ハルコさんと御庭の個別面談結果!
落ち着いたところで声をかける。
「それでハルコさん。面談どうだった?」
「あ、はい。いろいろ説明してくれました。忍者とか、認識阻害とか、悪性ダンジョンとかですねぇ?」
俺たちが訓練している間ずっと話してたんだから、それなりの時間が経っている。
御庭の話は長いからなぁ……。
「とくに、情報の取扱いに気を付けるようにクドクド言われましたぁ」
「クドクドね。でも、しかたないだろ? ハルコさんが世界から追放される危険があるからな」
普通の企業とは違う意味での情報管理だ。
ダンジョンや異能のことを知られると、世界から切り離されてしまう。
「ツイスタへの投稿は禁止、匂わせたりもしないこと、だそうですぅ!」
「当たり前だけど、仕事の内容をネットに上げたらヤバいからな」
このあたりの注意は俺にはほとんどなかった。
俺は目立ちたくないし、言われなくてもそういうことはしない。
これはハルコさん向けの注意点だな。
「他にもいろいろ覚えなきゃいけないみたいで、しばらくここに通うみたいですぅ」
「へえ? 俺は呼ばれなかったな」
エドガワ君が補足する。
「あ、ボクらは調査班だからですね。座学と実技がありますよ」
「ほう……どういう内容なんだ?」
「基本は動画視聴ですね。観るだけで基本的なことはわかるようになってます」
「時間がもったいないので倍速視聴でいいですかぁ?」
そんなんで頭に入るのかね?
「あ、はい。ボクもそうしました。でも最後にテストがあるので、落第すると怒られます……」
エドガワ君はバツが悪そうに頭をかいた。
怒られたんだな……。
「えーそうなんですかぁ? 気を付けますぅ」
公儀隠密の教育動画か。
ちょっと見てみたいな。
俺は結構、ネットで武道系の動画を参考にしている。
でもこれって限界があるんだよな。
濃い内容の動画があるといいんだが……。
そういうのないかな?
「エドガワ君。その動画って、格闘技とか剣術もあるのかな?」
「ないと思います。そういうのは実技ですね。基礎体力の訓練とか、銃の撃ち方とか教えてもらえます」
スナバさんが言う。
「俺もたまに銃やナイフを教えている。サタケが剣道や逮捕術を教えているぞ。復帰したら習ってみたらどうだ?」
「お、いいですね! 早くサタケさんに復帰してもらわないとな!」
「訓練の話を御庭さんに言うと……忍者の修行が始まっちゃいます」
「やらされたのか……」
いや、ちょっとやってみたいよな。
俺が受けるべき訓練って、それじゃないか?
教わらなくてもできる気はするけど……。
いや、ダンジョン風の忍者と現実忍者では違うかもしれないな。
「あ、でも私は実技は免除なんです。皆さんをお手伝いする係みたいな?」
「そうなのか。ハルコさんが前に立って戦ったりするイメージはわかないな」
「ボクも最初そうでした。でも……やっぱり体も鍛えておかなきゃいけないと思いました!」
スナバさんが言う。
「ああ、現場に出る以上、なにがあるかわからん。動けるようにしておけ」
さらに俺も言う。
「ハルコさんもよかったら一緒に訓練しよう。タダでスポーツジムに通えるみたいでおトクだぞ!」
訓練室ではマシントレーニングもできる。
ランニングマシーンやウェイトトレーニング器具など、一通りそろっている。
「うーん? ダイエットしようかなっーて思ってたんですけど……ちょっとだけ?」
スナバさんがうなずく。
「よし! 簡単な訓練プログラムを作っておく。その間に走り込みから始めてくれ!」
ハルコさんが聞き返す。
「走りこみぃ?」
俺は柔軟体操を始める。
「いいですね、走り込み! エドガワ君も頑張ろうな!」
「えっ? ボクも? まさか今からですか?」
「あれぇ? ちょっとだけですよねぇ!?」
このあとめちゃくちゃ訓練した。
二人はぐったりしていたが、俺は普段と違う刺激に満足だった!
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