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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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慢心……環境……想定不足はとっさの判断で!?

 狭い場所でも敵はかまわずやってくる。

 コウモリや蛾にとって、狭さは関係ない。


 隙間を器用に通り抜けてくる。

 コウモリの群れがバサバサと襲いかかってくる!


 トウコがショットガンを構えようとして、壁にぶつける。

 それでも無理やり構えて発砲する。


「だあっ! ピアスショット!」


 やや雑に放った一撃。

 散弾の大部分は壁をけずっただけに終わる。


 それでもいくらかは敵に命中して数を減らす。

 だが残ったコウモリは想定以上の速さで迫っている!


 最後尾のリンがあせったように言う。


「……ここからだと狙えません! ゼンジさん、どうしたらいいですか!?」


 俺も前にトウコが居て動けない。


 壁伝いに上へ移動するか……?

 それとも【入れ替えの術】で立ち位置を変える?


 いや――


「――いったん下がって立て直そう! リン、下がれるか!?」

「ご、ごめんなさい! 下がるには狭くて!」


 後ろはちょうど、狭くなっている場所だ。

 急いで通り抜けるのは難しい。


「うらっ! 死ねっ!」


 トウコはショットガンのフォアエンドをスライドさせる。

 だがその動作を壁が阻む。

 それでもトウコは無理やりに動く。


 装填。射撃。

 コウモリを次々に撃ち落としていく。


 散弾が壁に当たって固い音を立てる。

 トウコより前方の分身が被弾して塵になる。


 けずれた壁面が細かい石粒となってパラパラと散る。


「弾切れ! リロードっス!」


 敵の数が多い!

 さらに後続が来ている!


 俺もなんとか抜き出したクギ束を投げつける。

 だがコースがやや甘い。

 トウコの頭越しだから、上方向しか狙えないのだ。


 数匹撃ち落としたものの、後続が来る!

 接敵された!


 コウモリは俺たちには向かわず、上方にそれるように滑空(かっくう)していく。

 この動きは――フン爆撃だ!


 避けるスペースはない!

 防ぐ盾もない!


「二人とも、しゃがめ!」

「りょ!」

「はいっ!」


 二人はすぐにその場で姿勢を低くする。


 分身を三体出す。

 それぞれを守る配置だ!


 さらに、コストを度外視した高強度版!


 屈んだ俺たちの前に立った分身が盾となる。

 そこへ、投下された爆発性のフンが着弾する。


 爆竹のような破裂音が連続して響き、嫌なにおいが広がる。

 防ぎきれなかった数発が俺の周囲で破裂する。


「ぐっ!」


「いたたっ!」

「わあーっ!」


 俺たちはそれぞれに声を上げ、それに耐える。

 久しぶりの被弾!


「キイッ!」

「キキーッ!」


 コウモリの群れが戻ってくる。

 逆側からだ。


 今度は突っ込んでくるコース!



 俺はとっさに指示を出す。


「リン! 焼き払え!」

「はいっ! ファイアボール!」


 リンが突き出した手から炎がほとばしる。

 まるで火炎放射!

 過剰なほどの火力が狭い通路を埋め尽くす。


 これなら撃ちもらす心配はない!


 炎が収まると、コウモリの姿はない。


 リンは急激な魔力消費にへたりこんでいる。


「はあはあ……や、やりましたー」

「ナイスだリン! ……よし! 倒せているようだな!」


 ちゃんとやれている。

 敵は――すべて燃やし尽くしたようだ。


「トウコ、そっちの敵はどうだ?」

「クリア! 敵はいないっス!」


「ふう……。なんとかしのいだな!」

「狭いと、どうにもなんないっスね!」

「はあはあ……そうですねー」


 多少のダメージはあるが、大きなケガはない。

 戦闘終了!

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― 新着の感想 ―
[一言] そういやこのトリオ閉所で有効な手段ほとんどなかったな… 逃げ場のない状況での戦いはこれからの課題になりそう
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