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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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外で待ち構えていたのは……!?

 柄シャツの吸血鬼が塵に変わり、魔石が床に転がる。

 それを見て、剣士が叫ぶ。


「カミヤさん、撤退だ!」

「わ、わかったわ!」


 二人が出口へと駆けだしていく。


 オカダが剣士へ殴りかかる。

 だが剣士は傷口から血液を吹き出して、オカダの動きを封じる。


 カミヤが出口から外へ。

 続いて剣士もドアの外へ。


 俺、ナギさん、御庭がそれを追う。


 店外に出れば、そこは通常の領域。

 ざわざわと街の喧騒が聞こえてくる。


 そして――通信も復活する。


「今出た二名、()()()()?」


 通信機から聞こえてきたのはスナバさんの声。

 御庭が事前に呼んでいたのだ。


 そしてどちらかと訊ねているのは、敵か、そうでないか。

 撃っていいのか、悪いのかを聞いているのだ!


 御庭が言う。


「敵だよスナバ君! 頼む!」

「承知した!」



 御庭が壁際に寄る。


「クロウ君! 少し脇に避けよう」

「ああ!」


 俺もそれに倣う。

 この階段を上がれば地上。夜の街が広がっている。


 スナバさんは店の出入り口を狙える位置にいるはずだ!



 階段の上から剣士の驚く声が聞こえる。


「な……なんだ!? くっ! うおお!」


 ぽたぽたと血が階段に降り注ぐ。

 これは剣士の血だろう。


 銃声は聞こえない。

 だが次々と弾丸が着弾して剣士に銃創を作っていく。


 剣士の体がぐらりと揺れる。

 そして階段を転げ落ちてくる。


 体中に穴が穿たれ、血が流れている。


 これはスナバさんの――

 いや、スナバさんとシズカちゃんの無音狙撃だ!


 階段から転げ落ちた剣士が塵になって消える。

 ダンジョン内とは違って、消え去るのはあっという間だ。

 魔石すら残らない。


 あっけないが……血を操る剣士はこれで倒れた。

 カミヤの姿は見えないが、どうなった!?


 通信機からスナバさんの声。


「む……? 狙いが……」

「スナバ君、女吸血鬼を見すぎると魅了されてしまうよ!」


 カミヤはダンジョン外でも【魅了】を使えるのか……!?

 狙撃のために相手を見ただけでも効果が発揮されるらしい。


「標的はすでに人波に紛れた。射撃はできん」

「深追いはしなくていいからね、スナバ君。ハカセ、聞いてるね?」


 と御庭。

 ハカセが通信機越しに応える。


「言われなくてもすでに追跡しているよー。こんな薄着で街中を走り抜けるなんて、目立ってしょうがないよねー」


 ところどころが炎で焼け落ちたドレスだもんな。

 痴女である。


 しかし見とがめる人はいないだろう。

 【魅了】されるか認識阻害されてしまう。



 一応ハカセにも警告しておこう。


「その女は人を魅了して操る! 気分がおかしくなったら気をつけろよ、ハカセ!」

眼福(がんぷく)ではあるけど、俺っちに影響はなさそうだねー?」


 ならいいけど。

 さすがに監視カメラ越しでは魅了されないらしい。


 ふむ。

 ダンジョン内では使えないけど、外でなら魅了対策になるかもしれん。


「御庭、追うか?」

「いや、今から追いかけても間に合わない。追跡はハカセに任せよう」


 俺は店のドアを振り返る。


「なら一度、中に戻るぞ! リンたちが気になる!」

「オカダ君たちの処遇も考えなきゃいけないね!」


 ひとまず脅威は去った。

 もともと敵の全滅が目標じゃない。


 こちらの犠牲もないし、大量の吸血鬼を滅ぼした。

 戦果は上々だ!



 室内に戻る。


 サタケさんが銃をオカダに向けている。

 オカダは両手を上げているが、表情は明るい。


「まあまあ、落ち着こうぜオッサン。争う気はないんだ。オーケーだろ?」

「いいから動くな……げほっ」


 オカダの後ろで小柄な女性が震えている。


「ひっ……助けてください」


 ああ、そうだ。

 オカダだけじゃなくて小柄な女性もいたんだった。

 彼女もたぶん吸血鬼だ。


 二人の処遇を考えなきゃな!

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― 新着の感想 ―
[一言] リンちゃんさんは大丈夫かね…トウコはゾンビだから大丈夫だと思うけど。 そしてなりかけ吸血鬼を元に戻す手段は…?
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