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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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人口密度ましまし! 地雷分身の術!

「やっと起きたか、ゼンゾウ!」

「ああ……待たせたな!」


 オカダはもう血だらけだ。

 左腕は切り落とされ、右腕も傷だらけ。



「む?」


 剣士は立ち上がった俺をやや不思議そうに見ている。

 双子とでも思っただろうか?



「くそ……はぁはぁ!」


 先ほど殴り飛ばされた柄シャツがよろけながら立ち上がる。

 乱れた呼吸を整えようとしている。



 まずは周囲の状況を把握した。

 自律分身がやられてからそれほど時間は経っていない!

 せいぜい数秒から十数秒といったところだろう。



 他はどうなっている?

 俺は素早く周囲に目を走らせる。


 リンは目を閉じて床に座り込んでいる。

 腕の火傷が痛々しい。

 意識はなさそうだが息はある。


 トウコはまだ立ち上がっていない。

 ここからは見えないが、まだがれきの下だろうか。


 視界にカミヤの姿が映る。

 服が焦げて、これまで以上に露出が高くなっている。


 軽いめまいを覚える。

 だが深く魅入られはしない。


 さっきまでとは違う!

 これなら戦える!



 俺は自律分身がつないだ闘志を燃やし、スキルを放つ!


「分身の術!」


 一体だけではない。

 次々に分身を配置していく。


 ある程度のスペースを開けて、周囲を埋め尽くすように!


 そのすべてが判断分身だ。


 与える条件は単純!

 ――その場で最も近い敵へ攻撃をしかける!


 基本的に移動はしない。

 近づいたら攻撃するだけ。


 つまりはセンサーだ。

 近づけば爆発する地雷のようなもの。


 柄シャツの高速透過移動への対策だ!



「な、なんだこりゃぁ……?」

「もう逃げ場はないってことだよ!」


 俺は動揺する柄シャツへ向けて斬り込む!


 さっきまでの(自律)とは違い【歩法】や【反発の術】で加速している。


 武器はいつもの忍者刀!

 自分の体のようによく馴染む!


「――ファストスラッシュ!」

「うおおっ!」


 柄シャツが残像の尾を引いて姿を消す。


 目では追えない。

 また背後のどこかだろう。


 だが、背後には分身を配置済!

 悪態が聞こえる。


「くそがっ! じゃまくせェ……!」


 振り向くと、分身がナイフで破壊されている。

 柄シャツは肩で息をしながら、近くの分身を警戒している。



 俺は言う。


「分身! 包囲しろ!」


 わざわざ声に出して命じるのは、心理的な圧迫を与えるための駆け引きだ。

 俺は周囲の分身を手動で操作して包囲を狭める。


 攻撃範囲に入った分身が柄シャツへと攻撃を加える。


「ちいっ!」


 柄シャツは焦った様子で逃げていく。


 そんなに焦らなくたっていいんだけどな!

 武器を持たない分身の攻撃など、たいした威力ではない。


 柄シャツにそれはわからないだろう。

 となれば攻撃して数を減らすか、移動スキルを使うしかない。


 どちらにせよ、相手の体力を奪えるってわけだ!



 俺は次々と分身を出して周辺を埋めていく。

 相手の体力と俺の魔力の比べ合いだ!


 だが柄シャツは戦う前から息を切らせている。

 コツコツと積み上げた自律分身の戦いは無駄じゃあない!



 再び、柄シャツが透過移動。

 もう近場に安全圏はない!


 柄シャツが離れた場所へと移動する。

 俺は分身を操作して包囲を狭める。


 移動、包囲。その繰り返し。

 分身が倒されたら追加で出して補充する。


 もちろん、単調に繰り返せばいずれ対処されてしまう。

 そこで【入れ替えの術】で奇襲する!


 奴の背後にいる分身と位置を入れ替え――


「――ファストスラッシュ!」

「うおっ!」


 浅いながらも刀が柄シャツの体を捉える。

 だが倒すには至らない。


 柄シャツは逃げ場を求めて移動していく。


「はあはあ……! く……!」


 もはや目に見えて呼吸が乱れている。

 休ませるか!

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― 新着の感想 ―
[一言] 俺(自律分身)の犠牲は無駄にならなかった! よくやったぞ俺(自律分身)! …なんかややこしいw
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