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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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安全第一! アレ第二! 十三階層突破!?

「順調ですねー」

「ああ。ヘルメットと服のおかげで多少の被弾は問題ないな」


 俺は自分と二人の服を確認する。


 うん。破れていない。


 俺は小さくうなずく。

 トウコは残念そうに口をとがらせる。


「ちぇー。リン姉の服がやぶれてないっス!」

「破れなくていいんだよ!」


 優先順位おかしいだろ!


 安全第一!

 エロ第二くらいだ!


 いや違う!



 リンはスルーした。


「今回はケガをせずにすみそうですねー」

「ちょっと痛いが、そんなもんだな」


 服を通して衝撃が伝わるが、ケガをするほどじゃない。

 当たり所が悪ければアザくらいにはなるかもしれないが、薬草で治る程度だ。


 リンはそもそもケガをしていない。

 モデルの防御力だ。


 トウコが笑顔で言う。


「そうそう! こんなん痛いうちに入んないっス!」

「いや、痛いけど!?」


 痛さの基準が違いすぎる!?


 トウコには【苦痛耐性】もあるし、ケガの治りも早い。

 それに……もっと激しいケガを散々してきたからな……。



「店長の微妙(びみょー)トンファーも役に立ったっスね!」

「微妙じゃねーわ! 普通に役立ってるよ!」


 盾に損傷はない。当たり前だが頑丈だ。


 トウコが顔を緩ませる。


「密着作戦はいい感じっス! うへへ!」

「そ、そうね。でもあの……ゼンジさんばっかり危険な目に合わせるのはどうなんでしょう? 私が前に出たほうが……」


 コウモリは連続してフン爆撃を行えない。

 一匹のコウモリが爆撃できる回数は限られている。


 耐え忍んでいれば攻撃は止む。

 なるべく密着して爆撃が過ぎ去るのを待つ作戦だ。


 防御面で優れるリンが前に立つのが最適ではあるが……。


「いくらなんでもリンの後ろに隠れるのはなぁ……」

「いいえ! 私、頑丈だから大丈夫です! 次は交代しましょうね!」


 リンは腕まくりをするジェスチャーをして、真面目な顔でじっとこちらを見ている。

 有無を言わさぬ感じ!


「お、おう。じゃあ交代しよう。盾を使ってみるか?」

「はいっ!」


 リンに盾トンファーを渡し、持ち方を教える。


 別に忍具だから俺しか使えないわけじゃないしな。

 魔法使いだから武器や防具を持てない縛りもない。


「こうですか?」

「もうすこし脇をしめて、両腕を平行にする感じだ。そうそう!」


 両手の盾をぴったり合わせるようにして隙間がなくなるように構える。


「じゃあ店長はもっとリン姉に密着っス! ぐいぐい!」

「おい、押すな! いま密着してどうする!」


 まだ敵は来ていない!

 いまは練習だ!


「あの……いつでも。じゃなくて……そう! 隠れる練習をしておきましょう!」

「くっつく練習(れんしゅー)っス! 練習した動きが本番で出るんスよ! 本番で!」


「なんの練習だよ!?」

「そりゃ本番で出すれんしゅ――」


「あっ! 来ましたよ! トウコちゃん!」

「チャージ! ――どーん!」


 そういう調子で細い通路を進んでいく。

 リンを先頭にした防御陣形もいい具合だ。


 頑丈なリンは被弾してもアザすら残らない。

 格好はつかないが合理的だ。



 索敵するときは帰り際にやったように、判断分身を走らせる。


 分岐があれば全ルートへ放つ。


 普通の分身は遠くに行くと操作が難しくなる。

 その点、判断分身なら操作は不要。


 壁沿いに進めと命じれば、その条件通りに判断して進み続ける。


 俺の視界から外れていると、分身の居場所や周囲の状況は把握できない。

 分身には知覚がないから先の状況はわからない。


 しかし囮にはなる。

 進んだ先で攻撃を受ければ戦闘音でそれとわかる。


 近距離はリンの【魔力知覚】で索敵。遠距離は俺の分身で索敵する。

 トウコの【聴覚強化】はこの狭い洞窟だと音が反響するため、やや鈍っている。


 こうして慎重に進んでいく俺たち。


「お、階段か!」

「ゴールっス!」

「十三階層、突破ですね!」


 こうして俺たちは十三階層の狭い通路を抜け、階段を発見した。


 いざ、十四階層へ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 素の防御高いなら実際リンちゃんさん索敵兼タンクでいいような…? 流石に盾は大きめのものがいりそうだけど
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