表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

835/1497

三次元もぐら叩き!

 分身地帯を作り出し、柄シャツの逃げ場を奪う。

 息を乱した柄シャツは俺から離れて逃げていく。


「はあはあ……! く……!」

「そっちにいった! 任せるぞ御庭! 休ませるな!」



 御庭が柄シャツへ銃を向ける。


「わかったよ、クロウ君! 彼は移動中には呼吸ができないみたいだ!」

「なるほどな!」


 呼吸が乱れるのは激しい運動のせいだけじゃない。

 おそらく空気すら透過してしまうんだろう。



 なら地面や光は透過しないのか?

 ――と余分な考えが浮かぶが、今は考えている場合じゃあない。


 御庭が銃撃し、再び柄シャツが透過移動で回避する。

 御庭は短い射撃をくり返し、休息を許さない。


 俺の近くは分身地雷地帯があるため、柄シャツは近寄ってこられない。



 だんだんと御庭の銃撃精度が上がっていく。


 柄シャツが息継ぎ――透過を解くタイミングに合わせて、引き金を引く。

 もぐら叩きのように、その瞬間を叩くのだ!


 何発かの弾丸が命中し、柄シャツが身をよじる。


「うぐっ……はあっはあっ! ……くそっ!」

「よし、当たったね!」


 サタケさんも柄シャツに銃を向け、もぐら叩きに参加し始める。

 柄シャツは御庭たちに任せておいて問題ないだろう。


 もはや柄シャツは死に体だ。

 それより優先すべきは血液の剣を操る男!


 片腕を落とされたオカダは劣勢になっている。


 助太刀に入らねば!


 柄シャツ対策に分身を残しつつ、一部を剣士へと向かわせる。



 同時に三体で体当たりをしかける!

 分身の動きに、剣士が気付いて振り向く。


「むっ!?」


 剣士が赤い剣をひらめかせる。


 先頭の分身が消える。

 間髪入れずに二体目、三体目の突撃!


 一太刀ごとに分身が塵になって霧散する。

 俺はその陰から飛び出し、刀を横薙ぎに一閃!


 ――【フルスイング】!


「うりゃあっ!」


 剣士が剣で刀を受ける。


 だが刀は止まらない。

 剣を押し返し、大きく跳ね上げる!


「――なにっ!?」


 スキあり!


 俺も大振り攻撃をしたばかりだ。

 だがそのスキを消すようにもう一手!


 フルスイングを振りきったところで、返す刀を加速!


 ――【ファストスラッシュ】!


「りゃあっ!」

「くうっ!」


 剣士が構え直すより早く、加速した刀が剣士へせまる――

 剣士は身をよじって急所をかばう。


 刀が肩口を切り裂き、ぱっと、血が舞い散る。


 む!?


 ぴりぴりとした感覚――

 ――なにかヤバい!


 俺はとっさに足元に反発力を生み出し、跳躍!


 無理な動きに体が軋む。

 だがかまうか!


 俺の足元をなにかが通り過ぎていく。


 それは床に当たって硬質な音をたてる。

 血が散弾のように跳び出したのだ!



 威力はさほどではない。

 だが、生身で食らえばダメージは必至!


 【危険察知】と【回避】のおかげでなんとか避けられたが――



「あ、あぶなっ……!」


 体からほとばしる血液での攻撃か……!

 さっきまでこんな芸当は見せていなかっただろ……!?

 初見殺しもいいところだ!


 オカダと戦っているときには見せなかったのに!


 そうか!

 攻撃手段が違うからだ!


 オカダは打撃。俺は刀による斬撃。


 刀で斬れば切り傷ができる。

 傷口が開けば血が出るのは当然のこと……!



 俺は血の弾丸を回避するために空中に跳び上がっている。


 俺の足下で剣士が口の端をゆがめる。

 嘲けるような笑みを浮かべる。


「馬鹿め!」


 そう言って剣士が剣を振りあげる。


 空中では動きが取れない。

 つまり避けられないって?


 違うんだなあ!


 俺は天井に着地。

 その場でしゃがみこみ、姿勢を()()する。


 頭上を剣が通り過ぎる。


「むっ!?」

「もらったっ!」


 天井を蹴り、頭上から斬りかかる。

 いや、峰を返して殴りかかる!


 脳天へ打撃をくらわせてやる!


 だが攻撃は空を切る。

 おい……今のをよけるのかよ!?


 強い!



 俺は床に着地して身構える。

 着地はスキを生む。だが追撃は来ない。


 先ほどの回避で相手もバランスを崩しているのだ。



 背後へ跳んだ剣士が剣を構えて突っ込んでくる。

 

「死んでもらう!」

「やなこったね!」


 自律分身は一回殺されているけど!

 二度めはないぜ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 剣術同士だと分が悪いかなー? やはりここはニンポだ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ