表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

829/1494

死にスキルが活きるとき!

「再生能力しか取り柄のないお前なんぞ、戦いのジャマだ」

「役立たずが! てめぇは前から気に食わなかったんだ!」

「ともかくお前なんていらない! 顔も見たくないわ!」


 オカダはつまらなそうな顔で頭をかいている。


「取り柄なら他にもあるんだけどな……。やっぱりこうなったか……はあ」


 カミヤが言う。


「ねぇオカダ? 最後に役に立ってみる? ほら、そいつらを殺しなさいよ。そうすれば許してあげるかもしれないわ?」


 オカダがため息をつき、首を振る。


「俺に一人でやれって? この足で? ムリだろ。戦うのは好きだけど、無理やりじゃつまんねーんだ。エヌジーだよ!」

「そう? じゃあ、あんたなんかいらない! 今すぐ――自害しなさい!」


 カミヤの目が光ったかのように見えた。

 その瞬間、(自律)は視線を外す。


 うっ!?

 脳が揺らされるような感覚。

 電に撃たれたように、全身がしびれる。


 いかん!

 (自律)は床を蹴りつけるようにして痛みを味わう。

 痛みがわずかに理性を呼び覚ます。


 だが足りない。押し流される!


 ああ、今すぐ彼女を視界に入れたい!

 その目を覗き込み――声を聴き――足元にひれ伏したい!


 ……ダメだ!

 耐えろ! 忍べ!


「おおおっ!」


 (自律)は槍を自分の足に振り下ろす。

 強く――ためらいなく!


 石突きが足の指を砕く。

 激痛が走る。


「ぐうっ! はあはあ……!」


 理性を総動員して、荒々しい欲求に(あらが)う。


 これはカミヤが発したスキルだ。

 これまでとは違い、能動的(アクティブ)に発したもの。


 (自律)に向けられたわけではない。

 その余波だけでこれだ……。


 だがオカダは立っている。

 ちぎれた足を床に叩きつけたのか、床が血で汚れている。


「いつか……こうなると思ってたんだよカミヤさん。使い捨てにされるのはエヌジーだ!」

「え? なに言ってるの。私の話聞いてた?」


「話ならずっと聞いてたぜー? そこのレンちゃんは自分を燃やしてまで彼氏を守ろうとしてた。ハルちゃんは死んだやつのために怒ってくれた。ゼンゾウは敬意を払えって言ったよな。自分がやべーときに敵の心配してる場合かっての。とんでもない馬鹿――いや、おもしれー連中だよ!」


 カミヤが言う。


「え。ちょっと待って! なんの話よ? 勝手なこと言わないで!」


 オカダはとっくに目を覚まして機会をうかがっていた。

 場合によっては俺たちを背後から襲う準備もできていた。

 だがそうしなかった……?


 オカダは続ける。


「ダチってのは楽しくツルむもんだろ? カミヤさんたちのノリにゃついてけねーわ!」

「なによ! 私の言うことが聞けないって言うの!?」


「聞けないね! 俺の取り柄は再生能力だけじゃねえ。普段は使い道のないスキルだけどな!」


 カミヤが金切声を上げる。


「うるさいわ! ひれ伏して許しを請いなさいよ!」


 再び、スキルが発せられる。

 オカダはそれを受け、顔をしかめる。


 ひざを折り――

 いや――足を持ち上げて、切断面を床に叩きつけた。


 床にびしゃりと血が広がる。

 おお、見てるだけで痛そうだ!


「この時のために用意してたんだ! 俺が身につけていたのは耐性スキル……魅了耐性だよ!」


 耐性スキル!

 それで操られずにすんでいるのか!


 カミヤが頭をかきむしりながら言う。


「ああもうイライラするわ! お前たち、こいつらを殺すのよ!」


 全員が一斉に動き出す。

 戦闘再開だ!

活動報告にてキャラクター人気投票やっています!

期限は明日まで!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 悪が寝返り正義に目覚める王道展開!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ