表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/1495

未知なるエラーが発生しました!?

 扉の先には――


 ――宝箱だ。


 扉の前、部屋の中央にでん、と置かれている。


 どうやっても見逃すことのありえない配置。

 まるで重要イベントでもしこまれているような――


「おおっ!? 宝箱か――なんかあやしいな」


 どうぞ開けてくださいと言わんばかりに置かれているのが、逆に怪しい。


 油断させておいて罠で爆死とか、いやらしいパターンか?


 ボスを倒して気を抜いているところに罠はセオリーだからな。

 いや、普通にご褒美なのか……!?


 わからん!

 どちらにしろ、開けない選択肢なんてないわけだが!


 こういう時こそ疑いの目を持ってのぞまねばなるまい!


 ……そっと、手裏剣を当てる。異常なし。

 バットの先でつつく。異常なし。


 ふうむ、普通の宝箱なのか……?


「よし、爆弾処理班、前へ!」


 生み出した分身が進み出て、配置につく。

 俺は扉まで後退し、安全な距離を取る。


 分身が宝箱を開ければ、罠があっても問題ないね!


 我ながら完璧な作戦じゃないか。

 分身、便利すぎるぜ!


 最初っから宝箱はこうやればよかったな!


 もちろん分身は、どんなに危険な作業を命じても、文句など言わない。



「さあ、宝箱を開け!」


 分身は指示通りに宝箱のフタに手をかけ、開けた。


 ――すると、宝箱から強烈な光があふれ出る。


「うおっ!」


 まぶしくて、目を開けていられないほどの光だ。

 光が分身の体を包み込む。


 ば、爆発か!? 閃光の罠か!?


 光が収まる。


 分身は――無事だ。

 俺も目が眩んだが、異常はない――


 ――そして、天の声が響き渡った。


<おめでとうございます! ダンジョンボスの初討伐を確認しました! クリア報酬が与えられます!>


<討伐者には……>


<……未知なるエラー! 討伐者が不明です!>

<再試行……未知なるエラー!>

<再試行……未知なるエラー!>


「な、なんなんだ? 天の声がバグった!?」


 ……なんかすごくマズイ気がするぞ!?


<再試行……未知なるエラー!>

<試行回数が一定値を超えました!>


「ちょ!? 大丈夫かコレ!?」


 クリア報酬? ボスの討伐者が不明だって?


 それを貰うべき俺でなく、分身に宝箱を開けさせたせい?


 分身は生き物じゃない。スキルで生み出された意思のない存在だ。

 人間でもモンスターでもない。ややこしい存在。


 でも戦闘にも参加していたと言えるし……箱を開けているし……。

 いよいよ微妙な状態だ。


 そのせいで……イベントが狂ったのか?

 本人が宝箱開けなきゃいけないなんてルール、聞いてませんけど。


 もしかして、やっちゃいましたかね!?

 致命的なヤツを……!?



<再検討中……。再検討中……>


 いやいや、なんだよそれ。


 ゲームじゃあるまいしね?

 ちょっとくらい想定外の出来事が起こってもね?


 ちゃんと報酬くれますよねえ!?

 報酬なしになるとかはマジで勘弁してほしいぞ……。



<再検討中……。回避策の妥当性を確認中……成功!>

<討伐者を【分身の術】のスキル使用者と認定>


「……おお? なんとかまとまった、のか?」


 俺の体が強い光に包まれる。

 そして、分身の体も。


<おめでとうございます! ダンジョンボスの初討伐を確認しました! クリア報酬が与えられます!>


<討伐者には、クリア報酬として【自律分身の術】【意識共有】が与えられます!>


 光が収まる。

 天の声はそれきり、黙ってしまう。


 どうやらスキルを付与してくれたようだが……。



 なんだったんだ、今のは――


「しかし、ビックリしたわ」

「いやいや、マジでな」


「え?」

「は?」


 分身と、顔を見合わせる。

 その顔には驚きの表情が浮かんでいる。


「えーーーーっ!?」

「えーーーーっ!?」


 分身がしゃべったんですけどー!?

そろそろ一章を終わろう……。まとめよう……。

と思っていたのに、当初予定していたルートにならない!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 分身にあけさせるから~ ほら、ダンジョンがパニクって、分身体にもあげなきゃってなっちゃったんだよ~(笑)←本当か?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ