。求めているのは自由と闘争だね。それさえ与えてあげられれば裏切ったりしない」


 ――楽しく暮らせればそれでいい。


 オカダはそう言っていた。

 意味もなく人を殺す気はないし、後味が悪いとも。


「自由はわかるが、闘争? 戦うのが好きそうではあったけど……」

「バトルジャンキーっスね!」



 御庭が続ける。


「オカダ君は戦いを望んでいる。たまにダンジョンで戦わせてほしいそうだ」


「自分から戦いたがるとは、ありがたいな」

「うん。でも一人で外に出すわけにはいかない。そのときはクロウ君が一緒についていってあげてね」


 御庭がいたずらっぽくウィンクする。

 なんか腹立つな!


「おい俺かよ!」

「クロウ君ならいざというとき彼を抑えてくれると確信しているよ」


 俺は小さくため息をつく。

 もともと俺はオカダを仲間に引き入れることには賛成だ。


 それを分かったうえで、俺に頼んでいるのだ。

 交渉上手め!


「ま、最初に誘ったのは俺だし、そうなるよな。戦力になりそうだし、たまにはいいぞ」

「助かるよ。危険度の低い悪性ダンジョンが見つかったら連絡する。サタケ君の治療も任せるね」


 まとめて用事が片付くし、悪くない。


「危険度の高いダンジョンなら見つかっているのか?」

「あるにはあるけど、急を要する状況ではないんだ。治療のために手を付けるのはちょっとね」


 危険なダンジョンにポーションを使いに行くのは本末転倒だ。

 ケガが増えては意味がない。


「そんなダンジョンを放置していていいのか?」

「それは大丈夫だよ。周囲に広がる心配はないんだ。オカダ君の状況を見ながら、クロウ君が手伝ってくれれば処理できるんじゃないかな?」


「俺たちとオカダで攻略しろってことか?」

「うん。ただ、さっきも言ったように急ぐ状況ではないんだ。時間のあるときにお願いするね」

「おう。そうだな。今はちょっと俺もいろいろ考えたい。今回の件でいろいろ課題も見つかったし、準備してからだな」


 リンが言う。


「課題……ですか?」

「今回の戦いで身に染みたが、まだまだ力不足だ。新スキルを取って準備しなきゃな!」

「パワーアップっスね!」


 上級忍者のスキルを取ってできることを増やしたい!

 帰ったらじっくり考えよう!

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― 新着の感想 ―
[一言] レベル上げのターン! 個人的に近々で必要な能力は状態異常対策、特に魅対策が必須かなと。 リカバリーポーション頭巾で何とかなるか!?
[一言] 最近ダンジョンいってなかったからねぇ…
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