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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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赤いカプセルはヤバいお薬!?

前の展開で、名称変更は一日一回の縛りがあることを失念していました。

日をまたぐ描写を追加しました。

(大筋は変っていないので読み返さなくても大丈夫です)

 俺たちは公儀隠密(こうぎおんみつ)の拠点、会議室にいる。

 ホワイトボードを前に、御庭(おにわ)が言う。


「さて、クロウ君。今日来てもらったのは他でもない。例の薬について進展があったんだ!」

「えーと、薬ってなんスか?」


 トウコが聞き返す。

 リンがトウコに耳打ちする。


「ほら、ゼンジさんがショッピングセンターで見つけたカプセルで……」

「あー、キバオが落としたやつっスね!」


 大規模な悪性ダンジョン領域が広がったショッピングセンター。

 そこで人間を襲っていた吸血鬼が持っていたものだ。


 市販の風邪薬よりは少し大きい、赤いカプセル。

 どろりとした液体が入っていた。


 これを飲んだ吸血鬼(キバオ)は劇的な変化を見せた。

 傷が治り、力が強くなった。


 それだけじゃなく、どんどん肉体がふくれあがってしまった。

 薬の効果に体が耐えられなかったのか……グロいことになったんだよな。


 そういう、あからさまにヤバい薬である!



 御庭が言う。


「クロウ君から預かって成分を分析していたんだけど、その結果が出たんだよ!」


「おお! それで、どうだったんだ?」

「さて、クロウ君は何だと思う?」


 出たよ! 御庭クイズ!


 吸血鬼が持っていた、力を強化する薬。

 どろりとした赤い液体……。


「ポーションのような魔法の薬だと思うが……科学技術で調べても普通の成分しか検出できないんだよな?」

「その通りだよ! それで、なんだろうね?」


 ダンジョンや異能に関わる品物は科学的に分析できない。

 普通の物質として扱われる。


 認識阻害に似た世界の防衛力によるものらしい。


「なら……吸血鬼の血液じゃないか? 普通の成分なら、人間の血液ってことになるな」


 御庭がくいっと眉をつり上げ、俺を手で示す。


「正解だよクロウ君! さすがだね!」

「さすが店長! 吸血鬼ハカセっス!」


「なにがサスガなんだよ!? ぜんぜん専門家じゃねーし!」


 リンがぱちぱちと手を叩く。


「でも正解でしたね! おめでとうございますー!」


 御庭の横でナギさんが小さくため息をつく。



「正解なのはわかった。成分は人間の血液だけなのか? 興奮剤(こうふんざい)の成分はなかったのか?」


「あ、そうです! 【物品鑑定】では興奮剤でしたねー」


 ダンジョン内で調べた結果は興奮剤。

 回復薬とか肉体強化の薬じゃあないんだよな。



 御庭が言う。


「薬物は検出されなかった。麻薬やドラッグの成分も含まれない」

「ふーむ……」


 御庭が指を立てて言う。


「ちなみに血液型はA型。過去の犯罪とは一致しなかった」

「お、すごいな。そんなことまでわかるのか!」


 思ったよりまともな情報来た!



 トウコが身を乗り出す。


「おおーっ! 科学捜査(そーさ)っスね!」

「映画みたいですねー」


「成分の分析はまだしも、犯罪歴も調べられるのか……」

「そこはちょっとしたコネでね。僕らは秘密組織だけど、調べものくらい頼めるのさ!」


「へえ……。ちょっと感心したよ」


 公儀隠密は国の非公式な組織である。

 どこの省庁にも(ぞく)さない秘密組織だ。


 公には存在しないとされる。

 身分も保証されないし、公権力を振りかざせるわけじゃない。


 それはもはや公的な組織とは言えない。

 単なる謎の組織だよね。


 と思っていたが、コネで調べものができるんだな。



 御庭が嬉しそうに言う。


「僕らは忍者だから、情報収集は得意分野なんだよ!」

「違う気もするが、まあそういうことにしておこう」


 たぶんハカセの情報戦能力とか、国のデータにアクセスできるおかげだ。

 忍者は関係ない。


 まあ、組織の長たる御庭(忍者マニア)がそう言うなら、無理に否定はしない。

 そっとしておいてあげるのが優しさだ。



「それで御庭。カプセルの中身が血液だったってのはわかった。でも、俺たちを呼んだのはそれだけじゃないよな?」


 それだけなら電話やメッセージですむ話だ。


 御庭がまじめな顔で言う。


「さすがクロウ君! するどいね! 実は、これと似た薬が街に出回っているんだよ!」


「なんだって……!?」


 吸血鬼の血液らしきヤバい薬が出回っている……?

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― 新着の感想 ―
[一言] 吸血鬼は相手に嚙みついて血を流し込む事で眷属を作る事ができるというけれどもしかして薬で噛みつき省略…? そして眷属化したキバ男は薬を飲む事で強くなれる…?ふむ
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