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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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完璧な自問自答! 看過の神眼! 真実の目! 真贋判定!

「ここまでは前提。説明はまだまだ入口だよ」


 俺は半眼で御庭を見る。


「御庭に似てめんどくさい能力だな。異能は本人に似るのか?」

「まあ、そう言わないで聞いてほしい」


「もちろん聞くが」

「ここまでの話をまとめるね。僕は記憶や知識を情報として扱える。その情報は劣化せず、間違いはない。そしてこの情報をもとに出した結論もまた正しい」


「正しいというのは……記憶違いがないってことだよな?」

「さすがクロウ君! 情報が間違っていないことがわかる。残念ながら真実がわかるわけじゃないけどね」


 リンが首をかしげる。


真実(しんじつ)……? どういうことですか?」

「普遍的な正解とでも言おうか。真理(しんり)とでも言おうか。僕は嘘を見抜けるけど、嘘そのものの真偽を判定してはいない。言い換えると、異能で正解か不正解かを判断できるわけじゃないんだ。表情、過去の言動、性格……そういうものから答えを導き出している」



「御庭の異能は物事の真実……正解という概念を操るのとは違うんだな?」

「うん。一足飛びに答えがわかるわけじゃない。答えを直接知るのではなくて、外堀から埋めていく感じだ」


「なんでもわかるわけじゃなくて、自分が知っている情報を利用するんだな?」

「そう! 僕が嘘を見抜けるのは、それを見抜く知識を持っているからだ。嘘をつく人間はいろんなサインを出す。その癖を知っているから、それが見抜ける。初めて会う人に対しては精度が低くなるけど、クロウ君とは何度も話したからほぼ確実にわかる」


 声の震えや声量、まばたきの回数、目線の動き。

 そういったサインをもとに嘘を見抜く。


 俺も聞いたことはあるが、嘘を見抜くことはできない。

 知っているからと言って利用できるわけじゃない。


 練習すればできるか?


「これって、ただの技術とは違うのか? 捜査心理学(そうさしんりがく)のプロファイリングみたいなさ」

「FBIっスね! ワーニングっスね!」


「少し違う。心理学やプロファイリングの技術はもちろん使っている。そういう知識を前提にして、情報を分析するんだ」

「むむ……学問の知識も前提でしかないのか」


 あらゆる情報を材料として、正解を導き出す能力……?



 トウコが頭を抱える。

 煙が立って爆発しそうな顔をしている。


「うぇー! 全然わかんないっス」


 御庭が言う。


鑑定能力(かんていスキル)のように設定されたパラメータを読むのとは違う。【嘘発見】や【真贋(しんがん)判定】とは違うって話だよ」

「これは嘘や真実に直接アクセスできる能力だな」


 鑑定さん最強説!


「あっ! 世界の(こえ)を聞きし者! トゥルージャッジメントっスね!」

「違うって話だからな、トウコ?」


 勘違いしていそうなので一応ツッコんでおく。

 そんな便利なものじゃあない。



 リンが胸の前でポンと手を合わせる。


「御庭さんはお相手をよく見て、気持ちを汲み取れるんですよね?」

「それだと、ただの空気が読めるヤツだけどな!」


 まあ、言われてみれば御庭はそんな感じか?


「はは……そうとも言えるねリン君。そう。僕の異能は(はた)から見ると普通の人間と変わらない。だからどれだけ人前で異能を使ってもバレないんだよ!」


 御庭はドヤ顔で胸をそらせる。

 それって……異能が地味すぎてバレないだけだろ!?

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― 新着の感想 ―
[一言] 微妙すぎて世界にも見逃されてる…?
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