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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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乱戦! 戦闘再開!

「ああもうイライラするわ! お前たち、こいつらを殺すのよ!」


 カミヤが叫ぶと、全員が一斉に動く。


 吸血鬼が叫ぶ。


「お望みとあれば!」

「ぶっ殺してやらぁ!」



「させるかよ!」


 (自律)は叫び返しながら、状況を確認する。


 オカダが敵でないなら、相手は三人だけだ。

 人数はこちらが多い。


 だが動けないメンバーがほとんどだ。


 リンと本体は座り込んで動かない。

 気絶しているか、意識が朦朧としている。

 自分の身を守ることもできない状態だ。


 御庭は深めに魅了を受けたのか、抗うのが精一杯らしい。

 ナギさんは御庭をかばうように身構えている。自由には戦えない。


 ハルコさんがエドガワ君の耳元でなにかささやいている。

 耳は幻でふさいだままだが、耳元に密着するほど口を寄せれば音は通るだろう。


 エドガワ君への魅了は薄れつつあるように見える。

 だが、状況は理解できていないだろう。


 サタケさんは頭を振りながらこぶしを握り締めている。

 なんとか動けるといったところか。


 トウコも動かない。



「くたばれっ!」


 柄シャツが高速移動してサタケさんへとナイフを突き出す。

 サタケさんは銃でかろうじて受けるが、銃が手の中から飛んでいく。



「さっきから目障りなのよ、お前!」


 カミヤがナギさんと御庭のほうへ腕を伸ばし、何かを呟く。


「目障りなのはあなたです」


 ナギさんが前に出て、放たれた魔法攻撃を防ぐ。



「……」


 無表情の男が剣を振り上げる。

 狙いは無防備なリンと本体()だ!


「させるかっ!」


 (自律)は渾身の力で槍を投擲する。

 男が剣で槍を斬り払う。



「寝てるヤツを狙うのはだせェぞ!」


 そう言いながらオカダが無表情の男へ殴りかかる。

 だがかわされる。


 切断された足ではどうしても踏み込みが浅くなる。

 というか、よくあんな足で踏み込むよな……!



 無表情の男がオカダに剣を向けて構える。


「裏切者に言われる覚えはない」


 男が剣を振り、オカダが腕で受ける。


「――ッと!」


 腕が切り裂かれ、血が噴き出す。

 吹き出した血が二人に死角を作る。


「――しゃあッ!」


 深手を負った腕にかまわず、オカダは逆の手でカウンターを放つ。

 顔面へと右ストレートが突き刺さる。


「ぐっ!」

「どうだ! 俺の取り柄はよ!」


 そう言いながら、腕の傷はもうふさがりつつある。


「くだらない! それなら再生できなくなるまで刻むだけのこと!」


 そう言うと男は背後に跳び、距離を取って構える。

 手にした赤い剣の刀身が伸びていく。


「ちっ! ビビりが!」


 オカダは追うように踏み込んでいく。

 だが、一歩届かない。


 素手と剣ではリーチが違う。

 ましてや片足では追いつけない。



 (自律)も傍観しているばかりではない。

 槍はもう手元にない。

 クナイや手裏剣もないが、投げるものはある!


「オカダ――これを使え!」

「――おっ! 助かるぜ、ゼンゾウ!」


 投げたのはオカダの足首から先である。

 オカダが足先にあてがうと、肉が盛り上がっていく。


「ちいっ!」


 舌打ちをして、男が剣を振る。

 だがオカダは体をよじって身をかわす。


 赤い剣が肉を切り裂く。

 だが浅い傷はすぐに癒えてふさがる。



 (自律)は槍を拾い上げ、赤い剣の男へ向ける。


 だが、この男の能力はまだ把握できていない。

 やみくもに突っ込んでも勝てないだろう。


 (自律)は槍を向けながら男を観察する。


 感情の読み取れない整った顔に、細身の体。

 爪や牙が伸びたり、体が大きくなったりはしていない。

 ほとんど人間の姿だ。


 これまでのところ、魔法やスキルは見せていない。


 いや……手にした剣の長さが変わるのが能力か?

 スキルにしろ異能にしろ地味だが……それだけに不気味でもある。



 御庭の声。


「――クロウ君! そいつの武器は血液だ! もう一人は物質をすり抜ける能力の可能性が高い!」

「血液が武器か……!」


 血のように赤い剣。

 血液で刀身を作っているのか!


 長さが変わったのは、血液を足したからか!

 タネがわかれば簡単なことだが……長さが変わる武器は対処が難しい。



 そしてもう一人の能力もわかった。

 柄シャツの能力は、すり抜ける能力!


 だが、あの速さは?

 とすると物質透過と高速移動のセットか!

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― 新着の感想 ―
[一言] あーそっかオカダ君のパーツそのままだったね… ちぎれたパーツ元通りにくっつけて戦えるとは便利w
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