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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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赤いお薬を追え!

 御庭が言う。


「僕もD君から話を聞いた。彼の言葉に嘘はないと思う。サタケ君、彼を保護した状況をクロウ君たちに話してくれるかな?」

「ああ。彼はごく普通の生活を送っていた。俺たちが訪れても逃げたり暴れたりもしなかった。そもそも犯罪を犯したわけじゃないからな」


 ふーむ。

 隠れていたわけでもないんだな?


 彼は追われている意識もなかったのか……。

 ということは、自分が噛みつき魔事件と関係があることに気づいていなかったのか?


 出入りしていた店で失踪事件が起きたことも知らないということか?

 あるいは認識阻害で忘れているか……。



 一応聞いてみよう。


「彼は身の危険を感じていなかったんですか?」

「そうだ。失踪事件について話すと、さすがに協力的になったがな」


 脅したよな? やってるよな?

 まあ、ツッコまないでおこう。


「彼が事件のあった店に行ったのはクスリを手に入れるためだった。本人は合法なクスリだと聞かされていたらしい。ふさいでいた気分が良くなるということで、常習的にクスリを購入していたようだ」


「おーっ! 例のカプセルっスね!」

「やっとつながりましたねー!」


 ショッピングセンター事件のときに手に入れた赤いカプセル。

 今日、俺たちが呼ばれた理由はこれだ。



 俺は言う。


「失踪事件や噛みつき魔の事件に、例の薬が関わっているってことですね?」

「正確には似た薬、だ……げほっ」


 御庭が言う。


「クロウ君が手に入れたカプセルと違って、こちらは粉末状の小袋で売られていたんだよ。成分分析の結果は、やはり血液だった。だけど血液型が違う。こちらはB型だ」


 血液型が違う?

 これはなにを意味しているんだろう。


 俺は少し考えて言う。


「……別人の血液だってことだな?」


 サタケさんがうなずく。


「ああ。これがドラッグのように売買されていたらしい。確保した被害者Dは、あの店で薬を買ったと(げろ)った」

「失踪事件が起きたお店にはクスリを買いに来ていたってことですね」


「ああ。薬を売っている店は毎回変わるそうだ。売人に連れていかれるらしい」

「Dさんは何度か、クスリを買っているんですか?」


「ああ。ひと月ほど前から常用していたという」

「ひと月か……それで、体に悪影響はなかったんですか?」


 赤いカプセルはヤバい薬だ。

 ポーションのような治療効果があるが、体に変化を起こしてしまう。

 ひと月も使い続けて無事だとは思えない。



 サタケさんが言う。


「被害者Dを検査したが体調に問題はなかった。むしろ健康とさえ言える」

「健康? ……副作用がない普通のクスリなのか? そんなはずないよな?」


「いや、副作用はある。禁断症状だ。ひどい喉の渇きを訴えている。薬を欲しがって落ち着かないありさまだ」


 サタケさんの言葉をエドガワ君が補足する。


「検査しましたが、薬物の反応はありませんでした」


 一般的なドラッグの成分は出なかったってことだな。

 原料が血液だから、科学技術では検出できないのか?


「ふむ……。ショッピングセンター事件のような変化は起きなかったのか……。成分が違うのか?」



 トウコが言う。


「たぶん効果がしょぼいアイテムなんスよ!」

「スキルや異能……あるいはファンタジー的な効果が弱いってことか?」


「同じお薬でもポーションと薬草では違いますよね?……それと似た感じでしょうかー?」

「ああ、そうかもなあ。原料である血液の元が違うんだし……」


 トウコが興奮した様子で言う。


「吸血鬼は年上のほうが強いっ! オヤクソクっス!」


 漫画やアニメならそうだが……。



 俺は御庭にたずねる。


「御庭、現実の吸血鬼もそうなのか?」


 前に御庭は、吸血鬼はこの世界に根付いた存在だと言っていた。

 異能者やダンジョンのように、一般には知られていない。


 知られていないが存在している。

 隠されているだけだ。


 吸血鬼という存在は、ダンジョンから出てきたモンスターとはちょっと違う。

 そもそもモンスターは外に出てこないからな……。



「うん。吸血鬼は年を取るほど強くなる。伝説や創作上と同じだね。僕も会ったことがあるけど、太陽を避けていたね」


 御庭は吸血鬼を知っているらしい。

 仕事柄、出くわすこともあるのか……。



 トウコが食いつく。


「うぇー!? あたしも会いたいっス!」


「おいおいトウコ……もう会っただろ!」

「キバオさんやキバコさんは吸血鬼だよね、トウコちゃん」


 会うどころか戦ったし!


 トウコが激しく首を振る。


「あんなんじゃなくてっ! イケメンかおねーさんがいいっス!」

「顔かよ!?」


 顔と強さは関係ないだろ!

 ショッピングセンター事件で見た吸血鬼の見た目は普通だった。


 ウラドの顔は見えなかったが……まさかイケメンなのか!?

 なんか腹立つな!



 御庭がぱちんと指を鳴らす。


「まあまあ、すぐに会えるかもしれないよ。――クロウ君たちには、この薬を追ってほしいんだ!」

「おお……やっぱりそうなるか!」



 赤いクスリの流れを追って、出所を突き止めるのが俺たちの任務ってことだな!

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― 新着の感想 ―
[一言] ここは係長クラスなのになぜか妙に威厳のあるボスが 「状況は以上だ。捜査に移れ」と指示を出し 捜査員が駆け出すシーンだね!
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