表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

756/1495

まあまあとは、ちょうどいいということ!

 新武器、盾トンファーでゴブリンを蹴散らした。

 魔石を回収して腰袋に入れる。


「新しい武器もいい感じですねー」

「うん。まあ使えそうだな!」


 そう答えはしたが……最高ではない。

 それなりに使えるって感じなんだよな。


「まあまあっスよね? パンチじゃ威力がイマイチっス!」

「トウコちゃん……言い方!」


 イマイチというかマアマアと言うか。

 似たようなものだ。


「いや、実際トウコの言う通りだ。イマイチでまあまあ。それなりの武器だな」

「そうなんですか? すごくカッコよかったのに……」


 リンはひいき目に見ているからな。

 まあ、悪い気はしないけど。


「カッコよさはまあまあだったっス!」

「見た目はどうでもいいけどな。使い勝手はいい。回避の邪魔もしないし防御が安定する。だけど攻撃力がイマイチなんだよ」


「ふつーのトンファーのがいいっスか?」

「武器としてはいつものトンファーのほうがいいな。でも、これは盾の仕事もできるから総合力としては悪くない」


 従来のトンファーは拠点の装備展示ラックにある。

 あれはあれで気に入っているので、このトンファーの素材にせず残している。

 用途によって武器は使い分けたいし。


「ははっ! 新武器だから強いのかと思ったのに微妙(びみょー)っスね!」

「バランスがいいと言え! 攻撃特化の武器じゃないから、こんなもんでいいんだ!」


「攻撃力なら、いつもの刀のほうがいいんですかー?」

「ああ。当たり前だが刃物は強いってことだ!」


 リーチにしろ遠心力にしろ、一歩劣る感じがする。

 まあ、当たり前である。


 刀は強武器だし、使い慣れている。

 比べる相手が悪い。


「でも、盾として役に立つのはこれからですよねー?」

「ああ。これは回避ができない通路、十三階層で真価を発揮する!」


 ――という予定だ!


 この階層には回避できる広さがある。

 もっと盾で受ける戦いを練習したかったが、どうしても避けてしまう。


 実戦ではしみついた動作――訓練した動きが自然と出るのだ。

 良くも悪くも避ける戦いが俺のスタイルである。


 さっきの戦いではつい、いつもみたいに避けてしまった。


 狭い十三階層でこそ活躍するだろう!



 俺たちは十二階層を進んでいる。

 順調に進みながら会話を続ける。


「なんで刀と盾にしなかったんスか?」

「ん? ああ、俺の刀は片手で扱うから普通の盾を持つのもアリだよな」


 いわゆる剣盾スタイル。

 片手剣と盾というのは鉄板の組み合わせだ。


 盾で防いで剣で斬る。

 やることは刀でも同じだ。


「狭いからですか?」

「それもある。人一人通るのがやっとの幅だから大きな盾は邪魔になる」


「広ければでっかい盾がいいっスよね!」

「そうだな」


 コウモリのフン対策として作ったタワーシールドが持ち込めれば、対処が楽になる。

 しかし狭い通路では取り回しが悪い。つっかえて通れない状況もありえる。


「なら素直に小さい盾を作ればよかったっス!」

「いちおう考えたんだよ。バックラーとか、楯火炬(たてたいまつ)とかさ」


 バックラーはファンタジーでおなじみの小型の盾である。

 ナベのフタのような形状だ。


 丸い盾で直径五十センチほど。

 まあまあ大きい。

 小さめに作ることもできるが、当然カバーできる範囲が狭まる。


 三十センチくらいにすれば狭い通路でもなんとか使えるだろう。


「たてたいまつ?」

「なんスかそれ?」


「忍具の一種で盾の前にロウソクを立てられる品なんだが……」

「作ったんですかー? 見たいです!」


「作ってみたが微妙でな……今回は持ってきてないんだ」


 試すまでもなく、実用性が疑わしい感じ。


「じゃあ帰ったら見せてくださいねー!」

「おう」



「じゃあバックラーはどうっスか?」

「バックラーは作らなかった」


「なんで作らなかったんですかー?」

「だって、忍者っぽくないだろ?」


 トウコがあきれたような声を出す。


「うえぇ!? そんな理由っ!? ならタワーシールドも忍者っぽくないっス!」

「もちろん忍者感だけが理由じゃないけどな。戦う場所が狭くて、フン爆撃対策だからだ」


「盾ならなんでもいいんじゃないっスか?」

「盾トンファーなら腕全体を守れる。両腕を上げれば上半身をカバーできる。狭い場所で降ってくるフンを防ぐには最適だろ? こういう姿勢だ」


 俺はトンファーをボクシングのガードのようにトンファーを構える。

 盾トンファーの横幅は腕よりも広くて、横に張り出している。

 普通のトンファーとは違い、腕全体が隠れるわけだ。


「あ、けっこう広い範囲が守れるんスね!」


 正面から見て顔から腹までが守られる。

 この状態でさらに腕を上げる。ひじを目の高さに上げるくらいだ。


「こうすれば頭から顔くらいが守れる。爆撃を防ぎながら、狭い通路を進むにはちょうどいい」

「たしかに安心ですね! 狭い場所も通れそうです!」


「体を横にしなきゃ通れないような場合は片手だけ上げたりもできる」


 大きな一枚の盾よりも、細長い二枚の盾のほうが取り回しがいい。


「なら最初っから鎧を着こんじゃえばよくないっスか? 全身守れるっス!」

「鉄の鎧って話か? それは最初から除外している」


「なんでっスか?」

「重くて動きにくいし、狭い場所にはさまったら悲惨だぞ?」


「それは怖いですね……。ダンジョンの奥にはさまっちゃったら、誰も助けてくれません」

「狭いところで鎧を脱ぐのは難しいだろうしな。その点、盾なら手を離せばいいだけだ」


「ヘルメットが挟まったらどうしましょうか?」

「蛾がいるかぎり、ヘルメットを脱いだら毒で動けなくなるしなぁ……」

「気をつけるしかないっスね!」


「ああ。気をつけろよ、トウコ!」

「あたしっスか!?」


 トウコが心外そうに言う。


「ショットガンを通路につっかえさせてたじゃねーか!」

「そっスね! 気をつけるっス!」


「あ、階段ですよ!」

「よし! 実際にやってみて通用するか試そう!」


 話している間に十二階層を突破した。

 盾トンファーやヘルメットが活躍するはずだ!


 ――してくれ!

ご意見ご感想お気軽に! 「いいね」も励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 剣と盾は忍者っぽくないなぁ… 刀とトンファーは斬撃か打撃どちらが有効かで分け攻撃主眼か防御主眼かでも使い分けがききますな。 忍者なら手裏剣や苦無握り込んで殴るのもアリ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ