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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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管理コンソールはリアダンで! 本人確認は必須です!?

 日課の管理コンソールチェック。

 メニューからメッセージ機能を確認する。


「お、今日も返事が来てる!」


 --------------------

 メッセージ機能


 新着メッセージがあります


 ・受信メッセージ(1)

 ・送信メッセージ

 ・新しいメッセージの送信(権限が不足しています)


 --------------------


 俺はメニュー画面を叩いて表示を変える。

 新しいメッセージが来ると、ドキドキするね!


 まるで俺がダンジョンに潜り始めたころみたいだ。

 リアル・ダンジョン攻略記の掲示板でやりとりしてたっけ……。


 あのブログは、今は見れない。

 謎だよな……。

 インターネットを経由せず、通信ログの残らない不思議なやりとり。



「さて、新しいメッセージは……?」


 俺は内容を読み……混乱した頭を整理する。

 ううむ。思っていたよりもずっとややこしいな!



 この数日、俺は一人でメッセージを読んでいた。

 別に情報を隠したいわけじゃあない。

 認識阻害の悪影響を心配してのことだ。


 ここはダンジョンの中だし、管理コンソールのメッセージだ。

 安全に思える。

 とはいえ、なにが引き金になるかわからない。

 情報の扱いは慎重にしなきゃな。


 しばらく待ってみたが、俺の身に異変は起きない。

 読むだけで認識阻害や追放は起きないようだな。


 二人に見せても安全だ。



 そこでリンとトウコを呼んで管理コンソールを見せることにした。


「これがそのやりとりだ。安全だから読んで感想をくれ!」


「やっとおあずけ解除っスね!」

「もう、トウコちゃん! ゼンジさんは私たちを心配してくれたんだからねー」


「最初に届いたのはこのメッセージだ!」



 俺自身はもう何度も読み返した。


 --------------------

 差出人:リヒト

 件名:リアダンのリヒトです!


 本文:

 ブラッククロウさん!

 リアルダンジョン攻略記のリヒトです。


 ついに管理者権限を手に入れたんですね!

 心配していました!


 検索であなたの名前を見つけて、興奮しています。

 ぜひお返事をください。


 権限が足りないかもしれません。

 その場合は攻略を進めてください。


 より深くダンジョンを攻略すると管理者権限が強化されます。

 十階層で一段階。二十階層で二段階。

 そのあとは十階層ごとです。


 メッセージの送信は二段階の権限で可能です。

 二段階の権限でメッセージの送信が解禁されます。

 早くお話したいですが、攻略には気をつけてください!


 通信には魔石が必要になります。

 返信は短い内容でもかまいません。


 もし、あなたが私の知る人でないとしても、お返事をお待ちしております!

 --------------------



 メッセージを送信するには二段階の管理者権限がいる。

 だが、俺はまだ一段階の権限しか持っていない。


 二十階層を攻略すれば次の権限が手に入るが――。

 それにはまだまだ時間がかかる。



 しかし、俺たちは裏技を発見した!

 ダンジョン所有者情報から自分の名前を変更する方法だ!


 長い名前にして、言いたいことを伝えるのだ。

 五十文字まで設定できる。

 長文はかけないが、意思疎通はできる!



 そこで、このように変更した。


 --------------------

 現在の名称:ブラッククロウ@リヒトさんへ。メッセージ受領しました! お元気ですか? こちらは元気です!

 --------------------



 まずは挨拶だ。


 たいした情報は送っていない。

 これは相手の素性がはっきりしていないためだ。


 俺はこの「リヒト」をリアダン(攻略ブログ)リヒト(管理人)さんだと確信している。

 ほぼ、そうだろう。



 だが、疑わしい点もある。


 公儀隠密が見つけた「スゲタリヒト」氏。

 しかし「スゲタリヒト」氏は二か月以上前に失踪(しっそう)していた。


 俺と掲示板でやり取りしたころには失踪していたことになる。

 失踪後に俺とやりとりしたのか、あるいは別人なのか……といった疑問。


 住居を調べたが、消息はつかめなかった。

 持ち帰ったノートは今も手元にある。



 この情報社会において、まったく足跡を断っているのだ。

 監視カメラに映らず、通信の形跡もない。


 もう、パージされてしまったんじゃないか……?


 だが、名前を変更すると返事はすぐに来た。



「これがその二通目だ」



 --------------------

 差出人:リヒト

 件名:お返事ありがとうございます!


 本文:

 ブラッククロウさん!

 こんなに早く返事をいただけるとは!


 名前の変更機能を使うとは盲点でした。

 これなら一段階の権限でもコミュニケーションがはかれますね!


 なにか聞きたいことがあれば、どんどん聞いてください!

 ただ……名前の変更にはコストがかかるはずです。


 なるべくこちらからメッセージを送りますので、気になるところに質問いただければ!



 今日はダンジョンの深さについてお話します。


 ダンジョンは階層構造になっています。

 階段をくだることで、深く潜っていく形式が一般的です。


 他にもいろいろなタイプがありますが、それはまた別の機会にお話しします。


 ダンジョンには深さがある点がポイントです!

 塔のように登っていくダンジョンでも、平面で横に広いダンジョンでも考え方は同じです。


 ダンジョンのレベルとか、深度(しんど)と呼ぶこともあります。


 深く潜るほど、敵も強くなっていきます。

 しっかりとレベルを上げてから次の階層へ進むと良いでしょう。


 深い階層ではより良い報酬が得られます。

 敵のドロップアイテムや、宝箱の報酬ですね。


 経験値も多くなる傾向があります。


 伝えたいことはたくさんありますが、どこまで伝えていいのか僕にも線引きができません。

 頭が痛いとか、体調に異変を感じることがあれば、メッセージを読むのをやめてください。


 正式に権限を取得すれば大丈夫だと思いますが……。

 無事に伝わっていることを祈ります!

 --------------------



「お返事に喜んでくれてるみたいですねー!」

「ああ。昔のリアダンみたいで懐かしい」


「ダンジョンの奥にはお宝があるんスね!」

「敵も強くなるけどな!」



「で、返事をしようとしたんだが……」


 リンが俺の顔色を見て言う。


「あれ? ダメだったんですか?」

「ああ。エラーメッセージが表示された。名称の変更は一日一回に制限されています、ってな」


「ケチっスねー!」

「というわけで翌日。また変更を試してみた。今度は変更する画面へ進めたんだが……」


「……ダメだったんですか?」



 こんな表示が出た。


 --------------------

 汎用ポイント:10必要です。

 変更してよろしいですか?

 はい いいえ

 --------------------


 汎用ポイントはゴブリンの魔石五個分の価値だ。

 十ポイントなら低階層のゴブリン五十匹分ということになる。


 階層が深くなるごとに、モンスターも強くなる。

 手に入る魔石の価値も高くなっていく。

 この頃はザクザク手に入れているので、払えない額じゃない。


「いや、コストがかかるって表示が出てな、汎用ポイントを十ポイント使った」

「いちいちお金かかるんスかー!? ケチケチっス!」


 金じゃないが、まあダンジョン内通貨みたいなもんか。



「どう変えたんですかー?」

「変更した名称は――」


 俺はノートに残しておいた、その時の名称を読み上げる。


「――ブラッククロウ@あなたはスゲタリヒトさんですか? リアダンのリヒトさんであれば、私の職業を答えてください」


 リヒトさんとスゲタリヒトさんは同一人物なのか?

 それとも、リヒトさんを装った別人なのか……。


「これで正体がわかるっスね!」

「疑うみたいで気が引けますが……しかたないですよね?」


「ああ。遠慮してる場合じゃないからな!」


 これは絶対に確認しておかなければならない!

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― 新着の感想 ―
[一言] なんとなく思ったけどリヒトって日本人ぽくない名前ですね
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