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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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バックアップからのリカバリー!?

「めんどくせェ奴は後回しだ! 殺れるやつからヤる!」


 柄シャツが猛スピードで移動して無防備な本体を狙う。

 そしてナイフを振り下ろそうとしている。


 マズい!

 今の体勢から槍を投げることはできない……!


 【入れ替えの術】を――


 とっさに(自律)は術を練ろうとし――失敗する。

 ダメだ! スキルが使えない!


 くそっ! (自律)には止める手立てがない……!


 そのときオカダが動く。


「しゃあッ!」

「うげっ!?」


 オカダの放ったストレートを受けて柄シャツが吹き飛ぶ!


 しかし、この行動はオカダにスキを生んだ!


 剣士が剣を振り、言う。


「馬鹿め!」

「おおっ!」


 オカダの腕が斬り飛ばされる。

 腕は血をまき散らしながら宙を舞う。


 剣士のさらなる追撃。

 これをオカダはスウェーバックしてかわす。


 さらに剣士が斬り込んでいく。


「まだまだっ!」

「くっ!」


 オカダは脚を切り裂かれ、バランスを崩す。

 そのままオカダは背後へ転がって逃れる。



 そこへ(自律)は槍を構えて突っ込む。


「うりゃあっ!」

「むっ!」


 突き出した槍が剣に払われる。

 その勢いに抗わず、(自律)は槍を回転させ、石突きを跳ね上げて反撃する。



「はっ!」


 剣士が石突きを斬り払う。

 今度は弾かれず、すぱりと槍の先が斬り飛ばされる。


 うっ!?

 なんて切れ味――そして技術!


 今の一合(いちごう)で、(自律)の体勢は崩されてしまった。


 さらに連続で斬撃が迫る。


 もはや回避は不可能!

 瞬間の判断――受けるしかない!


 (自律)は短くなった槍を剣に合わせる――


 まっすぐに当ててはダメだ。

 また斬られてしまう!


 受ける瞬間、剣筋に対して角度をつければ――


 ――意識が加速し、時間が引き延ばされる。


 迫る剣を槍の柄で受ける――


 理想的な角度!

 タイミングもいい!


 だが剣は止まらない――!


 鋭い痛み。

 ――(自律)の胸から血が噴き出す。


「な――なにっ!?」


 (自律)はなかば呆然と手元を確認する。


 槍は斬られていない。

 弾かれる感覚もなかった。


 だというのに胸を斬られている……。

 なにが起きた……!?



 俺の目の前に血しぶきがふわふわと浮かんでいる。

 赤い血の一粒一粒が揺れている。


 その向こうで、剣士が再び剣を振り上げている。


 ゆっくりと流れる時間の中、俺は目の前に迫る赤い刃を眺めている。


 刃が目前に迫る。


 あ、死ぬな――

 そう思いながら(自律)は――自律分身は死を迎えた。



 ――自律分身の意識が、本体にフィードバックされる。

 ――そして今、記憶の読み取りが終わった。


 自律分身の経験、感情、そして痛み!

 いつまでも慣れることのない死の感覚!



 その強烈な感覚に、(本体)は急速に意識を覚醒させる。


「うっ……!?」


 意識の読み取りに長い時間はかからない。

 だが今回はいつもより長い。


 意識が整理されていないせいか、濃厚な記憶だった。



 体に痛みはない。手足は動く!

 俺はまだ生きている!


 状況はどうなっている?


 意識を外へ向け、目を見開く。

 落ちている刀を手で探り当て、立ち上がる。



 血だらけのオカダが言う。


「やっと起きたか、ゼンゾウ!」

「ああ……待たせたな!」


 俺は刀を構えながら、素早く周囲の状況を確認する。

 自律分身がやられてからそう時間は経っていない!


 魅了を脱した頭は冴えている。

 気力も充分!


 さあ、反撃開始だ!

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[一言] やはり頼りになる男オカダ! そして空白の時間に何があった!?
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