表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

708/1500

洞窟探検家は白黒視界で!?

 俺たちは通路を進んでいる。

 だんだん道幅がせまくなってきた……。


 洞窟探検家になった気分だ。


 先頭はシステムさんと分身だ。

 その後に俺、リン、トウコと続く。



「【暗視】ゲットっス!」


 トウコは【暗視】スキルを一レベルだけ取った。

 あとは熟練度で強化するつもりらしい。


「どうだ?」

「おもしろっ! 白黒(しろくろ)ーっ!」


 トウコは興味津々で周りを見回している。


「視界が白黒になるんですよねー?」


 リンが俺を見る。よく覚えてたな。


「そうそう。スキルレベルを上げると緑色になるから、さらに見やすくなるぞ」

「へー。そーいう感じなんスねー! おーっ! 店長も白黒っス!」


「そりゃそうだろ!」


 俺の熟練度も貯まってきたはずだ。

 明るい場所にいると育たないので時間がかかっている。

 そろそろかな?


「いいなー! 私は取れないみたい……」


 リンのスキルリストには【暗視】がない。

 職業かステータスの影響だろう。


「でもリンには俺たちが取れない【魔力知覚】があるし、システムさんもいるだろ?」

「そうですね。でも……」


 リンはもどかしげな様子。

 疎外感(そがいかん)があるのかな?


「違うから分担できる。頼りにしてるよ!」

「はいっ!」


 リンは笑顔でうなずいた。



「そうだトウコ。火や水晶は目が痛くなるから直視しないようにな」


 リンが驚く。


「あっ! 火を使うとまぶしくなっちゃうのかな!?」

「あれっ? 店長は平気そうっスけど、どうなんスか?」


「俺だって直視したら目がくらむぞ。予測して、タイミングよくスキルをオフにするんだよ」


 トウコが目をむいて言う。


「はあっー!? そんなんムリっス!」

「ムリじゃない! 練習すりゃできる!」


 リンが目を輝かせて言う。


「ゼンジさんはどうやってタイミングをはかってるんですかー?」

「魔法の場合は、リンの声を聞いてればわかる。慣れだな」


 リンが顔を赤らめる。


「……わかってくれてるんですね!」

「うん……まあ、そうかな?」


 ちょっと違うと思うが……。


「リン姉が無詠唱じゃなくてよかったっス!」

「ちなみに銃の発砲炎(マズルフラッシュ)もまぶしいから気をつけろよ!」


「あー、チャージショットは派手っスからねー!」

「かっこいいけど、困りますねー」


 弾丸の軌道が派手に明るく光る。

 魔力をためているときの銃口もエフェクトが強い。


 スキルなしでも、銃口を直視していたら目をやられる。

 掛け声なしに撃つこともあるし、たまに食らっている。



 トウコが通路の先を指さす。


()がいるっス! あっ、試しにチャーショットで撃ってもいいっスか!?」


 まだ遠い。

 余裕をもって試せる距離だ。


「ああ。試すにはちょうどいいかもな」


 トウコが事前に試すのはめずらしいな。

 成長したか。


 ここだと道幅が狭くて、隊列を変えるのは難しいが……。

 今トウコは最後尾にいる。


「じゃあ、あたしが前に出るっス! ちょっと失礼してーっ!」

「あっ!? トウコちゃん、せまいよ!?」


 トウコはリンを壁に押しつけてグイグイ行く。


「通れるから平気(へーき)っス!」

「う、うーん。そう?」


 トウコめ、これが狙いか!

 成長したと思ったら、ぜんぜんしてねえ!


 妙に時間をかけて、二人はすれ違った。


「うぐぐ、ぷはーっ! 息ができなくてあやうく天国に行っちゃうところだったっス!」

「いってしまえ!」


「うへへ。さーて次は店長っス! これは不可抗力(ふかこーりょく)なんで仕方ないっス!」

「仕方あるわ! 押すな押すな! 密着すな!」


 俺たちがもみ合っている間も、蛾はひらひらと舞っている。

 敵意のない相手でよかったよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] トウコの事だから暗視スキルで眩しいの直視して某大佐のギャグやりそう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ