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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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異能バトルは突然に!?

 エドガワ君と長髪の男がにらみ合う。

 空中に浮かぶ剣をエドガワ君の能力が防いでいる。



 一方、俺は一人目の――短髪の男と向かい合う。


 男は日本刀を正眼に構えている。

 剣道で言えば、中段の構え。


 刀の切先が俺の喉元に突きつけられている。

 スキがない。


 俺の動きに合わせて剣先が追ってくる。

 足運びもスムーズ。姿勢もブレない。


 ちゃんとした剣術を身につけた動きだ。



 短髪が言う。


「おいおいどしたァ? もう逃げねえのか?」

「逃げるわけにはいかなくなったからな!」


 もちろん一刻も早く、外に出て連絡はしたい。

 しかし、二人を置いて逃げるわけにはいかない。


 エドガワ君の異能は強力だが、無敵ではない。

 何らかの能力で破られる可能性がある。


 そもそも、ダンジョン領域に現れた連中が一般人とは思えない。

 異能者かダンジョン持ちだろう。

 危険だ!



 ぎろり、と凶悪な表情を浮かべる男。


「へえ! なら、かかって来いよォ!」


 (やから)だよ!


「その前に落ち着いて話し合えないか?」

「話なんざねェ! ぶった斬って、そのあとだ!」


「いや……斬られたら話せないんだが!?」

「うるせえ! 死ねっ!」


 だから、死んだら話せないんだが!?


 話が通じないならしかたがない――

 叩き伏せてからじっくりお話しようじゃないか!



 男がやや大振りの斬撃を放つ。

 刀が俺の肩口を切り裂く――もちろんこれは分身だ!


 俺はもう身を低くして踏み込んでいる!

 刀をくぐりながら、横薙ぎに一閃!


「うりゃあっ!」


 男の胴を狙った【フルスイング】の一撃――

 男が驚き――


「なにっ!? ――なあんてなァ!」


 ――男の口元がにやりと吊り上がる。


 刃が加速して走る。

 俺の刀に割り込んで、がちりと受ける。


 だがギリギリといったところ。

 受けきれまい!


 ぎいん、と刀が激しい音を立てる。

 刀を持った俺の手に激しい衝撃。


 いや――衝撃なんてもんじゃない!

 これは……吹っ飛ばされる――!?


「――ううおおっ!?」

「なんだァ!?」


 ――同時に、相手も吹き飛んでいる。


 俺は壁にぶつかりかけ、壁に着地。


 うおお、脚がじぃんとする!


 手も、あまりの衝撃に痺れている。力が入らない。

 かろうじて刀は手放さずにすんだ。

 とっさに【吸着の術】をかけなかったら、危なかったな!


 短髪の男も【フルスイング】のノックバック効果で後退している。

 内壁にぶつかり、壁に飾られていた写真立てが落ちて割れる。


「ははっ! おもしれェ! 似た能力か!」


 男のダメージは小さいようだ。

 その顔には凶悪な笑みが張り付いている。


 似た能力――

 相手を吹き飛ばす力。反発力。

 あるいはノックバック効果。


 だとしても――

 こっちは全力の横振り。

 あっちは刀を割り込ませただけだぞ……!?


 似ているが、違う。

 おそらくはもっと強い力だ!


 ここでは俺のスキルは不完全とはいえ……。


 相手が異能を使っているのか、スキルを使っているのかはわからない。

 なんにしろ、同じ技では不利!



「おらぁッ!」


 考えている暇はない!

 男が踏み込んでくる。


 正眼の構え。

 剣先を俺につきつけるように距離を詰めてくる。

 それだけで、かなりの圧力だ!


 俺は一歩退く。


 突き出された刀は無防備に見える。

 斬り払って(ふところ)に入り込めば、あるいは――


 だが……打ち込む気持ちはわいてこない。

 恐れではない。危機感。

 そうすべきでないという直感。



 俺はあえて男の攻撃を誘う。


「よし来い! さっきの技を見せてみろ!」


 俺は右手を振る。

 にやりと笑い、相手も刀を合わせてくる。


「望むところだ、おらァ!」


 乗ってきたな!

 だがこれはフェイント(変移抜刀)


 俺の右手に刀はない!

 左手で握った刀が本命だ!


 さらにスキルで加速する――


「ファストスラッシュ!」

「――甘えっ!」


 男は無理やり刀を引き戻し、握りの部分で斬撃を受ける。


「むっ――!」


 先ほどと同じ激しい衝撃が俺を襲う。


 今度は刀身ですらない!

 ()に触れただけだぞ!?


 強烈な反発力に体が浮き上がり、吹き飛ばされる!


 だが、食らうのは二度目!

 こうなることは予想していた!


 刀を当てた方向と真逆に吹き飛ばされる!

 つまり反発力は斬りつけた方向と逆!


 俺は吹き飛ばされる勢いそのままに、部屋の奥へ――!

 ――エドガワ君とにらみ合っている長髪のほうだ!



 よし! 狙い通り!


 このまま吹き飛ばされる勢いで――


「フルスイングっ!」


 空中で回転しながらの横薙ぎ!

 長髪の男が目をむく。


「なにっ!?」


 ぶち当たる直前――新たな剣が現れて防御する。

 念動力か、別の能力かはわからないが剣は宙に浮いている。


 だが関係ない!

 俺は力を込めて、そのまま振り抜ける!


「うりゃあぁぁっ!」

「――うぐえっ!?」


 ノックバック効果が相手の剣を吹き飛ばす。

 その剣にぶち当たって長髪の男が吹っ飛び、廊下に転がる。



 短髪が刀の切っ先で俺を指しながら言う。


「――てめっ! 汚ねぇぞ!」

「そいつは忍者にはホメ言葉だぜ!」



 廊下の先で長髪が起き上がる。


「やれやれ……受けた剣ごと吹き飛ばされるとは……面倒な能力だな」


 長髪の男の周囲には、三本の剣が浮かんでいる。

 さらにもう一本出して、防御したらしい……。

 こいつも厄介な能力だ!


 剣先はこちらを向いていて、今にも飛んできそうだ。



 短髪の男もこちらを睨んでいる!

 元気いっぱいだね!?

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― 新着の感想 ―
[一言] フルスイングで一発とはいかなかったか… しかしどんな技にも隙はあるはず!
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