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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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偵察結果の共有! ヤバい道にはアレがある説!?

「で、どうだった?」と自律分身。

「ああ――」


 俺は【瞑想】しながら状況を説明する。


「あの先も道は続いていたんだが、足場が完全になくなって水路になってしまうんだ」

「歩けるところは、無くなっちゃうんですねー……」


「だから、壁伝いに進んでみたんだが、その先にデカいクモが巣を張っていてな――」

「そいつは倒したんスか?」


「なかなか強敵だったが、なんとか追い払った。水に落ちて流れていったぞ」と俺。

「魔石は回収できたか?」と自律分身。


「いや、たぶん倒しきれてないんだ。クモの巣も消えなかったし」と俺。


 トウコが首を振る。


「あー、そういう場合は倒せてないっスね! どーせ、あとで出てくるっス!」

「まあ、お約束だな」と俺。


 川に落ちた奴、たいてい死んでない説!



 リンが俺の様子を見て安心したように言う。


「でも、おケガはないみたいですね! よかったー」

「ああ。ケガはない。ちょっと疲れただけだ」


「なにかトラブルか?」と自律分身。

「クモの糸を吐きかけられてな――」と俺。


 反発の術のくだりを説明する。



「やっぱり一人だと危ないですね! 心配です!」

「リンの索敵やトウコの火力がいかに重要かわかるな」


 リンが柔らかく笑う。


「ふふ。お役に立てていたなら、うれしいです!」


 トウコがどや顔で胸をそらせる。


「もっと感謝してくれていいっスよ!」



 トウコが思いついた顔で言う。


「あっ! いいことに気づいたっス!」

「なんだよ?」と俺。


「わざと力を込めてスキルを使えば、すぐに熟練度がたまるんじゃないっスか!?」

「たぶん関係あると思うけど……魔力酔いで頭が痛くなるから、実戦ではおススメしないぞ!」


 一度に魔力を使いすぎると体調が悪くなる。

 さらに使い続ければ魔力欠乏(まりょくけつぼう)状態になって気絶する。


 実際に体験したことはないけどな。

 リアル・ダンジョン攻略記の受け売りである。


「そっスねー。アレはけっこうキツいっス!」

「ずっとごはんを食べてないときに似てますねー」


 ごはん食べてないときって……。

 ダイエット的なやつか? もっとハードななにかか?

 追及しないでおこう。


「トウコ。攻略中に試すのはやめておけよ?」

「わかってるっス!」



 自律分身が言う。

 だいたい、俺が考えたのと同じ結論だ。


「この手の通路の先にモンスターがいるなら、ちゃんとしたルートなんじゃないか?」と自律分身。

「俺もそう思う。まあ、行き止まりって線もあるが」と俺。


 一見進めなそうなルートがあるなら、見落とした横道もあるかもしれない。

 拠点に戻ったら管理コンソール(モノリス)で地図を確認しよう。



「じゃあ、今からみんなで行くんスか?」

「いや、今日は無理だ。足場がないからな!」


 泳いでいくわけにはいくまい。


 【壁走りの術】は一人用の術だ。

 重量制限があるから他人は運べない。


「ゼンジさん。一人で行くのはダメですよ?」

「わかってる。行くときはみんなでだ。準備が必要だから、次回だな」と俺。


 今は物資がない。

 魔石からでも【忍具作成】はできるが、ひどく率が悪い。


「準備か。なにが必要そうなんだ?」と自律分身。

「そうだな。まずは長いロープがたくさん。あとは船を作るか、壁に足場を作るか……。どっちにしろ木材が必要だ」と俺。


「ここまで運ぶのは手間だなぁ。狭い通路を何往復もしなきゃいけない」と自律分身。


 トウコがイヤそうに言う。


「うえぇー? 面倒っスね!」

「運ぶのは分身だ。行ったり来たりするのが面倒なのはしょうがない」


「ま、そうまでして進む価値があるかって話ではあるな」と自律分身。

「行ってみたら行き止まりかもしれないからな。でも、なにかありそうだろ?」と俺。


 トウコが目を輝かせる。


「あ、お宝っスね!」

「ああ。厄介な場所にはお宝がある法則だ!」と俺。


 ゲームや映画でよくあるやつ。

 宝を守るボスを倒す展開。


「このダンジョンでも、宝箱を開けたらゴブリンが襲ってきたことがあるな」と自律分身。

「薬草の宝箱っスか? 敵もお宝もショボいっス!」


「ショボくて結構! 低階層なら薬草だって役に立つし、あんまり強い敵が出てきても困るわ!」と俺。

「安全第一、ですねー」


 リンの言葉に俺と自律分身がシンクロしてうなずく。


 もっとドラマチックな敵が出てほしいかと言えば違うんだよな。

 楽に倒せるゴブリンでいいのだ!



「うえっ!? 薬草て!? だって船まで作って行くんスよ?」

「トウコちゃん。やることに意味があるんじゃないかなー?」


「うむ。お宝があろうが無かろうが、経験値にはなる」と俺。


 あと、マップをきっちり埋めたいし!

 踏破していない通路があると気になってしまうのだ!


「その上、薬草でも手に入ったらラッキーってことだな」と自律分身。

「せめてポーションくらいは欲しいが、まあそういうことだ!」と俺。


「あたしは強い敵と戦ってでも、イイモノもらいたいっス!」

「ハイリスクハイリターンか。まあ、復活できるならアリだけどな。死んだら終わりだ。安全第一でいく!」


「ちぇー! しょーがないっスね!」


 俺たちは冒険者でも探検家でもない。

 管理者権限の取得という目的はあるが、それよりも命が大切だ!

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[一言] 川or池ポチャした奴は死んでないの法則…それを見抜くとは!やるな
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