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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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バブルなお店は違法営業で!?

 俺たちはイヤホンごしに店内の音声を聞いている。


「ありがとございまぁす! お兄さんのおごりなら安心ですねぇー」

「ハハッ! そうだろー? オッケーオッケー!」


 うまいなハルコさん。

 案内役の男はますます上機嫌だ。


 ハルコさんは案内役の機嫌を取りつつ会話を続けている。

 その言葉の端々から状況が見えてくる。

 俺たちに伝わるように会話してくれているのだろう。



 店はそこそこの広さがある。

 内装は豪華で、酒や食事もふるまわれている。


 高級店でタダで飲み食いできるって?

 そんなうまい話があるわけない!


 バブル期の日本や華麗なるギャッツビーじゃあるまいし。


 そもそもパンデミック禍の時短命令で深夜の営業は禁止である。

 違法かはさておき、ルール違反であることは間違いない。



 案内役の男は機嫌良くハルコさんと話している。


 エドガワ君は黙りっぱなしだけど大丈夫なのか?

 無口でシャイな子とハルコさんがフォローしていたが、よくバレないね。



 二人の会話からさらに状況がわかってくる。

 案内役は店に連れてくるだけではなく、接客も担当するようだ。


 他のテーブルも似た様子になっている。

 店側の人間と、その客たち。


 客の入りは多く、にぎやかだ。


 女性客が多いが男性客もいる。

 その場合は女性スタッフが接客しているらしい。


 女性向けのホストクラブとも、男性向けのクラブとも違う。

 妙な営業形態といえる。


 ふーむ。


「たしか被害者のDさんは男性だったよな?」

「はい、そうです。あれ? 売人さんも男のひとでしたよね?」


 トウコが興奮気味に言う。


「アッー! つまり売人はバイニンってことっス!」

「よくわからんことを言うな! 赤いクスリを買うだけの関係だろ……たぶん」


 リンはスルーした。


「人手不足だったんでしょうかー?」

「いや……そんなシステムの店はイヤだろ……」


 そもそも客引き(キャッチ)がそのまま席につくものか?

 まあ、なくもないか。


 でも女性キャスト(ホステス)が足りないから男性キャスト(ホスト)がかわりに出てくる?

 そんなわけないって!


 キャッチ兼、ホスト兼、ホステス。

 しかしてその正体は怪しいクスリの売人!

 さらにおそらく吸血鬼!


 謎すぎる!



 トウコが言う。


「お店の中がダンジョンになると思ってたんスけど、なんないっスね!」

「まだ音声が拾えるってことは、そうだな」


 通信が生きている。

 つまりダンジョンに呑まれてはいない。


「あとから広がるんスかね?」

「そう都合よく広がるか? うーむ。わからんな」


 人目のある場所にダンジョンは発生しにくい。

 本来はそうだ。

 だがショッピングセンター事件では人の多い場所に現れた。


 これまでの失踪事件でも人間――犠牲者が何人もいたはずだ。


 偶然、タイミングよくダンジョンが広がるわけではない。

 なにか仕組みがある。

 それも余裕があれば調べたい。


 だが、さすがに通信がとぎれたら突入する。

 情報収集より安全第一である。


 エドガワ君がいるから、よほどのことがなければ問題ないだろう。

 だが過信はできない。



 リンが言う。


「ダンジョンは別の部屋にあるのかもしれませんねー」


「あっ! VIP(ブイアイピー)ルームっスよ!」

「俺もそこが怪しいと思う。ダンジョン領域になっているか、ダンジョンの入口があるはずだ」


「悪性ダンジョンじゃなくて、普通のダンジョンかもしれませんよね?」

「普通のダンジョン? ないとは限らないが……」


 これまでのケースから考えると悪性だと思うが……。


暴食(ぼーしょく)みたいに入口を移動させているかもっス!」

「ゼンジさんみたいに管理者権限があれば、できちゃいますね!」


「そうだな。いろいろ制約はあるけど……」


 俺はすでにダンジョンの入口(転送門)を移動できる。


 これは管理者権限の力で、すでに試した。


「たしか、ダンジョンの中に人がいるとダメなんスよね?」

「そうそう。前に試したときは自律分身が中にいたから失敗したんだよ」


 あのあと、さんざん検証した。

 その結果、転送門の移動は成功した。


 もう条件はわかっている!


 二人の様子に耳を傾けつつ……。

 ダンジョンの移動について少し振り返ってみるか!

二年近く連載しているのに時間はあまり進んでいない。

パンデミック初期段階という時系列です。

(フィクションなので実在の人物、団体などとは関係ありませんが)

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― 新着の感想 ―
[一言] 次回、クロウ先生のダンジョン講座リターンズ はっじまっるよ~♪
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