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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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機密保持とニードトゥノウの原則!?

 スナバさんは常にシズカちゃんのそばを離れない。

 だから悪性ダンジョンには入らない。


 でも、スナバさんはダンジョン保持者だ。



 俺はスナバさんに聞く。


「自分のダンジョンの間引きはシズカちゃんと一緒にするんですか?」

「いや、連れて行かない。危険すぎるからな」


 あ、そうなんだ。


「でも、間引きしないと悪性化しますよね?」

「ああ。だから最小限はやる。月に一度程度だ。シズカはコハルに預ける。無理な場合はダンジョン側をロックしてもらうこともある」


 コハル?

 ああ、ナギさんの苗字だっけ。


 親しくなるとサン付けが取れるのかな?

 俺にはまだサンがついてる。


 当然だ。俺とスナバさんはまだ数回しか会っていない。

 これから打ち解ければいい。



 ナギさんとシズカちゃんは仲がいいのかな?


「ナギさんに預ければ大丈夫なんですか?」

「いや。ぐずったときは能力を使ってとめるんだ」


「えっ? まさかの力技で!?」

「最近は慣れてきて問題は減ったと聞いている」


 ゼロではないんだ……。


「それから、ダンジョンをロックってどういう意味ですか? ダンジョンごと停止させる?」


 そんなことができるのか!?



 スナバさんが言う。


「ああ、これはコハルとは別の話だ。鍵をかけるようにして、ダンジョンを封じる異能者がいる。必要があれば、御庭から紹介されるだろう」


 ナギさんと似た能力の人がいる……?

 停止とロックでは違うのか。


「へえ。興味はあるけど……紹介されるのを待つか」

「ボクも会ったことありません……」


 あ、エドガワ君も知らないのか。

 俺が新入りだからってわけじゃないらしい。


「公儀隠密のメンバーって、みんなが顔見知りじゃないんですか?」

「ああ。知りすぎると危険なんだ。俺も知らないメンバーはいる。ここのような拠点も複数あって、分散している」


「御庭から拠点がいくつもあるとは聞いたな」


 そういえば、俺の街にも拠点を作るとか言ってたっけ。

 ここは少し遠いんだよな。



 エドガワ君が言う。


「ええと……どうして仲間に会わせないんですか?」

「拷問されたり、異能で情報を引き出される可能性がある。一人から全体の情報が洩れるのを避けている」


 真顔で話すスナバさん。

 エドガワ君がビビる。


「えっ!? 怖いんですけど……!」


 俺も、それは心配している。

 異能者やダンジョン保持者には悪人もいる。

 ストーカー事件で、それは身に染みて分かっている。


 悪い虫に好かれやすいリン。

 変異しかけているトウコ。

 俺一人で守ることは難しい。


 一人でいるよりも組織に属していたほうが安全だ。

 組織に入れば、また別種の問題もある。

 それは覚悟していたことだ。



 公儀隠密はちゃんと対策している。

 メンバーを保護する考えもある。


「忍者組織らしくもあるし、スパイや軍隊のようでもあるな。情報を持たないことで組織を、ひいてはメンバーを守ると」


 スナバさんが言う。


「そう。ニード・トゥ・ノウの原則だ」


 情報は最小限にする。知る必要がある人だけが知る。

 機密管理の考え。


 特異対策課(とくいたいさくか)の中にも複数の部署がある。

 俺たち公儀隠密だけじゃない。


 公儀隠密の中でも複数の拠点やチームがある。

 別チームの顔や能力は知らない。知らされない。


 この拠点が壊滅しても、他の拠点、他の部署は残る。

 他の部署のメンバーが捕まっても、この拠点の情報は()れない。


 ちゃんとしてるね!

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― 新着の感想 ―
[一言] 実に見事なリスク管理だけど多分に御庭さんの忍者趣味が入ってる事も否めない…名前からしてw
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