訓練をやりたいと言い出したのは……!?
本日二話目!
「状況開始!」
「では……突入しまーす!」
ドアを開け、エドガワ君が飛び込んでくる。
俺とスナバさんはもう走り出している。
「ちょっ!? はやっ!」
エドガワ君は驚きながらも、護衛対象であるスナバさんへ向かう。
「分身! ――分身!」
エドガワ君のすぐ近くに分身を出そうとするが――不発。
分身が出ない。
たぶん、近すぎたんだ。
すぐさま位置を調整――エドガワ君の一メートル前方。
能力の範囲ギリギリを狙って術を放つ。
今度は成功!
「うわっ!」
エドガワ君は近くに現れた分身に対応できず、衝突する。
倒れこそしないが、バランスを崩す。
よろめきながらもエドガワ君はスナバさんに向かっていく。
「スナバさん、回避を!」
「了!」
スナバさんはエドガワ君から距離を取るように下がる。
壁際ではなく、背後に下がっている。
いい判断だ。
壁際だと追いつめられる危険がある。
壁ドンされたら動けなくなってしまうからな。
俺は新たな分身を生み出す。
エドガワ君がよろけている間に連続で分身を配置していく。
「あっ!?」
エドガワ君が体勢を立て直したころには分身の包囲網が完成している。
分身を押しのけようにも、簡単には崩せない。
エドガワ君は攻撃をためらっている。
その間に、スナバさんは悠々とゴールする。
「部屋から出たぞ。状況終了!」
「よーし!」
俺たちの勝ちだ!
分身人垣の隙間からエドガワ君が顔を出して言う。
「二人とも強すぎるんですよ! 最強タッグに勝てるわけないです……!」
エドガワ君の異能はこの状況では強力だ。
とはいえ、三試合もすれば能力のクセが見えてくる。
異能やスキルは知られると脆いんだよな。
俺は言う。
「これもルールの問題だ。時間制限の勝敗を変えたから勝てた。エドガワ君がドア前に陣取ったら勝てないからな」
「戦いの前から勝つことを考えるんだ」
エドガワ君はうなだれてしまった。
「なんだか自信なくなっちゃいますね……」
「いや、エドガワもいい動きだった。倒れながらも俺に向かってくる気迫は見事だった」
「たしかに、エドガワ君は頑張ってたな! ずいぶん積極的だったじゃないか!」
最初に会ったときは前に出るようなキャラじゃなかったと思う。
成長したのかな。
「そうでしょうか。ぜんぜん、できた気がしません」
「戦うのがニガテだって言ってたろ? それを克服しようとするのはえらいと思うぞ。まあ、こんな訓練に付き合わされるのはイヤだったかもしれないけど」
俺とスナバさんが調子に乗りすぎたかもしれない。
自信を無くしちゃうんじゃ、訓練の効果も出にくくなる。
エドガワ君は大きく首を振る。
「いえ、ぜんぜん! だって、ボクがお願いしたことですから!」
「ああ、そうだ。今日の訓練はエドガワに頼まれて始めたことだ」
俺は驚く。
「あ、そうなのか!?」
てっきりスナバさんにつかまって訓練させられてたのかと思っていた。
あのエドガワ君が自分から頼むとは……!
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