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社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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祝勝会は香草ステーキで!

 草原ダンジョンの食卓に料理が運ばれる。

 ワニ肉料理である!


 リンがじゃーんという感じで言う。


「はーい! ステーキにしてみました!」

「おお! うまそうだな!」


 大きめに切り分けられた肉は鶏肉に似ている。

 焼き目がついていて、ほかほかと湯気を立てている。


 トウコが皿に顔を近づけて言う。


「んー! いい匂いっス!」

「バジルとパセリを刻んだものとオリーブオイル、塩コショウで味付けしてみましたー。どうぞー」


「いただきます!」


 口に肉を運ぶ。

 ハーブのいい香りが鼻孔をくすぐる。


 肉をかみしめる。

 思いのほかさっぱりした味が口の中に広がる。


「お、うまい! 思ったよりクセがないんだな!」


 リンは少し心配そうな顔で言う。


「そうなんですよー! だから、ちょっとハーブが強すぎたかもしれません」


 ワニは(にご)った川に住んでいので、クサそうなイメージがある。

 だが、そんなことはなかった。


 そして脂がのっているのに、しつこくない。


 ハーブは肉の臭みを消す工夫だったんだろう。

 肉が案外さっぱりしていたので、ハーブがなくてもイケる。


 でもハーブの香りが食欲をそそるんだよね!

 主張しすぎて肉の味を邪魔したりもしない。


「絶妙だよ! すごく美味い!」


 俺の絶賛の言葉にリンがはにかむ。


「そう言ってもらえるなら……えへへ。うれしいです!」


「やっぱり、生とはぜんぜん違うっスね! うまー!」

「そりゃそうだろ!」


 完璧な焼き加減!

 彩り鮮やかで目でも楽しめる野菜の付け合わせ!


 生と比べんな!


「焼いたお肉でもスキルがもらえたらいいのにねー」

「もっと食べたらもらえるかもしれないっスね!」


 まだ食う気かよ!



「スキルと言えば、ついもらっちゃったけど、スキルオーブはリンが使えばよかったかな」

「あ、そうっスね! あたしは【捕食】でスキル増えるっス!」


「俺は【勤勉】で育てられるし【検証者】もあるからな」

「でも、みんなで頑張りましたからー。喜んでもらえたら、私はそれで幸せです」


 まぶしいっ!

 笑顔がまぶしいぜ!


 成長の遅さに悩んでいたはずなのに……!

 当たり前のように分け与えてくれる!


「……天使かよ!」

「女神っス!」



 料理に舌鼓(したづつみ)を打ちながら反省会が始まる。

 いや、祝勝会(しゅくしょうかい)だな!


「つり出し作戦はなんとかうまくいったな!」

「思ったより足が速くてあせったっス!」


「トウコは引き撃ち余裕っス! とか言ってたのに、ぜんぜんだったな」

「走るだけで必死だったっス!」


 ギリギリすぎて撃つ余裕はなかったのだ。


「遠くから見てて、ドキドキしましたー!」


 このときリンは小山で待機していた。

 さぞ心配だっただろう。



「マキビシは効果があったな」

「でかマキビシっスね!」


 リュックサックからのばらまきもうまくいった。

 自分で踏まないように、一気にばらまく。


 このために準備段階で試行錯誤したのだ。

 うまくいってよかった!



 リンが感心したように言う。


「なんでも作れて、ゼンジさんはすごいですねー」

「なんでもは作れないぞ。忍具だけだ!」


「柵が壊されたときはあせったっス!」

「ああ、あれはあせったな。結構しっかり作ったんだけど、ワニはパワーもすごかった」


 パワーとスピード、さらにタフネス。

 フィジカルが強すぎるぜ。ワニ!


「リン姉の射程距離に入ったときの安心感っ! 頼れるっス!」

「新しく取った【魔力強化】のおかげで、少し楽に魔法が使えたんですよー」


「威力はどうだ?」

「うーん。強くなってると思うんですが、ワニさんには効いてなくて……」


「効いてないわけじゃないぞ。ちゃんとヒットポイントは削れていたはずだ」

あいつ(ワニ)、銃で撃ってもリアクションないから、わかんないっスね!」


「たしかに、効いてるかわからなくて困ったな」


 耐久力が高すぎて効果が見えにくいのだ。

 倒せないかと思ったわ。



「あ、でもいつもより楽に戦えたと思います!」

「魔力が増えた実感あったのか?」


「はい! いつもはもっと早く疲れちゃいますねー」

「魔力切れの課題はクリアできたんだろうけど……今日はさすがに長丁場だったな」


「あたしもヘトヘトっス!」

「トウコのは走ったからだよな」


 チャージショットは魔力を食うが、普通の銃撃は魔力を使わない。


「でも【身体強化・体力】で次からは余裕(よゆー)っス!」

「よし! 次もエサ役は任せる!」


「うえぇ!? そういう意味じゃないっス!」


 トウコは情けない顔ですがりついてきた。


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