すすめ! 洞窟探検隊!
そうこうしている間に、自律分身の服の補修も進んでいる。
トウコは自律分身の全身にペタペタと包帯テープを貼っていく。
それなりに被弾していたようだな。
やはりコウモリの爆撃は厄介だ!
「できたっス!」
「サンキュー。痛みもマシになったぞ!」と自律分身。
変則的な包帯でも【応急処置】の回復効果が適用されたようだ。
「ちゃんとケガにも効くんだー。すごいねトウコちゃん!」
「へへ! めずらしく役に立ったっス!」
ポーションのせいで影が薄くなりがちな【応急処置】。
こういう軽いケガにはちょうどいい!
「応急処置さまさまだな!」と自律分身。
自律分身が大きくうなずく。
ん……?
俺はその動きに違和感を覚える。
なにかちらっと見えたんだが……。
【暗視】は細部が見えにくいのが難点だ。
じっと目を凝らす。
ああ……。包帯にスキマがあって肌が見えたのか。
なるほど……粘着剤がない部分か!
「あー、トウコ。すまんがこのへん、もうちょい貼ってくれ」
「あれぇ? 肌がチラ見えしてるっス!」
使ってみないとわからないよな、こういうの。
改善の余地があるな!
「両サイドにしか粘着剤はないから、タテヨコ逆にしてふさぐ感じで貼ってくれ」
「あー、そっスねー! ほい!」
「サンキュー」と自律分身。
「ずいぶんと包帯だらけになったな」と俺。
自律分身が自分の体を見る。
「……このまま攻撃受け続けると服が全部包帯になるのかな?」と自律分身。
「はは。全裸になるよりはいいだろ」と俺。
「はじっこにスキマができるんで、次は長めに貼るっス!」
ぴったりしたサイズに切ると端にスキマができる。
なら長めに切れば問題ないってことか。
ザツな解決法だけど、鱗粉の侵入を防ぐためなら充分だな!
普通の包帯とガムテープの組み合わせでいい気がしてきたが……。
まあ、応急処置ってことでヨシ!
幾度かの戦闘をこなし、順調に探索は進んでいる。
「お、分岐があるな!」
「どちらに行きますか?」
「とりあえず分身を送ってから考えるか」
「どっちでもいいっスけどー」
判断分身を両方のルートへ送る。
しばらくして――
「右から爆発音っス! コウモリがいるみたいっスねー」
「んじゃ、そっちに行こう」
「あれ? 敵がいないほうに行くのかと思ってましたー」
「敵がいないルートが正解とも限らないしな。挟まれると面倒だから、近いほうから叩く!」
「いいっスね! どんどん倒すっス!」
「たまにはそういうのもいいですねー」
いつもなら戦闘を避けることもある。
この階層ではそれはできない。
やり過ごしても敵は減らない。狭い通路で前後から挟まれては不利だ。
ならば、かたっぱしから倒してしまえばいい!
コウモリを撃ち落とし、ゴブリンを蹴散らして先へ進む。
「水量が増えてきたな」
「川みたいになってきたっス」
「滑らないように気を付けないと……きゃっ」
バランスを崩したリンを支える。
「あ、ありがとうございますー」
「おう」
足場が悪くなってきた。
別にリンが不注意なわけじゃない。
ステータスやスキルの差だ。
俺とトウコは敏捷のステータスでバランス感覚や素早い動作が補強されている。
【歩法】などのスキルもある。
リンも【モデル】のなかに【ウォーキング】があるらしいけど。
トウコは軽快に歩いていく。
「この道、ちょっとくだり坂っスねー。よっと!」
「ふざけて水に踏み込むなよ、トウコ」と自律分身。
「しないっスよ!」
流れが早く、足を取られてしまうだろう。
どんどん水量が増えてきて、足場より水の流れのほうが増えてきた。
このルート、大丈夫なのか?
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