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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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検証! 緑のモンスター!?

「ファストスラッシュ!」


 鋭い斬撃が花のバケモノを切り裂く。

 首をはねるように(くき)をはね飛ばす。


 塵が散って、魔石が残る。


「ふむ。植物型のモンスターみたいだな」

「ゼンゾウさん……強いんですねぇ!」


「この花は別に強くないしな。にしても……よく見ればそこら中にいるぞ!」

「ひっ! えぇー!?」

「うわっ! 気づきませんでした!」


 エドガワ君が片足を上げて驚く。

 すぐ近くに花のモンスターがいる。

 噛みつこうと口を広げているが、エドガワ君の足には届いていない。


 ハルコさんの足元の花を分身が踏みつける。

 分身の足に花が噛みつく。


「あ、ありがとうございますぅ!」

「足元気をつけろ。踏むなよ!」


 草花に紛れていて気付かなかった。

 いや、草花そのものがモンスターだ!


 俺は刀で足元を薙ぎ払う。

 視界を妨げる草を刈り取ると……いるいる!


 平べったく背の低い花。

 開いた花びらは、まるでトラバサミ。

 踏むと口が閉じて足に食いつくのだ。


 刀の先でつついてみる。

 花弁(かべん)が閉じて、鋭い歯がガチリと噛み合う。


 ふむ。触ると口が閉じる。

 オジギソウみたいな仕組みなのかな?


「うわっ! なにしてるんですかクロウさん! 危ないですよ」

「危ないか試してるんだ」

「そんなの危ないに決まってるじゃないですかぁ!?」


 花弁は刀に噛みついて勝手に傷ついている。

 強度はさほどではないな。

 自分の身を守るような頭もない。


「金属を噛み切る力はないようだな」


 だが分身の足には深々と食い込んでいた。

 人間なら大ケガだな。

 俺は安全靴なので噛みつかれても大丈夫だろう。


 刀を引いてみる。

 噛みついた花は離さない。

 (くき)がピンと伸びる。グイグイと引っ張ってくる。


 茎の長さは膝くらいまで。

 背丈……草丈(くさたけ)? は低い。


 刀を引き抜く。

 花は茎をのばしたままパクパクと動いている。


 しばらくするとスルスルと地面へ戻っていく。

 そして口を開いて天を向く。

 動きを止めた。


「ふーむ。踏まなきゃいいのか。なら安全だな!」

「安全じゃないですよぉ!?」


 俺は花を斬りつける。

 閉じる間もなく、塵に変わる。


 動く前に斬れば駆除はたやすい。


「ほら、無害だろ? 踏まなきゃいいんだ」

「ええと……踏んだら危険なんですが……」


 なんであきれたような顔してんだ?


「だから対処がわかれば問題はない」

「うう……地雷原を歩いてる気分ですよ……クロウさん、どうして平気なんですか?」

「怖いですよねぇ? それが普通ですよねぇ?」


 あ、そういうことか。


「ダンジョンの中じゃいつもこうだしな。足元には罠があるかもしれないし、敵がいつ襲ってくるかわからない」

「いや……あの、ボクたちはそこまでの心構えはないと言うか……」

「戦うのはナシって聞いてきてるんですよぉ」


 二人は戦闘員じゃないからね。


 俺もそこまでの覚悟は求めていない。

 あくまで調査チームだ。

 ダンジョンを攻略するのが仕事じゃない。


「ああ、そうだな。とりあえず入口に戻ろう。……ん?」


 ぽつり、と雨粒が落ちてくる。

 空模様が変わる。


「あれ? 雨ですか?」

「降ってきましたねぇ? っていうかぁ、大雨ですよぉ!」


 スコールだ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 天候の変わるダンジョンて初めてですな
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