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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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護衛ゲーム! 道場を脱出しよう!

 スナバさんが言う。


「では二人はスタート地点に立ってくれ。俺は一度外に出る。準備ができたら合図してくれ」


 スナバさんが入り口から外に出る。


 エドガワ君が不安げに俺を見る。


「準備……? えーと、なにかありますか?」

「エドガワ君が不安なこととか、気になることはあるか?」


「ルールが少し。触られずに、クロウさんを部屋から出せば勝ち、ですよね?」

「そうだ」


「出れなかったら負け、ですか?」

「それは決めてなかったな。護衛対象が無事なまま時間切れってことだろ?」


「そうです」

「引き分けかな? この試合が終わったら改めてルールを決めようか」


 スナバさんを呼び戻してもう一度ルールを話し合うのはテンポが悪い。

 このまま始めてしまおう。



「はい。じゃあ、負けないようにがんばります……」

「どうせなら勝ちたいが……まあ、頑張ろう」


「作戦、どうします?」

「今回はナシでやってみようか。俺はエドガワ君の言う通りに動くから、自由にやってくれ」


「自由にやれと言われると緊張しますね……」

「まあ、訓練だ。失敗してもいい」


 本番で失敗するのとは違う。誰も死なない。

 なら勝ち負けなんてどうでもいい。


 楽しめればいいよな!


「は、はい。なんだか楽しそうですねクロウさん……ボクは緊張してきました……」

「ま、気楽にやろうぜ!」


「クロウさん。僕のそばにぴったりとくっついていてください」

「おう。こんなもんでいいか?」


 俺はエドガワ君の斜め後ろにぴったりと立つ。

 これ以上近いとぶつかって動けない。


「は、はい。大丈夫です! これで準備オーケーです!」

「じゃ、アラームを三分にセットして――」


 俺はスナバさんに声をかける。


「――スナバさん、準備できました。訓練開始です!」

「よし、突入する!」


 俺はアラームを開始させる。



 スナバさんが素早くドアを開け、部屋の中を確認する。

 そして素早く侵入してくる。


 あっという間に距離を詰めてくる。

 もう道場の半分以上をスナバさんは進んでいる。



「クロウさん。こちらはゆっくり進みますよ! 能力を使います!」

「おう!」


 能力を発動したらしいが、目に見える変化はない。


 エドガワ君の異能は敵味方問わず、接近を許さない。

 今俺はエドガワ君のすぐ近くにいる。

 おそらく能力の範囲内だろう。

 だが、範囲外まではじき出されたりはしないようだ。



 エドガワ君が一歩前に出る。

 俺はその歩みに合わせて動く。


 む……!

 これは……!?


 俺は動揺を隠して、なるべく早く追従する。



 スナバさんはもう目の前、手が届きそうな距離にいる。


 スナバさんがエドガワ君に掴みかかる。

 だが、その手は届かない。


 空中のなにかに阻まれるように動きを止めている。


「む。これがエドガワ君の能力か!」

「はい」


 スナバさんが手に力を込める。

 その様は、まるでパントマイム。

 見えない空気の膜でもあるみたいだ。


「近寄れないな。力で押しても手ごたえがない」

「壁があるわけじゃないんで……」


 エドガワ君とスナバさんの距離は一メートルほど。

 それ以上縮まらないようだ。


 あれ?

 前は半径五十センチ程度だったよな?


 そうか! ここは外だからだ!


「いいぞ! エドガワ君! がんばれ!」

「はは……」


 俺を守ってくれ!

 応援することしかできないけど!



 異能者は悪性ダンジョン領域内では力が弱まる。

 外にいる今、エドガワ君には制限がない!



 逆に俺とスナバさんはダンジョン保持者(持ち)だ。

 ダンジョン内に比べるとスキルは二段階弱まる。


 しかし異能者であるエドガワ君は全力を出せるってわけだ!

 これなら勝てるかもしれない!

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