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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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パーティーピーポー合流!?

 地下への階段を降りていく――


 扉の前にごつい男が立っている。


 男が制止するように手をあげる。

 例の門番風の声だ。


「あー、今日は貸し切りだ。招待客しか入れない」


 門番は怪訝そうな顔で俺を見ている。

 当たり前だが俺は女装などしていない。


 男がいるとマズいかな?


「友達に呼ばれてるんだけど……」

「ここでパーティーしてるんスよね? あたしたちはパーティーピーポーっス!」


 なんじゃそりゃ!

 リンは困ったような笑みを浮かべている。


 門番さんも困ってるよ!


「あー……」


 男がなにか言いかけたところで、ドアを開いて愛想のいい男が出てくる。


「おう、来たね! ハルちゃんの友達?」


 案内役の声だ。

 俺は笑顔を作って短く答える。

 どういう話になっているのかわからないからな。


「はい」


 案内役が片方の眉をあげる。


「あれ? 男友達もいるんだ?」


 俺はとぼけて答える。


「男はダメなんですか?」

「んー。まあいいやオーケーオーケー! 入っちゃってー!」


 案内役は迷うそぶりを見せる。

 だが問題ないらしい。

 男性客がいないわけじゃないしな。



 案内役が手招きし、門番に目配せする。


「入って入って。ほら、ぼさっとしてないでお通しして。スマイルだよスマイル!」

「は、はい。いらっしゃっせー」


 門番風の男がぎこちない笑顔で俺たちを通してくれる。


 店内に入ると、そこは豪華なクラブのような華やかな空間だ。



 ハルコさんが立ち上がって手を振っている。


「あっ! ゼンゾウ(偽名)さん、レン(偽名)ちゃん、トウコちゃん。こっちですよー!」


 俺はハルコさんに手を振り返す。


 ハルコさんの隣には見知らぬ美少女がいる。

 あれがエっちゃんか……。



 俺たちの偽名はショッピングセンターのときと同じだ。


 この呼び名は事前に話し合っておいたものだ。

 トウコはどうせボロが出るので偽名を使わない。


 ちなみにエドガワ君の偽名はタマガワ君の予定だった。

 なぜか女装してエっちゃんになっている。


 どうしてこうなった。

 二人のアドリブ……というかハルコさんの悪ノリだろうな。


 オトリ役が女性のほうが釣れると考えたのかな。



 ハルコさんはいつもより化粧が濃い……というより顔が整っている。

 かなりの美人だ。これはかなり(デコ)っているな!


 その隣でうつむいている()()()はエドガワ君だろう。

 俺たちを見てほっとしたような表情を浮かべている。



「お待たせしたっス!」

「ごめんねー。道に迷っちゃって……」


 トウコとリンの言葉にハルコさんが答える。


「こっちこそですぅ! 待ち合わせ中に誘ってもらっちゃってぇ……でも、すごくいいお店ですよねぇ?」


 俺は言う。


「すごいお店だけど……高そうだな」


 俺の言葉に案内役が答える。


「今日は俺のおごりだ。ハルちゃんのお友達なら大歓迎だよ!」


「やたーっ! あざーっス!」

「あ、ありがとうございますー」


 俺も含めて追加の三人もタダでいいのか……。

 ずいぶん太っ腹だ。


 しかしそんなうまい話があるわけない!

 ますます怪しい。



 ハルコさんが盛り上げるように言う。


「ねっ! すごくいい人でしょぉ? ヤバくないですかぁ!?」

「お店もきれーで激やばっス! エっちゃんも楽しんでるっスか?」


 トウコがニヤニヤしながらエドガワ君に振る。

 エっちゃんをいじるなって!


「……」


 エドガワ君がコクコクと無言でうなずく。


 見た目は完全に女の子だ。

 エドガワ君らしきテイストはあるが、女子にしか見えない。


 もともと線が細いので、デコって美少女にしても違和感はない。



 俺たちも席に着く。

 案内役がハルコさんに向かって言う。


「じゃ、とりあえず自己紹介してくれるかな? おっと、俺はオカダ。よろしくー!」

「どうもオカダさん。俺はゼンゾウと言います」


 案内役がリンを指さす。


「そっちの美人さんはなんて言うのー?」

「ええと……レンです。よろしくお願いしまーす」


 ハルコさんが言う。


「レンさんはゼンゾウさんの彼女なんですよぉー! 手を出したらダメですからねぇ!」

「へえ、そうなんだ?」


 リンがうれしそうに答える。


「その……はい!」


 ハルコさんのフォローは絶妙だな。

 リンは演技がうまくない。

 関係を説明してくれたおかげでやりやすくなった。



 案内役がトウコを見る。


「じゃ、そっちのかわいい子は?」


 トウコが笑顔で親指を立てる。


「こっちのカワイイあたしはトウコちゃんっス! いぇーい!」

「トウコちゃんは未成年だからお酒はダメですよぉ」


 トウコが口をとがらせる。


「ちぇー! パーティーなんだからオーケーオーケーっス!」

「ダメダメだろ! ジュースにしとけ!」


 案内役が俺に言う。


「お兄さんはトウコちゃんの兄妹かなにか?」

「言わば穴兄妹っス!」


「そんな関係じゃねーわ!」


 案内役が笑う。


「君たち、いいノリしてるねー! はははー!」


 ノリで未成年に酒を提供するな!

 そんな店があってたまるか!


「ともかく、トウコは酒を飲むなよ!」

「もちろん冗談(じょーだん)っス! ジュースでおねっス!」


 案内役が手を叩いてスタッフを呼ぶ。


「オーケー。ノンアルもあるからさ。この子たちにもドリンク持ってきてー!」


 俺たちの前にグラスが置かれる。

 小さなグラスに入った赤い液体――例のハイブラッドだ。


「じゃ、とりあえず乾杯しよっか!」

「……ああ」


 俺は戸惑いながらもグラスに手を伸ばす。

 さて、どうしたものか――

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[一言] 穴兄妹って謎造語すぎる…
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