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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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協力体制を築こう! 交渉は難しいね!

 俺は自律分身の体験を読み取った。

 時間にして数秒。そう長い間ではない。


 自律分身と長髪は賭けをした。

 先に出てくるのがどちらかという賭けだ。

 俺が先に出てきたから俺たちの主張が通ることになる。



 俺は長髪に向き直る。


「……状況は理解した。俺たち公儀隠密と、あんたたち()()()()とで協力することになるな?」


 一緒にダンジョンに対処するって約束だ。


「そうだ。キリトと話したのか?」

「ああ。あまり会話にはならなかったけどな」


 長髪はやれやれと、ため息を吐く。


「まあ、そうだろうな。それはそうと、これを外してもらえないか?」


 長髪はサングラスを指さす。

 まあ、顔が見えないと話しにくいよな。


「ハルコさん。解除してやってくれ」

「えぇ? いいんですかぁ?」


「ああ。これから協力するんだから歩み寄らないとな」

「はぁい。消しましたぁ」


 視界を遮るサングラスが消えた。


 長髪が俺を見る。

 視線は鋭い。値踏みするように俺を見ている。


 それでも敵意――攻撃する気はなさそうだ。


「助かる……俺も剣を収めよう」


 エドガワ君に刺さっていた剣が抜ける。


「いたっ……」

「だ、大丈夫ですかぁ?」


 ハルコさんがカバンからハンカチを取り出して傷口にあてがう。

 すぐに死ぬような傷ではないが治療は必要だろう。



 俺は長髪に言う。


「では俺も武器を収める。――戻れ!」


 構えていた刀をおろし、手に下げる。

 背中の鞘には戻さない。


 それと同時に、クナイを突きつけていた判断分身が俺のそばへ戻ってくる。

 あえて口に出して分身に命令したのは能力を隠すためだ。


 長髪の剣は床に転がったままだ。

 だが……いつ動くかわからない。


 警戒しておかなきゃな。

 判断分身に防御を命じておく。


 剣を消すか、しまうように言ってもいいが……これは見逃そう。

 今は詰めるタイミングじゃない。

 交渉は強気で攻めるばかりが正解ではないからな。



 長髪がしみじみと言う。


「しかし……まさかこんな隠し玉があったとはね」


 隠し玉とはハルコさんのことだ。

 幻に隠れていたこともそうだし、サングラスもそうだ。


 直接的な戦闘力はないが、サポート能力は高い。


 さわれないサングラス目隠しには対処できないよな……?

 俺が食らったら、どうやって切り抜けようか……。

 おっと! 脱線しているな!


 今は考えてる場合じゃない。



 エドガワ君が長髪に言う。


「ハルコさんは足手まといなんかじゃありませんからね!」

「ああ、謝罪するよ」


 長髪がハルコさんに頭を下げる。



 俺は長髪に言う。


「さて、改めてあんたの所属と名前を教えてくれないか? 俺は公儀隠密……いや、特異対策課のクロウと言う」

「特異対策課だと? 俺は特異殲滅課(とくいせんめつか)のカトウだ」


 トクメツ……特異殲滅課を略したものか。

 わかるわけないし!

 というか正式名称で言われても知らんし!


 ハルコさんが口元に指を当てながら言う。


「あれぇ……? もしかして、私たちの親戚みたいなグループなんですかぁ?」

「特異対策課の名は聞いている。その中にも色々いるらしいが……すまないが公儀隠密は聞いたことがない」


 認知度低いっ!

 いや忍者だし、有名でも困るけど!


「まあ、知らなくてもいいさ。敵じゃないってことだけわかってくれ」

「ああ、わかった」


 ふう……。

 ようやくまとまりそうだ。


 お互い秘密組織だから、相手の所属を聞いてもわからない。

 不便なものだ。


 今度、御庭に説明してもらおう!



 まずは現状を丸く収める!


 こうしている間にダンジョンでキリト君が死んだりしたら困る。

 ぜったいモメるわ。

 それこそ大問題になって、敵対しかねない。


 一応、長髪も彼のことを心配しているようだ。

 俺も少しは心配している。


 本気で心配しないのは、ある種の安心感があるからだ。

 戦ったからわかるが、彼は強い。そうそう負けはしないだろう。



 俺は言う。


「で、ダンジョンに残してきたキリト君のことだが――」


 そう言いかけたところで、玄関のドアが派手にぶち破られる。


 その音に俺たちは一斉に身構える。

 ピリピリとした緊張感が漂う。


 おいおい! さらなる乱入者か?

 これ以上の混乱はいらないんだが!?

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― 新着の感想 ―
[一言] 社会人として名刺交換しなきゃw
[一言] これって根っこが同じ組織の横が知らなかったってオチ…? 特殊機関にありがちな罠すぎる
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