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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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瞬間の剣戟!

「死んでもらう!」

「やなこったね!」


 剣士が突っ込んでくる。

 その動きは洗練されていてスキがない。


 再び天井へ逃れることは難しい。

 左右へ跳んでも追ってくるだろう。


 それほどに鋭い踏み込み!

 そして、そこから繰り出される斬撃もまた速い!


 逃げ場を示してくれるはずの【回避】は沈黙したまま。

 つまり、避ける余地がないということ!



 剣の腕、体のキレ、無駄のない動き!

 どう避けても、奴は方向修正して斬撃してくる。


 かわせない!

 ゆえに受ける!


 だがそれは回避する以上に難しい。

 集中だ。集中しろ!


 極限の集中――

 時間がゆっくりと流れ始める。


 俺の首を刈り取るような鋭い斬撃。

 もう目の前に迫っている。



 ――先ほど自律分身が斬られた瞬間を思い返す。


 槍で受けたはずが、胸を斬られていた。


 これも透過能力かとも思った。

 だが、別の能力だ。

 透過能力があるならオカダとの攻防で使うはずだ。


 相手によって剣士も戦い方を変えているのだろう。

 なぜ能力をオカダには使わず、自律分身には使う?


 オカダと自律分身の違いはなんだ?

 その違いは武器だろう。

 武器で防御するってことだ。



 剣士の能力は血液で剣を作ることだと思っていた。

 しかし、それだけではない。


 血を操って刀身を伸ばしていた。

 傷口から吹き出す血で攻撃したりもする。


 つまり血で剣を作るだけが能力ではない!

 能力の本質は、血液を固めて武器にすることだろう。


 血液は本来ならば液体だ。

 ならば武器と交差するタイミングで能力を解除すれば、赤い剣は血液に戻る。


 そして相手の武器を通り抜けた瞬間、再び血液を固める!

 これで自律分身の防御をかいくぐったのだ!


 タイミングは難しいだろう。

 だが……奴の剣さばきの正確さを考えればできないことではない。


 俺がこれから狙うのも、タイミングが勝負になってくる!



 目前まで血の剣が迫っている。

 その赤い刃へと刀を合わせる!


 打ち合う瞬間、血の剣がゆらぐ。

 液体となり、俺の刀を通り抜ける――


 思った通りだ!


 俺はタイミングを合わせ、用意していた術を発動する――


「――反発の術!」


 俺の刀に斥力が発生する。

 はじく力が、液状化して柔らかくなった赤い剣へと伝わる。


 そして――赤い剣が血しぶきのように飛び散る!


「なにっ――!?」


 剣士は驚愕して目を見開く。


 俺はそのまま刀を振り抜き、剣士とすれ違う。

 刀の峰が剣士の体を捉えるたしかな手ごたえ。


「うぐっ!」


 剣士はバランスを崩している。

 そこへ追い撃ちの一撃!


「もういっちょ! ――フルスイングっ!」


 狙いは頭部!

 刀の峰。全力の一撃!


 剣士は短くなった刀でそれを受けようとする。

 だが遅い!


 刀の峰が頭部へめり込む。

 そしてノックバック効果によって剣士の体が浮き上がる。


「がっ……!」


 剣士は空中に投げ出され、受け身も取れずにテーブルをなぎ倒す。


 人間なら死んでもおかしくない手ごたえだが……さすが吸血鬼!

 まだ生きている。


 だが無様に倒れ、武器も消えた。

 今が追撃のチャンスだ。


 だが――踏み込めない。


 すぐそばにカミヤがいる。

 剣士を守るためでもなんでもなく、ただそこに立っているだけ。


 それでも、うかつに近寄るのはためらわれる。

 視界に入っているだけでも集中力が削がれていく……!



 カミヤが剣士を見下ろして言う。


「あらぁ? なにしてるのよ? さっさと片付けてくれる?」


 そこには気づかいや心配などは微塵もない。

 簡単なことを言いつけるような口ぶりだ。


 それに対して剣士が答える。


「……はい。すぐに!」


 立ち上がろうとしている。

 杖のように剣を地面に突き立て、それに(すが)って身を起こす。

 だがふらついてうまく立てない。



 よし、効いている!

 頭部へぶち込んだ打撃はしっかりと脳を揺らしていた。


 吸血鬼だろうと体の構造は人間と変わらないようだな!


 剣士に与えたダメージは大きい。もうさっきまでの動きはできないはずだ。

 柄シャツもどうとでもなる。


 カミヤに邪魔されず、なんとかトドメを刺す!

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― 新着の感想 ―
[一言] いるだけで男全員にデバフとは厄介な… 本人の戦闘能力もわからないし油断はできんなこれは
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