表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

845/1506

吸血鬼の作り方!? その生態にせまる!

 オカダが説明を始める。


「カミヤさん……カミヤは時々俺たちを集めてパーティーを開いてた。カミヤの血を酒やクスリに混ぜて客に飲ませる。それを何度か繰り返せば吸血鬼の出来上がりだ」


「酒に血を混ぜるって……」

「ん? ほら、あれだよゼンゾウ。お前らも飲んだろ?」


「ウェルカムドリンクか! ハルコさんのおかげで俺たちは飲んでないけどな」

「えへへ! うまくいきましたねぇ!」


 オカダが感心する。


「そうなの? すげーなハルちゃん! 気づかなかったわー!」

「お酒は飲んでないけどトマトジュースはふつーにおいしかったっス!」


 トウコだけ飲んだよね!

 止める間もなく!


 オカダは残念そうな顔でトウコを見る。


「ノンアルのドリンクにも混ぜてあるんだぜ、トーコちゃん」



 ウェルカムドリンクに混ざっていたのはカミヤの血か……。


「なあオカダ。その血って飲んでも大丈夫なのか?」

「オーケーオーケー。一回くらいで吸血鬼になったりしねーよ」


 もちろん、トウコは吸血鬼になったりしていない。

 肉体的な変化は起きていないし、ステータス上にも現れていない。


「なら大丈夫か。ちょっと安心だな」

「少しずつ、何回も飲ませなきゃならねーんだ。それに才能がなきゃ、ちゃんとした吸血鬼にはなれないしよ」



「才能? なんだそりゃ?」

「そのまんまだ。ちゃんと自分を保って吸血鬼になれるのは一握りなんだぜー?」


「才能がないとどうなるんだ?」


 もう察しはついているが、直接確認しておきたい。


「お前らも見ただろ? 吸血鬼になりそこなった奴らだ。カミヤは低級とかクズって呼んでた」


 ショッピングセンターで見たキバコ。

 それに今回転送門からたくさん出てきたやつのことだ。


 ふーむ。

 あいつらは吸血鬼のなりそこないだったか。


「才能ってのがわからないんだが、運が悪いとああなるのか?」

「まあ、俺も知らんけどな! 俺もコガちゃんもラッキーだったぜ! なっ?」


 オカダがコガさんの肩をバンバン叩く。

 コガさんは少し困った顔でうなずいている。


「う……はい」



 俺は言う。


「ちなみにコガさんはどういう経緯で吸血鬼になったんですか?」

「あ、わ……わたしですか?」


 コガさんはあわあわしだす。


 御庭が言う。


「話しにくいなら僕から補足してもいいけど、どうかな?」

「あ、いえ。わたしは――」


 コガさんが自分の口から事情を説明する。


 内容はこうだ。

 街で声をかけられ、店に行った。

 ウェルカムドリンクを飲まされ、クスリを買わされて帰された。


 その後も何度か呼び出されて店に通った。

 クスリが欲しかったから、断ることなど考えなかった。

 美容にいい薬だと言われて、実際に効果があったらしい。


 そして、今回のパーティーに参加することになったそうだ。



 コガさんが続ける。


「それで――お店の奥の森のようなところに連れていかれて……。そこで人を殺して血を吸えって言われたんです。でもできなくて……!」


 ダンジョンの中は森になっていたのか。


 俺はオカダに尋ねる。


「これが人間狩りってやつか?」


 オカダが苦い顔で言う。


「そうだ。カミヤは吸血鬼に変わると、最初に人間を狩らせる。死ぬまで血を吸わせるんだ。俺もそうした。やらないやつは殺されるからな」


 コガさんが顔を覆いながら言う。


「すごく、すごく喉が渇いて……。でも、わたしはできませんでした。そうしたら臆病者はいらないって怒られて……気づいたらお店の中に戻っていました」


 本来ならコガさんは殺されるはずだった。

 しかし、俺たちが現れたことを柄シャツが知らせた。


 カミヤはコガさんを捨て駒として転送門へ送り込んだ――



 俺は言う。


「コガさんは俺たちの出方を見るために送り込まれたんだろうな。ある意味ではラッキーだったとも言えるか」

「は、はい。助けていただいて……ありがとうございます!」


 そのあとは俺たちの知る通りだ。


 結局、今回は人間を救えなかった……。

 だけどコガさんだけでも救えてよかった!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] んー吸血鬼になったけどこれは一応助かった…のか? 吸血衝動は輸血用の血でも飲ませとけばなんとかなるか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ