表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

772/1491

VSボス戦! 前から後ろから……!?

「ギヒヒ!」


 背後に回り込んだゴブリンが下卑(げび)た笑みを浮かべる。

 【隠密】で隠れていたことから、いずれもゴブリンの斥候だろう。


 横穴からさらに剣を持ったゴブリンが数体現れる。

 これはゴブリン剣士だ。



 正面のゴブリンもそれに気づいて勢いづく。


「ウギッ!」

「アギャギャ!」


 それぞれに武器を振り上げ、一気に突っ込んできた!



 リンがあわてた様子で言う。


「か、囲まれちゃいましたー! ど、どうしましょうゼンジさん!」

「あわてるな! 後ろは俺が片付ける! リンとトウコは前を頼む!」


「はいっ! こっちを燃やしちゃえばいいんですねー!」

「りょ! うらうらぁー!」


 前は二人に任せておけば問題ない。


 判断分身もまだ残っている。

 二人から離れず、近くの敵を攻撃するよう条件を設定する。


 これでこっちはオーケー!



 俺は刀を構えて背後からやってきたゴブリンへと向き直る。


「さてと――こっちは俺たちで片付けるぞ! いけるな、(自律)!」

「おう! まかせろ、(本体)!」と自律分身。


 ゴブリン達の背後で自律分身が盾トンファーを構えている。

 挟撃してきたゴブリンをさらに挟み撃ちにする形だ。



 斥候ゴブリンがナイフを構えて突っ込んでくる。


「ゴブァ!」

「遅いっ!」


 ナイフを突きだしてくるが、それより俺の刀が速い。

 刀がノドを切り裂くと、ゴブリンはくずおれて塵となる。


「アギャッ!」


 二体目が俺の頭をかち割らんと、ナタを振り下ろす。

 俺は体の位置をわずかにずらし、それをかわす。


 すれ違うように一閃。わき腹を切り裂く。

 背後でゴブリンがどさりと倒れる。


 それを確認するまでもなく次の一刀。

 斬り返した刀がゴブリンを切り捨てる。



 その間に自律分身もゴブリンを片付けている。


 不意打ちを見破った時点で、もう脅威はほとんどない。

 斥候は戦闘が得意ではないからな。


「ギィッ!」


 剣士ゴブリンが剣を振り上げて踏み込んでくる。

 斥候に比べて、その斬撃は鋭い。


 だが――


「ファストスラッシュ!」


 スキルで加速した一撃がゴブリンの手首を切り裂く。

 ゴブリンが取り落とした剣が洞窟の床にぶつかって派手な金属音を立てる。


 その背後から、もう一体の剣士ゴブリンが躍り出て、剣を振り上げる。


「――引き寄せの術!」


 俺は手首を切ったゴブリンを手前に引き寄せる。


「ウギッ!?」


 不可視の力にひっぱられたゴブリンがたまらずよろけて、前に倒れる。

 二体目の剣士がそれにぶつかってバランスを崩す。


「アギッ!?」


 俺は刀を持ち変え、横なぎの軌道で大きく振る。


「フルスイングっ! かっとべ!」


 刀の峰がゴブリンの脇腹にめり込む。

 力を込め、さらに振り抜く!


 骨をへし折る手ごたえ!

 そのまま二体のゴブリンを、ノックバック効果でまとめて吹き飛ばす。


「アグゥッ……」


 ゴブリン達が壁にぶつかって塵と消える。



 別のゴブリンが俺へ向かって跳びかかろうとする。

 だが、そのノドをクナイが切り裂く。


「スキだらけで助かるぜ!」と自律分身。


「ウギッ!? ウギギッ!」


 ゴブリンたちは、きょろきょろと俺たちを見比べる。

 どちらへ向かえばいいのか悩んでいるのかもしれないな。


 背後を取られると、戦いは難しくなる。

 自分から仕掛けてきて混乱してどうする。


 ま、しょせんゴブリンだ。


「ウギーッ!」

「ていっ!」


 やけくそ気味に突っ込んできたゴブリンを切り捨てる。

 これで背後から襲ってきたゴブリンは片付いた。



 俺は振り向きながら言う。


「そっちはどうだ!」


 前から攻めて来ていたゴブリンの群れもかなり数を減らしている。

 もう少しだ!


 トウコが言う。


「もうすぐ片付くっス! ――うあっ!?」


 攻め寄せてくるゴブリン達。

 その背後から赤い光が走る。


 これは魔法攻撃――!

 仲間もろとも焼き殺すつもりか!?


 炎の波が走る。

 ゴブリンを燃え上がらせ、そのままトウコとリンを巻き込んでいく。


「アギャァァ!」


 ゴブリン達が炎に包まれ、もがき苦しんでいる。


 炎の波が通り過ぎる。

 煙がたちこめて、様子がよくわからない。

 ぶすぶすと煙が上がり、皮膚が焦げたような嫌な臭いが漂っている。


 しゃがみこんで動かない黒い人影。

 トウコの上にリンが覆いかぶさっている。


 がばり、とトウコが身を起こす。


「あじゃじゃー! あついっス!」

「トウコちゃん! 消火! 消火ー!」


 燃えたのは服の表面だけだ。

 リンがトウコに手を向けると、炎が小さくなっていく。


「あ、あざっス! あんにゃろ……!」



 トウコが、姿を現した敵に銃を向ける。


 通路の奥から姿を現したのは、三体のゴブリンだ。


「ゲヒャヒャ」


 杖を構えた呪術師ゴブリンが笑う。


「フゴォー!」


 戦士ゴブリンが鉄の盾をメイスでガンガンと叩く。


 そして、その後ろを悠々と歩いてくるのは体格のいいゴブリンだ。

 毛皮のマントを羽織り、手斧を肩に担いでいる。


 そいつが吠える。忌々しいあの声だ!


「ウゴォァー!」


 でたな!?

 こいつが統率者(リーダー)――ボス個体か!

ご意見ご感想お気軽に! 「いいね」も励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 炎の魔法で丸焦げにならないとは…スーツ強いな!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ