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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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第五エリアの再偵察! 雨季でウキウキ!?

 自律分身は食事を一口食べて言う。


「ウマいな……! クセがなくて――」


 それを聞いてトウコがふきだす。


「ぷっ! デジャブっスか!? 店長とおんなじこと言ってるっス!」


「自律も俺なんだから同じこと言うわ!」と俺。

「ん? かぶってたか?」と自律分身。


 少し前に決戦場で分かれた俺自身なのだ。

 同じ物を食えば同じ感想(リアクション)になるのは当然だ。



 自律分身は食べながら偵察してきたことを説明する。

 内容はこうだ――


 第四エリアとは違い、雨季のサバンナだ。

 天気が悪いので少し薄暗い。


 エリアを貫くように広い川が流れている。


 川は土色に(にご)っている。水量も多い。

 流れは速くない。


 川に入ってみたらしい。前回よりもさらに深くまで。

 腰丈を超えるほどになると、流れが強くて体が流されそうになったそうだ。


 胸より深い部分もあるらしい。

 聞いたかぎりだと、歩いて渡るのは無理だろう。


 泳ぐか、船のような乗り物が必要だ。


 さいわい、水棲(すいせい)モンスターは見当たらなかった。

 小さいワニだとか、狂暴な魚は()んでいない。


「――以上が偵察結果だ。第六エリアには入らずに引き返してきたぞ」と自律分身。


「川におさかなはいないんですねー!」

「なあんだ。残念っスね!」


「食べることばっかり考えてるだろ!?」と自律分身。

「襲われる心配してくれ!」と俺。


 緊張感! 緊張感よ!

 モンスターとか、川の渡り方とか気になるだろ!?



 思い出したように自律分身が言う。


「あ、そうだ。土産があったんだ」


 手袋をはめて、リュックサックに手を突っ込む。

 取り出したのは花束――ではなく、花のついた枝である。


「わあ! アカシアの花ですねー! これ、食べられますよ!」


 顔をほころばせ、【食材鑑定】をかけるリン。

 花より団子派だな!


 最初に第五エリアにいったとき、天ぷらにして食べたいと言っていたのだ。


 リンが枝に手を伸ばす。

 それをトウコが止める。


「トゲ! トゲに注意っスよ!」

「あっ! そうでしたー!」


 自律分身は手袋をはめている。

 リンが手に取ろうとしたら引っ込めるつもりだった。


「お、トウコは覚えてたか。いいぞ!」と自律分身。

「トウコは前に毒にやられたからな」と俺。


「あのときはひどい目にあったっス!」


 ナイス緊張感!

 学習能力があるようで安心したぜ!


「システムさん。鑑定してもらえますかー?」


<名称:アカシアの枝。カテゴリ:素材>

<名称:アカシアの花。カテゴリ:素材>


「へえ、花と枝で別枠なのか」


 【物品鑑定】では素材だが【食材鑑定】では食べられる判定らしい。


 【毒術】と【薬術】も試す。

 枝は前と同じ。

 同じアイテム扱いだ。

 エリアの違いは関係ないらしい。


 薬は、抗炎症こうえんしょう薬と下痢(げり)止め薬。

 毒は、嘔吐(おうと)毒が作れる。



 ではアカシアの花は――


 薬は、抗炎症こうえんしょう薬と傷薬。

 毒は作れない。


「おお、傷薬は良さそうだな!」と俺。

「さっそく作ってみるか?」と自律分身。


 自律分身は枝も花も何本か持ち帰ってきている。


「お薬ですか? いいですねー」


 といいつつ、リンの表情は浮かない感じ。


「いや、てんぷらにしよう!」

「はーい!」

「やたーっ!」


 薬なんていつでも作れる。

 また第五エリアに行けばいいのだ!

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― 新着の感想 ―
[一言] このダンジョン命名権貰えたら食材ダンジョンでいいんじゃないかな…
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