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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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エスパー御庭! 感覚的知覚は高能力で!?


 御庭はESPを使えるが限定的だ。

 得られる情報は微弱な違和感だけ。


 あれ。待てよ?

 感知能力は異能とは別物なのか?


 ということは、御庭は複数の能力を持っている?


 ダンジョン保持者なら多彩なスキルを持っていてもおかしくない。

 わかりやすいところで言えば、リンの【火魔法】と【食材】は全く関係ないスキルだ。

 俺は忍者っぽい能力を選んでいるが、実際は違う系統のスキルを組み合わせている。


 だが御庭は異能者だ。

 異能は一人一能力(いちのうりょく)だと思っていた。


 これまで見聞きした範囲では、異能者は複数の能力を持ってなさそうに思えるのだが……。



 俺は御庭に尋ねる。


「御庭はESPと情報を扱う異能……ええと【完璧な自問自答】を持っているのか?」

「二つ持っているというよりは、同じものだね」


異能(いのー)って超能力なんスか?」

「呼び方の問題だね、トウコ君。僕らが異能と呼ぶ力は超能力の一部だ。僕はモノを動かすテレキネシス(念動力)は持たない。弱いイーエスピー(受信能力)と、情報処理能力の組み合わせが、僕の異能というわけさ」


 俺の【回避】や【危険察知】も超感覚の一種と言えるかもな。

 個人差もあるし、スキルや異能を分類するのは難しそうだけど。


「となると……犬塚(いぬづか)さんの嗅覚も超感覚と何かの組み合わせなのか?」

「犬塚君の異能は一級品だ。ただ匂いを嗅ぐだけじゃなくて、概念すら嗅ぎ取っているように思える。遠くから狙っているスナバ君の存在に気づいていた節があるし、ナギ君に対して警戒していた。実際にわかるはずのない匂いを感じ取っているんだろうね。情報が足りないから推測しかできないけどね」


 情報が足りない?

 御庭と犬塚さんの接点は少ない。

 だというのに、ずいぶんと深く推測できている。


 トウコの家で睨み合ったあの瞬間に、それだけのことを把握してたんじゃねーか!


「たいしたものだ……!」

「ちゃんと便利っス!」



 御庭が指を立てる。

 心なしか表情が曇っている。


「ただし、僕のESPはすごく出力が弱いんだ。相手に干渉することはできない」

「御庭の場合、出力が弱いから自分にしか使えないのか?」


「うん。外に向けて使っても何も起きないくらいに弱い。感じる力も弱くて、ちょっとした違和感を覚えるくらいだ」


 送信機能なし。

 受信機能しょぼめ。


 悲しすぎないか、それ……。


「そりゃ……残念だな」

「出力は弱いけど、使い道はある。そう信じて使い方を工夫したんだ。外ではなく内に向ける。自分自身に()()したとでも言うかな。その結果、自分の考えが間違っていれば、それに気付けるようになった」


「間違いに気づくだけじゃないよな? 完全記憶能力()()()もあるだろ?」

「それも工夫だね。ESPは情報を得る能力だ。それを使って、僕は自分の脳から情報を引き出している」


 超感覚で自分の脳から情報を引き出す……。

 斬新な使い方だな!?


「……自分をハッキングしているような感覚か?」

「その説明はわかりやすいね! メモしておこう!」


 御庭はその言葉もらい! みたいな感じで手帳にメモしている。

 御庭の異能を考えれば、意味のない行動だ。


 つまりこれは君の話は聞いたよ! というジェスチャーなのかもしれない。



 トウコが両手を握ってぷるぷるしている。


「セルフハッキングっ! なんかかっけえっス!」

「でも、そんなことをしても大丈夫なんでしょうか?」


「心配ありがとうリン君。特に不都合はないね。出力が弱いおかげで負担も少ないんだ」


 ナギさんがさらっと言う。


「よく頭痛でダウンしてますよね。自重してください」

「それは異能のせいじゃないけど……うん。心配ありがとうナギ君」


「心配ではなく忠告です」

「うん」


 働きすぎというか……過労か。

 忙しいくせに話は長い。


 俺も人のことは言えないが、ちょっと休んだらいいと思うぞ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 上司が働きすぎだと部下が休めないから休んでくれと懇願されるタイプの上役だな… アイマスクと仮眠室を準備しよう
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