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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
一章 ステイホームはダンジョンで!

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防具は重い……? 工夫次第です! そう、ワイヤーならね! 【装備】【ワイヤー防具】

ダンジョン攻略するはずがひたすらクラフトしている件……!?

今回でクラフト回は終了です!

 鎖をワイヤーに置き換えるアイデアは他にもある。


 防具の鎖帷子(くさりかたびら)だ。


 これは史実でもゲームでもお馴染みの防具だ。

 実際は結構重い。

 軽くて数キログラム。重ければ10キログラムを超える。


 俺にそんな重さは邪魔だ。

 軽快な動きを損ねてしまう。


 だがワイヤーは軽い。

 1メートルで10グラムを切る。

 編み込んだとしても、鎖に比べて軽量だ。


 飛んだり跳ねたりする動きを邪魔しない!


「そう、ワイヤーならね!」



 鎖帷子の場合、下に分厚い肌着を着込む。

 打撃に弱いので、衝撃を吸収するためだ。

 外側にも布が必要になる。髪の毛が絡んだりしては困るからだ。


 でも大丈夫!

 服の内側にカタビラ部分を仕込んでしまえばいい。


 そうすれば、肌触りも見栄えもいい。

 見た目上は防具に見えないのもポイントだな。



 これで、ワイヤー帷子の原型ができた。


「だが、ただの鎖帷子(ワイヤーかたびら)だけじゃ終わらないぜ!」


 編み方にも工夫をするのだ。


 ワイヤーをより細く、しなやかに加工する。

 極細のワイヤーを蜘蛛(くも)の巣状に編むイメージ。


 蜘蛛の巣は細い糸だが柔軟だ。

 昆虫が衝突しても、衝撃を吸収してしまう。


 衝撃を受けると、クモの巣の一部は破壊される。

 そうして、意図的に衝撃を逃がすのだ。


「やっぱり、虫や動物の能力ってすごいよなあ……」


 よく考えられている。

 何千年、何億年という進化のなかで磨かれてきた技だ。



 この蜘蛛の巣構造で編んだ極細ワイヤーを、さらに何層にも重ねる。

 重ねることでさらに強度が増し、クッション性も付与される。


 切断に強く、刺突には弱い。

 打撃には多少耐えられる。


 万全な防御力とはいえないが、軽くて動きやすい。


 俺は被弾しない前提のスタイルなので、これでいい。

 当たらなければどうということはないのだ!



 ということで、蜘蛛織(くもおり)ワイヤーを使って軽量な防具を作る。


「作るのはやっぱり……忍び装束だ!」


 鎖帷子として着込むのではなく、服全体をワイヤーで補強する。


 関節や可動部は薄く、攻撃を受けそうな部分は厚く。

 そうすることで動きやすさも損なわれない。



 これまで、俺は黒っぽい洋服で戦ってきた。

 ついに、ユニフォームを作るのだ。


 形状は和風の忍び装束に近くするつもりだ。

 でも、完全な和風にすると使いにくいので、多少は洋風要素もある。

 ポケットとかね。


 漫画的な忍び装束は、忍者丸出しな服装だ。

 一目でそれとわかるコスチュームだ。


 例によって忍んでいない状態になってしまう。


 現実的な忍者は、バレないよう変装する。

 編み笠で顔を隠し、商人や農民に化ける。


 動きやすいように配慮され、特殊な装備など身につけない。

 現実の忍者もやっぱり地味。

 バレないのが優先。



 忍者の制服みたいな格好は創作のものだ。


 俺が作る忍び装束はこっちでいい。

 外では着ないから、怪しまれる心配はいらない。

 どうせなら、ニンジャ感があるほうがいい。


 もちろん、背中や胸にでかでかと「忍」とプリントしたりはしない。


 無地で、地味。

 目立たないことを第一にする。



 ただのコスチュームではない。

 実用性を求めていく。


 頭部は頭巾(ずきん)でなく鉢金(はちがね)にする。


 これは以前に作ったものを蜘蛛織(くもおり)ワイヤーで補強する。


 服は忍び装束の上下だ。


 上衣(うわぎ)はポケットを多めにする。

 ここに丸薬や投げモノを仕込んでおいて、とっさに取り出せるようにする。


 (ふところ)から中身がこぼれないよう、ゴムのように伸び縮みするよう加工する。


 手甲は金属で補強する。

 ちょっとした攻撃を防げる程度の強度を持たせ、それでいて軽量に。

 金属の構造を蜘蛛織ワイヤーに似たイメージにする。


 いずれは、手甲もいろいろ加工していきたい。

 ジャキンと伸びる爪、手首から刃物、グラップルワイヤーの射出……。

 夢は広がるばかりだ。


「え? むずいから勘弁? ガンバレ。頼むぞ忍具作成君!」


 複雑な加工をイメージすると、不満げな手ごたえを感じる。

 スキルに意思があるわけではないだろうけど……俺がそう感じるのだ。



 手袋も強化しておこう。

 今はコウモリ素材の指先の出た(オープンフィンガー)手袋(グローブ)を使っている。

 指先を出しているのは器用さを損なわないためだった。


 もう、投擲にも武器にも慣れてきた。

 手袋を指先まで覆っても大丈夫だろう。

 ダメなら戻す。作ってから直すことも可能だ。


 この手袋もワイヤーを埋め込んで強度を増す。

 手の甲側を厚く、平側は器用さを損なわない薄さに。


 指先を出さないのは、ワイヤー分銅の操作などで指先を傷つけないためだ。

 自分の指を切ったりしては目も当てられないからな。

 安全第一。



 下半身は袴ではなく、ズボンに近い。

 とび職が着ているニッカポッカに近いが、それほどダボつかない。


 足の動きを妨げないように緩めに。

 やわらかく、伸縮して、ダブつきすぎない。

 ポケットを多めにしておく。


 裾はすぼまっていて、足運びを邪魔しない。


 靴も見直す。

 いつも()いている「安全エアー地下足袋(じかたび)」の強度もさらにワイヤーで補強。


 これで「安全エアーワイヤー地下足袋」だな。

 長い、長すぎる。


 忍者は足袋の底に厚い綿を入れて音を消していたらしいが、これはすでに空気のクッション入り。

 加工するまでもなく完成している。

 スゴイな現代の商品!


 さらに(すね)を守る脚絆状のプロテクターを追加する。

 これはコウモリ革を使う。



 この頃は荷物が増えてきて、腰袋の収納に限界が近い。

 棒手裏剣を取り出しやすいように、ポーチを追加する。


 ベースは釘袋だ。

 取り出しやすいように、何本かが抜き出せるように頭を出している状態。

 アクロバットな動きをしたときに中身が出ないよう、取り出し口はある程度締め付ける。

 サイズの違う五寸釘と三寸釘が混ざらないように二層構造。


 これを銃のホルスターのように腰に吊る感じだ。

 小さめにして、腰袋と干渉しないようにする。



「だいぶ欲張ったが……イメージはできた。一つずつ作成していこう! 頼むぜ忍具作成(ブラザー)!」


 俺は一つ一つ丁寧に、イメージした新装備を作っていく。

 【忍具作成】の頑張りもあって、装備が完成する。


 出来上がった装備を身に着け、動きを確認する。

 邪魔をしたりサイズの問題はない。



 出来上がった装備はすべて黒。

 俺の装備はすべて黒一色に統一している。


 現実では、夜でも真っ暗になることがないから黒では目立ってしまう。

 そのため忍び装束は濃紺(のうこん)色が多かったらしい。


 ダンジョンの中はかなり暗いので、色は黒でいい。



 映えない? 目立たない?

 それでいい。それがベスト。

 それが俺の目指すスタイルだ。


 漫画では忍者は忍ばないものだ。

 しかし、俺はしっかりと忍ぶ地味な忍者を目指す!



「よし、完璧! これで五階層攻略へ乗り出せるぞ!」

次回、ダンジョン攻略再開!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 忍びクラフト、ワクワクして読みました! 虫除け・蛇除けにもなる藍染めも捨てがたいけど、真っ黒の墨染めのほうがカッコいいのだ! うん、NINJAだから仕方ない(苦笑) ワイヤー → 鎖帷…
[一言] 墨染めの黒 と、言われるけど、黒は染めるのに金が掛かるが、藍は、防虫もされるし、濃く染めても、黒ほど、金が掛からないし、洗えるし、何が良いって、やっぱり、虫除け 潜む忍者に集ってくる虫…
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