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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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安全な悪性ダンジョンを探そう!?

 俺、ハルコさん、エドガワ君の三人は閑静な住宅街にいる。


「ゼンゾウさん。ここに悪性ダンジョンがあるらしいですよぉ!」


 ハルコさんが指差しているのは瀟洒(しょうしゃ)な館だ。

 豪邸というほどじゃないが、個人の家としてはかなり広い。


「ハルコさんにとっては初任務になる。気負わずいこう!」

「はぁい」


 庭には花が咲き乱れ、よく手入れされている。

 建物まで植物に覆われていて、おもむきがある。


 俺たちは庭を通って玄関前までやってきた。

 俺はドアを指さす。


「エドガワ君。まだ誰も中に入っていないんだよな?」

「はい。中に入るのはボクたちが初めてです。ええと、家主は一週間前から行方不明。足が悪いので一人での外出はできません。通いの家政婦さんも行方不明ということです」


 俺も資料には目を通しているから知っている。

 あえて聞くのは、エドガワ君が理解しているかを試すためだ。


「なんでここに悪性ダンジョンがあるとわかったんだ?」

「ええと……だからそれを調べに来たんですけど……」


「俺が聞きたいのは、なんで建物に目星をつけたかって話だ」

「ああ……ボクたち(調査チーム)の前に情報チームが調べています。通信やカメラ映像の分析ですね。それをもとにダンジョンに関係しているか判断して……ええと、ボクたちが直接来るわけです」


 あいかわらずエドガワ君の説明は訥々(とつとつ)としている。

 でも内容はあっている。

 ちゃんと資料を読んできたようだ!


「あやしいところを私たちが調べるんですよねぇ?」

「そうだ。家の中の電子機器は通電していない。外の照明は昼なのにつけっぱなしだな」


 俺は玄関の照明を指さす。

 今は昼だが、灯ったままだ。


 ハルコさんが口元を指で押さえて言う。


「それってぇ、消す人がいないってことですよねぇ?」

「普通、つけっぱなしにしませんよね……?」


「ああ。庭はよく手入れされているし、消し忘れは考えにくい」


 いちいち照明を消さない不精な住人という可能性もある。

 でも違うだろう。



 インターホンを押してみる。

 音は鳴らない。

 つまり、建物内は通電していない。


 念のためドアをノックする。


「こんにちはー! いらっしゃいますかー?」

「……返事はないみたいですね」


「えっとぉ……誰もいないってことですよねぇ?」

「応答がない場合、内部に入るのがいつもの手順です!」


 俺は玄関のノブに手をかける。


「じゃあ、ドアを開ける――お、鍵はかかってない!」


 ドアは(きし)む音など立てず、滑らかに開いていく。

 一週間前まで普通に生活していたのだ。


 室内は暗い。


 エドガワ君があせったように言う。


「え、もう入るんですか。ちょっと心の準備が……」

「ともかく、入ってみよう! ヤバければ逃げる!」


 玄関前でまごついていると、通行人に見られるからな。


「調査だけですよねぇ? 戦うとか、なしって聞いてますよぉ?」

「小規模な戦闘はありえるけど、本格的には戦わない。様子を見るだけだ。サタケさんを連れてこれるくらい安全ならそれでいい。危険なら次回、リンとトウコを連れてくる」


「うう。緊張しますねぇ」

「敵がいたらハルコさんは隠れていてくれ。エドガワ君、護衛は任せる」


 エドガワ君がびくっと俺の顔色をうかがう。


「護衛、ですか? ボクも緊張してきました!」

「さんざん練習しただろ? やれるよ!」



 基本的に、今回は調査だけ。

 ケガ人を運び込んでポーションを使えればいい。

 手に負えないほど危険なダンジョンの場合は即撤退する。


 玄関をまたぎ超えると、腕のスマートウォッチが消える。


「よし! あたりだ!」

「ここは悪性ダンジョン領域ですね!」

「あ、安全な? 悪性ダンジョンだといいですねぇ?」


 安全な悪性ダンジョンというのはヘンな言葉だ。

 ともかく、ほどよいやつだといいね!

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[一言] 安全な悪性とは…つまりどういうことだってばよ?
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