表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

677/1473

スナイパーが教える近距離戦の構え!?

 スナバさんがエドガワ君に銃の構え方を指導している。


 銃の訓練に興味があるので、スナバさんの指導を見学することにした。

 ハルコさんの面談はまだ終わらないだろうし。



「俺は端っこで見学させてもらいますね」

「そうか。気になることがあれば質問してくれ。では、エドガワ。構えろ!」


「はいっ」


 エドガワ君が銃を構える。

 だがその構えは見慣れないものだ。


 左を前にした、半身のスタンス。

 右手で銃を持ち、左手で支える。銃を胸につけている。

 腕は伸ばさない。


 肘を張って胸の前で手を組む姿勢に似ている。

 ケンカの前に指をポキポキ鳴らしそうな感じ。


 さっそく質問する俺。


「変わった構えかたですね」

「この構えはハイポジションという。CARシステムの構えのひとつだ」


「カーシステム……?」


 車の販売業みたいな語感だな。

 そんなわけないが。


「エドガワ。解説しろ」


「は、はい。えーと。カーという人が開発した……」

「違う」


 スナバさんが鋭く指摘する。

 エドガワ君は少しびくっとする。


 おお、やっぱり厳しいぞスナバさん!


「あ、違いますね。ウィーバースタンスと間違えました」


 デリバリーのフードサービスみたいな語感だな。

 そんなわけないが。


 ウィーバースタンスもわからん。

 俺はガンマニアじゃないし、ミリオタでもない。


セントラル(Center)アクシス(Axis)リロック(Relock)の略だ。日本語にするなら中心軸(セントラルアクシス)再固定(リロック)、だな。では、ハイポジションについて解説しろ」

「はい。近い距離で武器を奪われにくい構えです。体に近いので銃も安定します」


 両手で大事なモノを抱えている姿に似ている。


「へえ。確かに奪うのは難しそうだ」



「エドガワ。ウィーバースタンスで構えてみろ」

「はい」


 エドガワ君が銃を構える。

 これはカーシステムではなく、言い間違えたほうだな。

 ウィーバーさんが開発した構えなんだろう。



 右腕を前に伸ばし、左腕は曲げる。

 銃は両手で保持する。


 この構えも半身。四十五度くらいの角度だ。

 トリガーを引く利き手側の肩が後ろになる。


「お、映画でよく見るやつですね」

「見栄えがいいからな。だが左右に狙いをつけるときに不安定になる。やってみろ」


「こんな感じですね」


 エドガワ君が左右に狙いをつける。

 特に左側を狙いにくいようだ。


「俺を狙ってみろ。頭だ」

「は、はい」


 銃口がスナバさんの頭部を狙う。

 数十センチの距離。


「弾は入っていない。当てるつもりで引き金を引け」

「はい――あっ!」


 スナバさんが素早く動く。

 銃は一瞬でスナバさんの手の中だ。


 エドガワ君が引き金を引くよりも速い。


「こうして簡単に奪える。距離によっては腕の下に潜り込んでもいいし、左右に体を振ってもいい」


 スナバさんが銃をエドガワ君に渡す。


「今度はハイポジションで構えろ」

「はい」


 カーシステムのハイポジションの構え。

 胸の前で銃をがっちりと持つ。


「これなら奪われない。左右への動きは腰の回転でつける。上下は体を傾ける」


 ふーむ。

 奪われないのは重要だな。


 だけど、この構えだとサイト(照準器)を覗けない。

 質問してみよう。


「この構えで、どうやって敵を狙うんですか?」

「近距離戦を前提としている。精密な射撃が必要なら別の構えがある」


 俺はうなずく。


「ああ、そういうことですか。カーシステムには複数の構えがあるわけだ」

「やってみせよう」


 スナバさんが銃を抜く。

 素早い。

 そして顔の前で銃を構える。


「――こうして、サイトを覗いて射撃する」


 左右に照準を合わせる動きも機敏だ。

 エドガワ君と比べるとサマになるなぁ。



 エドガワ君が動きをまねながら言う。


「それなら狙えそうですね」


「まだエドガワは覚えなくていい」

「えっ? どうしてですか?」


 エドガワ君は目を丸くしている。

 俺も不思議に思う。


 スナバさんは真顔で言う。


「ハイポジションで対応できない距離なら逃げろ」

「あ、はい……」


「おお、現実的だ!」


 なんか、すごく納得できるな。

ご意見ご感想お気軽に! 「いいね」も励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あくまで銃で対応するスタンスなんだねぇ… 異能が戦闘向きじゃないのに接近戦やれというのは無茶か
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ